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《69才・オバ記者が体験した“時代の最先端”》LINEのオープンチャットをきっかけにオンラインセミナー開催、終了から10分後に報酬が振り込まれる「スピード感」に衝撃

オンラインセミナーを開催したオバ記者(写真/イメージマート)
写真2枚

 スマホは誰もが持つようになり、AIも当たり前の存在となっている。何年か前までは想像しなかったようなことが、簡単にできるようになっているのだ。女性セブンの名物ライター“オバ記者”こと野原広子氏が、自身が体験した“時代の最先端”について綴る。

「出たぁ〜、令和の胡散臭い職業」

 時代の最先端っていうのかしら。私、すごい体験をしちゃったのよ。皆さん、スマホでLINEをやっているわよね。その機能のひとつに「オープンチャット」というのがあるのはご存じ?

 どんなものかというと、「共通の趣味や目的を持つ人たちと匿名で会話ができる巨大なグループチャット」だそうな。要は主催者とゲストがトークしているのをリスナーが聴いて、感想や意見をチャットに書き込んで、やり取りをしましょうというわけよ。と、言葉で説明すると長くなるけど、やってみたらなんてことないし、趣味の話題だからススッと頭に入ってくる。

 でね、私、1か月ほど前に、そのオープンチャット主催者からゲストに呼ばれて好き勝手しゃべったの。しばらく前から講演の仕事が増えて、出たとこ勝負で話すことに抵抗が少なくなっていた私。なんと、ライブトークが終わった直後に、「オンラインでセミナーをしませんか?」と誘われた!

 聞けば、受講者を10人集めるから、「雑誌に取り上げられるプレスリリースの書き方」を2時間話してほしいとのこと。こんな提案を私にしたのは、オープンチャットを主催している“まさみっちゃん”で、本名は中川真光さん(49才)。『なぜか人が集まる人の39の習慣』(太陽出版)の著者だ。肩書は《LINE導線コンサルタント》だって。「出たぁ〜、令和の胡散くさい職業ナンバー1!」と、オープンチャットに参加する前の私なら間違いなく言ってたね。

感じた清々しさ

 もう、とんでもございませんて。AIが進化して広がり出して、私らの世代でも「料理のレシピから人づきあい、体調不良の原因まで、みんなAIに聞く」と言う。その広がり方の速さがここ半年、尋常じゃないというのが私の実感だ。「時代の曲がり角」どころかヘアピンカーブに突っ込んでいるみたい。

 たとえば、以前に体験したスキマバイトは、アプリで仕事を探して数時間だけパッと働き、直後に口座に賃金が振り込まれるのがいかにも令和!と感心していたけど、そんなの序の口も序の口よ。

 いま、仕事相手として私の前に現れるのは40代から50代の、私から見たら子供世代で、その下の20代となると孫だよね。彼らと話すと、やることなすこと、水生動物と陸生動物くらいの違いを感じるときがある。

報酬は驚く速さで振り込まれた(写真/イメージマート)
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 気の利いた人はみんな起業して投資をしているし、なんたってスマホの扱いが上手。話の流れを止めずにスマホで調べものをして、「ああ、この人か」とか「野原さんの言っているのはこういう意味?」と言いながらスッと会話に戻る。まさに別次元だ。だから、まさみっちゃんとやり取りをしていたら、そうか!と腑に落ちた。私のような昭和世代と令和の仕事術をつなぐ“翻訳者”が《コンサル》という仕事なんだなと思ったの。

 で、セミナー当日。受講料は私からしたら、けっこうな金額だ。50年近く出版業界にいるから、「プレスリリースの書き方」なら言えることはたくさんあるけれど、問題はリモートの接続よ。ちゃんとつなげることができるんだろうか。微妙な顔色の変化が見えない中で、10人全員を満足させる話ができるのか—─それを思うと前々日から胃がキュッと鳴った。

 だけど肝心のまさみっちゃんは「ぼくもいるから大丈夫ですよ」と悠然としている。この人、昭和オバに最先端の仕事を預けて怖くないのか? といっても、始まったら必死よ。まず自己紹介をしてもらい、私が全員に共通する総論を話す。そのあと、10人それぞれの夢をひと言で言い切る言葉を見つけてもらう。さらに私がアイディアを出して練る。

 いやもう、頭の中は汗だくだくよ。しかも受講者は本を出版したいと願っていて、つい私が身を乗り出して取材したくなるような人ばっかり。何度も自分の好奇心にブレーキをかけた。

 しかし私が本当に驚いたのはセミナーのあとよ。なんと10分後にまさみっちゃんは講演料を振り込んできたの。

 さらに翌朝には、私の話したことをまとめた見事な資料が写真入りで送られてきた。この速さこそ、AI時代なんだなとため息が止まらない。そして戸惑いつつも、私自身が69才にしてひと皮むけたという清々しさもあり。“時代の急カーブ”に悲鳴を上げつつ、少し先を見通せたような気になったのでした。

【プロフィール】
「オバ記者」こと野原広子/1957年、茨城県生まれ。空中ブランコ、富士登山など、体験取材を得意とする。

※女性セブン2026年10月22日号

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