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《追悼秘話》田村正和さんの妻が急逝していた 夫の遺志を継いで守り抜いた「こだわりの墓」と「田村姓」 

2021年4月に亡くなった稀代の名優・田村正和さん
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「静かに逝きたい」夫の遺志を尊重して送り出した妻は、夫が残した“遺言”に人知れず向き合っていた。家族を思う故人の心残りに応えた矢先の不幸。国民的俳優と家族の物語には、続きがあった──。

「病気を患っていたとか、具合が悪いという話は聞いたことがなかったから、突然の知らせに衝撃を受けました。一周忌が終わったいま、関係者に彼女の訃報が徐々に伝わり始めたところですが、驚きと悲しみの声が聞こえてきます」

 そう話すのは、2021年4月に亡くなった田村正和さん(享年77)を古くから知る芸能関係者だ。田村さんの個人事務所の代表などを務め、稀代の名優を公私にわたって支えてきた妻の和枝さんが2024年10月、急逝していた。50年以上にわたって田村さんと苦楽を共にした和枝さんは、最期まで夫の遺志を継いで旅立った──。

 ふたりの出会いは1968年。友人宅で開かれたパーティーで顔を合わせ、田村さんのアプローチで交際を開始。1970年に結婚すると、「女性は結婚したら家庭に入るべき」という彼の考えを尊重した和枝さんは三歩下がって夫を支えた。

「私生活を明かさないことを信条とした田村さんは、人前では食事すらとらないことを徹底していましたが、その分、自宅でのだんらんをとても大切にしていました。家族での夕食を楽しみにしていた田村さんのために、和枝さんは自慢の料理をテーブルに並べて帰りを待ったそうです」(和枝さんの知人)

 人づきあいが苦手な田村さんにとって、和枝さんは唯一心を許せる話し相手でもあった。

「“うちの奥さんは100点満点”と周囲にのろけることもあって、田村さんは、和枝さん本人に感謝の気持ちを伝えることも珍しくなかったといいます。田村さんからの愛情表現は、和枝さんにとって何よりの幸福だった」(前出・和枝さんの知人)

古畑任三郎は一大ブームになった(2012年)
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『パパはニュースキャスター』(1987年/TBS系)や、1994年にスタートした『古畑任三郎』シリーズ(フジテレビ系)など数々のヒットドラマに主演した田村さん。2018年2月放送の単発ドラマ『眠狂四郎 The Final』(フジテレビ系)への出演を最後に表舞台から姿を消すと、2021年5月に訃報が伝えられた。その少し前から、プライベートに変化が見られたという。

「ひとりでの散歩を日課にしていた田村さんですが、2020年頃から和枝さんと連れ立って街中を歩くようになったんです。この頃の田村さんは、“私生活を見せない”というポリシーは、もう自分には必要ないと感じていたのでしょう。それよりも、残された時間のなかで“1秒でも長く”和枝さんと過ごしたいという思いが、強かったのではないでしょうか」(前出・和枝さんの知人)

 夫妻には結婚の翌年に誕生した一人娘がいる。田村さんはインタビューで「子供はうるさいから嫌い」と口にすることもあったが、実際は多忙な仕事の合間を縫って娘の学校行事に出席するなど、父親として娘と過ごす時間に充実感も覚えていた。

「2001年に行われた娘さんの結婚式では、花嫁姿を前に目を潤ませ、巣立っていく娘さんの姿を脳裏に焼きつけるように視線を送っていたといいます。

 その娘さんは2人の男の子を出産し、田村さんご夫妻がおじいちゃんおばあちゃんになると、今度はお孫さんにたくさんの愛情を注いでいました。自宅に遊びに来たお孫さんの様子を、和枝さんが目尻を下げて知人に話したこともあった。いまは2人とも成人しましたが、夫妻で孫の成長を見守っていました」(前出・和枝さんの知人)

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