豊富な栄養を含むチアシード。その実力と効果について、数年前から治療にチアシードをとり入れているという、ブルークリニック青山の内藤真礼生院長にうかがいました。
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「オメガ3脂肪酸」の含有量の高さに注目!
「オメガ3脂肪酸」はアマニ油などのオイル、サンマ、サバなどの青魚に豊富に含まれ、“体にいい油”として知られています。「オメガ3脂肪酸」は、体内でDHAやEPAに変化。DHAは脳の細胞膜を作り、神経伝達をスムーズに。EPA は血液をサラサラにし、血管を広げるような物質も出します。
ほかにも「オメガ3脂肪酸」は数多くの健康効果を発揮してくれますが、意識して摂取しないと、普段の食生活では不足しがち。
チアシードの驚くべき点は、なんといってもこの「オメガ3脂肪酸」の含有量の高さ。基本的に天然の動植物に含まれる脂肪酸は、オメガ3、6、9が混ざった状態で構成されているもの。比較的その割合が高いアマニ油で30%程度のところ、チアシードは60%と脂肪酸中のオメガ3の割合が非常に高い。天然の動植物に含まれるオイルの中ではおそらく最高だと思います。
【オメガ3脂肪酸が体にもたらす効果】
●血液をサラサラに
●肌の美しさを保つ
●中性脂肪を減らす
●脳の神経伝達をスムーズに
「食物繊維」が豊富だから、ダイエットにも効果的!
小腸までで消化されずに大腸に達するものを「食物繊維」と呼びますが、これには「便秘の予防」というよく知られている働き以外にも多くの効果があります。
例えば、腸の中の悪玉菌や有害物質を吸着して便として排出したり、糖の吸収速度をゆるやかにして、食後の血糖値上昇を防いだり。さらにはコレステロールの余分な吸収を抑えたり、善玉菌のエサになったりもします。
食物繊維も不足しがちな栄養素のひとつですが、チアシードは食物繊維が豊富。しかも水に入れると30倍程度に膨らみます。食物繊維を含みながら膨張するので、満足感が得られるうえ、腸内の余分なものが排出されるので、ダイエットには効果的です。
【食物繊維が体にもたらす効果】
●便秘を予防する
●腸内環境を整える
●糖の吸収をゆるやかにする
●コレステロールの余分な吸収を抑える
●過食やカロリーお過剰摂取を防ぐ
ほかにも不足しがちな栄養素がたっぷり
さらに、チアシードはミネラルも大変豊富に含みます。例えば、不足するとイライラを招くカルシウムは、植物性のものを摂取したいもの。その点でチアシードは理想的です。
欠乏が不調の原因になるカリウムや亜鉛もたっぷり。カリウムは、生野菜や果物を食べないと不足しやすい栄養素。亜鉛も欠乏している人が多い成分です。ほかにもチアシードには、ビタミンB群や必須アミノ酸など、多くの栄養素が含まれています。しかも不足しがちな成分をバランスよく補ってくれるところがポイントです。
また、麦類に含まれるアレルゲンであるグルテンを含まないため、アレルギーの方も安心して食べられます。数えきれないメリットを持つチアシードは、まさに“スーパーフード”なのです。
内藤真礼生(ないとう・まれお)
医師・医学博士。漢方医学を研究し、2005 年には日本東洋医学会認定漢方専門医も取得。2010 年に統合医療、酵素栄養学など長年の研究の成果を活かした「ブルークリニック青山 内藤統合医療センター」を開設。院内でもチアシードを推奨している
柳澤英子(やなぎさわ・えいこ)
料理研究家。編集・ライターとして料理関連の雑誌やムック、書籍、広告の制作に携わるとともに、レシピの開発や提供など食全般に関わる。数々のダイエットに挑戦してはリバウンドをくり返したが、「食べてもやせる」ダイエットで劇的スリム化に成功。そのメソッドを説明した「やせるおかず 作りおき」は、累計100万部超の大ヒットシリーズに。最新刊に『超入門!やせるおかず 作りおき』(小学館)