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宮崎あおい「電子レンジ持ってない」発言に“ザワッ” レンジや炊飯器を使わない“丁寧な生活”に挫折、心苦しさを覚えた人たちの本音 

Netflixでの“奇跡のツーショット”が話題を呼んでいる宮崎あおい
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 炊飯器を持たずに土鍋でご飯を炊いたり、食材は電子レンジを使わずに蒸し器で温めたりする──世の中には、こういった生活が「理想的な生活」として紹介されていることが多い。しかしそれにプレッシャーを感じている人も少なくないようだ。

 Netflixが11月20日に公開した“奇跡のツーショット”が話題を呼んでいる。

「今日のシリーズTOP10」の1位に岡田准一(45才)主演のドラマ『イクサガミ』、2位に宮崎あおい(39才)が出演するドラマ『ちょっとだけエスパー』(テレビ朝日系)がランクイン。図らずも夫と妻の顔写真が横並びになった。

 岡田と宮崎は2017年12月に結婚し、今年に入って第4子が誕生した。

『イクサガミ』(Netflix)は岡田の初プロデュース作品で、明治になって困窮した武士たちが壮絶なバトルを繰り広げる時代劇。『ちょっとだけエスパー』は、ささいな超能力を持つ面々が世界を救うコメディーで、宮崎は夫の死のショックで記憶を失い、主演の大泉洋(52才)を夫だと思い込む主婦を演じている。

 そんな岡田家の暮らしぶりが垣間見えるのが、雑誌『リンネル』(2026年1月号)での宮崎の発言だ。最近買い替えた蒸し器について《上で野菜やお肉を蒸すと、下においしいエキスが落ちてきて、スープもつくれるという優れもの》と熱弁し、こう続けた。《うちには電子レンジがないので、ごはんを温め直すときも蒸し器は必須なんです》

 管理栄養士の望月理恵子さんによれば、電子レンジを使わないことによるメリットは少なくないという。

「電子レンジで加熱すると高温によってたんぱく質や糖が結びつき、体の中でAGE(終末糖化産物)という老化物質ができやすくなる。特に油が多いものはAGEが増えやすいので、唐揚げなどはオーブンやフライパンで温める方が影響が少なくヘルシーだと言えます。

 そもそも電子レンジが家になければ、AGEが増えやすい冷凍食品や揚げ物のお総菜などの加工食品を食べる機会が減るのも利点だと思います」

 AGEが体内に蓄積すると、肌の老化や動脈硬化、アルツハイマー型認知症などのリスクが高まるという。電子レンジのない生活は、健康にも若々しさを保つことにもつながりそうだ。

竹せいろがキッチンの片隅でカビのかたまりに

 一方で、電子レンジを使わない“丁寧な暮らし”に、ハードルの高さを感じる人もいる。

「理想的だというのはわかっているんですけど、そういう記事を読むと、心がザワッとするんです。自分もやらなきゃって、すごくプレッシャーを感じてしまって……」と言葉を濁すのは、東京都在住のAさん(55才)だ。

 実際にAさんには、電子レンジを使わない生活をしていた時期がある。

「義母から電子レンジを使うとマイクロ波の影響を受けると指摘され、電子レンジを処分。代わりに、料理を蒸して温めるための竹せいろを購入したんです。ところがいざ使い始めると、メンテナンスが大変。洗剤はNGだし、しまう前に陰干しをしなければいけないし。私は家業の経理で忙しく、月末はバタバタ。結局、だんだん使わなくなって、キッチンの隅でカビのかたまりになっていた。それを見たとき〝忙しくて要領もよくない私には無理〟と悟りました」(Aさん)

夫婦の出演作が1.2位にランクイン(公式HPより)
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 友人宅で食べたお釜で炊いたご飯のおいしさに惹かれ、炊飯器をやめた神奈川県に住むBさん(54才)も、挫折してしまったひとりだ。

「毎日炊き立てが食べられるならまだしも、部活帰りの息子や、残業続きの夫の帰宅時間がバラバラだと難しい。最初こそ、家族が帰ってくる度に釜に残ったお米に水を吹きかけて、蓋をして温め直していたのですが、しばらくすると億劫に。最近は電子レンジを使ってしまいます。時間に余裕がある人じゃないと続かないなと身をもって知りました」

 丁寧な暮らしに憧れ、生ゴミを肥料にして活用する「コンポスト」を購入したのは、静岡県に住むCさん(50才)だ。

「ゴミが減り、“これが地球にやさしい生活ね”という気になっていました。でも、玉ねぎの切れ端や卵の殻、魚の小骨など何でも入れていたのがいけなかったのでしょう。ある日、帰宅した夫に“庭から変なにおいがするぞ”と指摘されました。うまく肥料にならず、ただ腐った生ゴミを捨てただけになっていて……防腐剤や発酵促進剤を入れてよくかき混ぜ、少しにおいが収まってからゴミ袋に小分けして捨てました」

 その様子を見ていたお隣さんから「コンポストは手をかけないと、においますものね」とやんわり言われ、ご近所にも迷惑をかけていたことに気づいたという。

 前出のAさんが「電子レンジなし生活」をやめた直接のきっかけは、娘のひと言だったという。

「高校生最後のバレンタインデーの友チョコ作りのために、電子レンジを買ってほしいと懇願されたんです。私も久しぶりに使ってみたら、ご飯が簡単にホカホカになるし、さつまいもを下茹でしたり、レトルトカレーを温めたりと、なんと便利なこと。この一件で気づいたのは、家族の笑顔が見られるのが、私にとっての理想的な暮らしだということです」

 前出の望月さんによれば、電子レンジには、便利さ以外のメリットもあるという。

「例えばブロッコリーをお湯で茹でると時間がかかり、その間にビタミンCなど水溶性の栄養素が抜け出ていってしまう。電子レンジなら短時間の加熱ですむので、栄養素の損失も抑えられるし、コスト面でのメリットもあります」

 大切なのは自分にとっていちばん心地よい着地点を見つけることなのだろう。

女性セブン20251211日号

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