暑い季節になってくると、食べたくなるのが冷やし中華。糖質の高い麺類は、ダイエッターには食べたくても手を出しにくい食べ物の1つ…だが、管理栄養士の菊池真由子さんは「麺類の中でも冷やし中華は太りにくく、食べ方を工夫すればダイエット食になる」という。そこで、太らない理由とおすすめの食べ方を菊池さんに教わった。
冷やし中華は太る？痩せる？その理由とは
「健康的に美しく痩せるための秘訣はたくさんの栄養素を摂ることです。ハムやチャーシュー、卵、野菜、海藻など、具材が豊富にはいった冷やし中華はまさにダイエット向きの優良食。麺の糖質、肉と卵のたんぱく質・脂質、野菜と海藻のビタミン・ミネラルと、栄養価のバランスもいい。中でも、たんぱく質が多いことが太りにくい理由です。たんぱく質は、食べて摂取したカロリーを燃やして体温に変える。つまり、体内に脂肪として蓄積されにくいんです」（菊池さん・以下同）
ただし、気をつけたいのは味つけだ。
「濃厚な味わいのごまだれは魅力的ですが、カロリーや脂質をセーブするなら、ごまベースのタレはNG。しょうゆベースやぽん酢でいただくのがおすすめです」
十分なたんぱく質を摂り、あっさり味で食べるのが太らないポイントと言えそうだ。
コンビニの冷やし中華はアレンジして野菜をプラス！
では、手軽にテイクアウトできるコンビニの冷やし中華でも太らないのか？
「コンビニの冷やし中華は、麺に対する具材の量が少ない。特に、足りないのが野菜です。緑黄色野菜や海藻などのサラダ類、手軽にとるなら野菜100％のジュースやトマトジュース（180～200ml）がおすすめ。野菜を追加するだけで、栄養バランスのとれた太りにくい麺になります。飲むタイミングは食前がベスト。カゴメの研究では、食前に野菜ジュースを飲むと食後の血糖値の上昇を抑えられる、という結果も出ています。
また、ツルツルとのど越しのよい麺は、あまり噛まずに食べてしまう傾向があり、満腹感を持続できずお腹がすきやすい。適量を食べているのに、物足りず間食に走りがちです。食前にコップ1杯の野菜ジュースを飲むだけで、満腹感が持続しやすく過食や間食予防になります。ただし、野菜ジュースといえども糖分が含まれているので飲みすぎには注意を」
さらに、トマトジュースのトマトに含まれる赤い色素のリコピンには、紫外線から肌を守ってしみを防ぐ働きがあるので、日差しの強いこれからの季節にはベター。
糖質やカロリー、普通のラーメンと比べると？
そうはいっても、冷やし中華で使われる麺はラーメンと同じ中華麺。糖質が気になるところだが…。
「もちろん、冷やし中華の麺もラーメンと同じ中華麺ですから、麺自体の糖質はラーメンと変わりません。ですが、汁なしの冷やし中華は、ラーメンと比べて圧倒的に総カロリーが低い。脂やうま味成分、塩分が溶け込んだラーメンのスープは高カロリーのうえ、そのスープが浸透した麺のカロリーも当然上がります。
短期間で体重を落としたいという人は、たんぱく質の卵やハムはマスト、ビタミン・ミネラルなどを含むきゅうり、トマトなどの具材を多めにして、その分、麺を1/3～1/2程度残しましょう。糖質も新陳代謝のための大事なエネルギーですから、糖質をゼロにする食べ方は好ましくありません」
この夏、太りたくないなら、冷やし中華を食べるときはダイエット的に“正しい食べ方”でぜひ！
教えてくれたのは：管理栄養士・菊池真由子さん
管理栄養士。健康運動指導士。NR・サプリメントアドバイザー。日本オンラインカウンセリング協会認定上級オンラインカウンセラー。大阪大学健康体育部（現・保健センター）、阪神タイガース、国立循環器病センター集団検診部（現・予防検診部）を経て、厚生労働省認定健康増進施設などで栄養アドバイザーを務める。ダイエットや生活習慣病の予防対策など、のべ1万人の栄養指導に携わる。その活動の集大成として刊行した、『食べても食べても太らない法』（三笠書房）が10万部超え、『図解食べても食べても太らない法』（三笠書房）が17万部超えのベストセラーに。最新作は、『食べれば食べるほど若くなる法』（三笠書房）は7万部超え。https://www.diet-class.com/
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