朝晩の寒さが厳しくなってきたけれど、新陳代謝も下がりがちなこれからの季節の大敵はなんといっても“冷え”! 冷えは、放っておくと、肩こりやむくみ、肌あれ、不眠、便秘、下痢やだるさに生理痛などさまざまなトラブルを引き起こす。
そんな冷えを体の中から改善してくれそうなとっておきの“温活レシピ”をアスリートフードマイスターで料理研究家であり、「マラソン界のシンデレラ」と呼ばれた最強美人ランナーの市橋有里(いちはし・あり)さんが伝授。
“料理修行中”ライターFが、有里さんに “温活”のテクをあれこれ聞いてきました! おいしく食べながらも、きれいになりたい人、注目です。
手軽に“温”チャージ! 「キャロットジンジャーマフィン」
――ジンジャーですか! 聞いただけで体がポカポカしてきそうなこのマフィン、市橋さんはどんなときに食べていたのでしょうか?
有里:このマフィンは、現役時代からの“愛用メニュー”なんです。試合前のコンディション作りが大事なときは、自分で料理をして体を整えていたのですが、当時も朝食用・間食用に作り置きをして、冷凍庫にストックして食べたい時に食べていました。持ち運びやすいので、試合会場に持っていくこともありましたね。とっても簡単なんですよ!
《材料》(16個分)
にんじん…300g しょうが…25g くるみ…50g レーズン…50g豆乳…40ml サラダ油…70ml メープルシロップ…150ml
[A]薄力粉…235g コーンミール…110g ベイキングパウダー…10g
《作り方》
【1】[A]を大きなボウルに入れておく。
【2】にんじん、しょうがをすりおろし、豆乳、油、メープルシロップと一緒に【1】のボウルに入れて粉っぽさがなくなるまで混ぜ、レーズンとくるみ(細かく砕きながら)も入れて混ぜる。
【3】 【2】をカップに入れて180度に予熱しておいたオーブンで45分焼く。
※レーズンは焦げやすいので表面に出さないようにする。
ショウガオールとカロテン、温活食材を贅沢使い
――このマフィンの“温活要素”を教えてください。
有里:まず、しょうがに多く含まれるショウガオールは、なんといっても血行を促進して体を温め、発汗作用を高めてくれる効果が期待できます。
――しょうがは一度になかなかたくさんの量を食べられないからこそ、こうしてマフィンに入れることでしっかり摂れるのがいいですね! 一方、にんじんはどんな効果が期待できるのですか?
有里:にんじんの注目栄養素は、カロテン! カロテンは免疫力アップや、肌の調子を整えるといった効果が期待できる栄養素なのですが、冷えによって低下しがちな免疫力を高めてくれるんです。皮に多く含まれる栄養素なので、皮ごとすりおろすのがオススメですね。
またここでの栄養素は加熱して、油と一緒に摂ることで体内の吸収率がよくなるからこそ、オイルもしっかり使うのが有里流だとか。油もカロリーを気にしてやみくもにカットするのではなく、必要に応じてしっかりと取り入れることで、効率よく栄養素も力を発揮するのだそう。
むくみ、美肌、ダイエット効果も!?女性に嬉しい効果が満載!
――しょうがとにんじんでしっかり温活!と思いきや、実はほかにも女性に嬉しい効果が盛りだくさんって本当ですか?
有里:温活はもちろんですが、せっかく食べるなら“美しくなれる”メニューだと、最高ですよね。今回、牛乳ではなく豆乳を、そして食感のアクセントを出すためにもくるみを使っているのですが、豆乳のイソフラボンや、くるみに含まれる良質なオイルやビタミンEは、“天然の美容液”。女性に嬉しい美肌効果が期待できるんです。
――さすが有里さん! 嬉しいです。しっかり温活するだけではなく、美肌のことまで考えてレシピを考案していたとは!
有里:それだけじゃないんですよ~。くるみに含まれるその良質なオイルは、腹持ちもよいのでダイエットにもぴったりなんです。わたしも現役中、運動前のエネルギー補給に食べていました。また豆乳とくるみに含まれるカリウムが、余分な塩分を排出してくれるので、むくみをとってスッキリしたボディを目指せます。
――温活に加えて、ここまでの美容効果があったとは驚きです。
有里:あとは、女性には嬉しい貧血予防の効果も期待できる鉄分がたっぷり入っています。
――まさに温活神レシピですね!
有里:ありがとうございます!
スープをプラスして、朝食や休みの日のブランチに
――冷凍してストックできるのも、働き世代には嬉しいポイント。例えばここに何かもう一品添えて献立を考えるなら、どんなメニューがいいですか?
有里:そうですね、マフィンなのでスープなどがいいと思います。それも鉄分が豊富なアサリをたっぷりいれたクラムチャウダーなど。
――おいしそう! それなら朝食や、休みの日のブランチにも最高ですね。
有里:鉄分は体内の代謝にかかわるので、温活にも必要な栄養素のひとつです。女性は特に生理で定期的に鉄分が失われるので、普段からしっかり摂るようにしましょう!
――今回はステキなメニューありがとうざいました!
有里:こちらこそ。この冬の温活対策にアリだと思います。
選手生活において食事はトレーニングと並ぶほど大切なもの。あえて栄養士をつけず、それまでの料理経験を生かし、パフォーマンス向上のため、試行錯誤しながらお料理を楽しんできた有里さん。
そんな有里さんが提案するとっておきの“温活レシピ”で、最強のポカポカ美人を目指しましょう!
レシピ考案:市橋有里
いちはし・あり。1977年11月22日、徳島県生まれ。アスリートフードマイスター・料理研究家・ランニングアドバイザー。1999年、世界選手権セビリア大会銀メダル獲得。2000年、シドニーオリンピック日本代表。「マラソン界のシンデレラ」とも呼ばれ、現在はランニングアドバイザーとして女性誌でランニングモデルをしたり、料理イベントをするなど、活躍の場を広げている。
撮影協力/jin(http://jin-tokyo.com/)
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