食欲の秋が、ついに来てしまった今日この頃。おいしいものに目がくらむけれど、美ボディに憧れてしまうのが乙女心というもの。
そんな中、「毎朝オフィスで“スロトレ”というトレーニングをしている企業があるらしい」との噂をキャッチ。なるほど、運動を習慣化してしまえば秋太り知らずでは? というかスロトレって何? この真相を確かめるべく、運動不足気味なライターFがいざ潜入!
美ボディへの近道は、朝イチのスロトレにあり?
ライター稼業というものは、締め切りをかかえるからなのか、どうしても夜型になりがち。今回の集合時間は、朝8時過ぎ。眠い目をこすり、いつも以上に重たい体に鞭打ってやってきたのは、美容品や健康食品の販売を行う会社、協和。そう、こちらが毎朝オフィスで社員がトレーニングしている会社だ。
「一体、スロトレとは…」とハテナマークを頭に浮かべ、まだ寝ぼけ眼なライターFに、「スロートレーニングのことで、いわゆるゆっくり行う筋トレです」とにっこり笑顔を向けてくれたのは、トレーニングを考案した栁澤哲さん。柳澤さんは競歩でシドニー五輪に出場したこともある元アスリートだ。
「ポイントは2つです。ゆっくりと筋肉を動かして体に負荷をかけること。関節を伸ばしきらないこと。この2つがそろった状態でトレーニングを行うこと、常に筋肉がパンプアップといって膨らんでいる状態になります。そうすると筋肉の中は無酸素になるので、乳酸が出てきます。乳酸が増えると、脳の下垂体から成長ホルモンが分泌され、脂肪燃焼や筋力アップにつながります。スロトレ後、6時間以上も代謝がアップするので、短時間のトレーニングでも効果的なんですよ」(栁澤さん、以下「」同)
聞けばスロトレは、たったの15分間。オフィスという環境でもトレーニングを行えるよう、器具は使わないという。さらにスーツやスカートでもできるよう、独自のスクワットやプッシュアップ(腕立て伏せ)を栁澤さんが考案したそう。
協和が社員の健康増進のためにスロトレを取り入れ始めたのは、2011年。以降、社員全員が業務の一環としてこのトレーニングに励んできたという。すると、生活習慣病リスク者数が改善。メタボの社員の割合は全国平均を8.6%下回ったというから驚き。そんな“健康優良企業”に目を丸くしているライターFに、ようやくその時がやってきた。朝8時45分。スロトレ開始の時間である。
不思議な光景でも笑いなし! オフィスで真剣トレーニング
フロアを見渡してみれば、社員の皆さんが勢ぞろい。ライターFもこの日だけは、社員になったつもりでスロトレに励んでみる。
「いつも通り、クロスのウォーミングアップから行いましょう!」。
栁澤さんのはつらつとした声がフロアに響き渡ると、社員が足踏みしながら、上半身を左右にひねっていく。オフィスで行われているこの不思議な光景に、ライターFの顔が時折にやけてしまう。しかし体を動かしている社員の誰ひとりニヤニヤしていない。そう、これはお笑いなしのマジメな取り組みなのだ。そう瞬時に察したライターFも真剣にウォームアップすることに。
体をクロスさせること50回。体の中が少しぽかぽかしてきたところで、「余裕、余裕! では早速スロトレと行きますか(ドヤ顔)」とライターFは心の中でつぶやくも、ウォームアップはまだ終わらなかった。
右ひじに左足を近づけていく動作を10回、手足を入れ替えて反対側も10回。これを3セット。一見ちょっとした動きに見えるが、運動不足なライターFはじんわりと汗をかいしまう。こ、これは脂肪が燃えているゾ…(バンザイ)!
そしていよいよスロトレの開始! 今日のメニューがスクワットだとアナウンスされると、社員は慣れた感じで、足は肩幅より広め、つま先は外側、手を胸にクロス。すると、ライターFも慌ててスタンバイする。
「膝は軽く曲げて、体を下すときは膝がつま先よりも出ないように気を付けましょう。では1回目! 1、2、3。1、2、3」
周りを見て真似てみるライターF。どうやら最初の3拍で体をおろし、次の3拍で状態を上げていくことがわかった。この調子で10回。もちろんこの間もニヤける隙もない。みなさん一様に真剣そのもの。
「しゃがむとき、しっかりと骨盤を立てることを意識しましょう。まっすぐ下に体を落としていくイメージです」と栁澤さんがアドバイスを入れつつも、これを全2セット行っていく。
そして3セット目に入る前、フロアの全体の雰囲気がそわそわしている。なぜだ?
「10カウントでいきます! ただ回数は5回。さっきとは違ってカウントが長くなるので、途中でスクワットが終わらないように気をつけてください。では、ゆっくりとしゃがんで、ゆっくりと上がっていきましょう」
そんな栁澤さんのアナウンスがなされ、10カウントで1回のスクワットを行っていくことに。よりスローなトレーニングになるので、筋肉にじっくりと負荷がかかり、よりキツくなっていく。「うぅ…」という声もれを聞きながらも、5回のスローなスクワットを終えたライターF。さすがに暑い、額に汗が浮かんでいるではないか。
終わった喜びに浸っていると、「では“フェイトレ”でーす」と広報の上間秀美さんがひと声。え…、終わりじゃないの?
突然始まったフェイトレの正体は?
「肩回しからです」という声とともに、指先を肩に乗せ方をぐるぐる回す動きを、前回しと後ろ回しの各10回。そして「顔の中心に向かって縮めて、ゆっくり戻していきます。そして目を開いて縦にぐっと伸ばしましょう」とのアナウンス。
顔を縮め、元の表情に戻す。それから縦に伸ばして、ゆっくり戻す。この一連の動きをそれぞれ5秒間かけて繰り返していくこと、3回。「朝から何て愉快なんだろう…」と思っていると、フロアに拍手が起こる。今日のトレーニング終了の合図であった。
体がぽかぽかと温まったライターF。広報の上間さんにフェイトレなるものについて聞いてみた。
「表情筋トレーニングのことですね。いつもスロトレの後に行っていて、今行ったもののほかに、28種類あります。顔の筋肉を動かすことで、たるみやしわを予防する効果があるんです。女性社員からはほうれい線が薄くなったという声もあって、好評ですよ」と上間さんはにっこり。
ジムに行かなくても必然的に運動することに
ちなみに、スロトレは30種類あって、毎日、プログラムが変わっていくそう。企業の始業前の運動といえば、ラジオ体操が主流。そんな王道もいいけれど、筋肉にアプローチしてくれるスロトレは、よりダイエットにも効果的かもしれない。
「働いているとなかなか運動ってできないものですよね。でもオフィスでスロトレを取り入れることで、ジムに行かなくても必然的に運動することになる。これを取り入れると決まったとき、社員から反対の声が上がるかなと思ったんですが、全然なかった。それどころか、むしろ好反応でした。“ベルトの穴が2つ減った”“階段でも呼吸が乱れなくなった”“膝や腰の痛みが軽減した”という声もあるんですよ」(栁澤さん)
スローなトレーニングではあるけれど、効果てきめんのスロトレ。15分程度で簡単にできるから、毎朝の日課にすれば秋太りを撃退できるかも!
取材・文/船橋麻貴
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