
去る10月29日、東京・港区の赤坂御苑で秋の園遊会が開催された。昨年から導入された皇族方が複数のルートをお進みになり招待客らと懇談される方式。今回も両陛下とほかの皇族方は歩くルートを異にし、各界の功労者など招待客約1400人を手分けしておもてなし。春の園遊会では洋装で華を添えられた女性皇族方だが、今回は皇后・雅子さまをはじめ、天皇家の長女・愛子さまや秋篠宮家の次女・佳子さまらが揃って和装で臨まれた。
中でもひときわ注目されたのが、まるで示し合わせたかのようにそっくりな色合いのお姿を披露された愛子さまと佳子さまのお2人だ。愛子さまは紅葉があしらわれた薄いオレンジ色の振袖、佳子さまは紅葉だけではなく菊などもあしらわれた薄いピンクの振袖をお召しに。雅楽の調べが流れる中、赤坂御苑は平安絵巻を思わせる雅やかなムードに包まれていた。

「お2人とも秋の園遊会にふさわしい上品な色合いをお選びになりつつ、さらにそれぞれの個性を活かした文様の振袖をお召しでした」と感嘆するのは、国内外の服飾染織史に詳しい大妻女子大学准教授の須藤良子さんだ。

「愛子さまの振袖は、色づく紅葉とともに、平安時代以降に室内の間仕切りとして使われていた几帳や雅楽の楽太鼓、琴などの楽器を配し、平安の王朝文学を想起させる意匠でした。佳子さまの振袖には菊や梅、紅葉といった実在する植物に加え、帯には牡丹や芍薬、芙蓉などの花々の美しい部分を組み合わせて作られた架空の花“宝相華(ほうそうげ)”という、正倉院の錦にも見られる歴史ある文様が織りだされていました。それぞれ平安時代を想起させる見事な着こなしだったと思います」(須藤さん)
さらにお2人は帯揚げや帯締めにも朱色の同系色を使用。愛子さまが振袖と統一感のある色合いの帯を締められシンプルにまとめられた一方で、佳子さまはライトグリーンの帯を合わせられ、斬新さと若々しさにウェイトを置かれた着こなしを見せられた。