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2019.10.16 11:00

革のバッグが雨に濡れたら？など革製品のお役立ち6つをプロが解説

バッグだけでなく財布や靴、パスケースなど、革製品であれば、手入れ法は同じ。手軽にできる家ケアや「そういえば気になる」ことを、革製品のプロである、革製品修復職人の保科美幸さんが解説！　革製品のお手入れについて6つの質問に答えてくれました。

Q1：クローゼットの湿気取りのおすすめは？

どの家庭にも必ずあるトイレットペーパーが、実は使える。1人用のクローゼットなら上段に１つ、下段に２つくらいが目安。

「巻き部分が波打ってきたら換え時です。私はその後、玄関の掃除などに使っています」（保科さん・以下同）

家ケアできない革や、口紅などの落ちない汚れ以外に、全体的な変色や縫い目のほつれ、取っ手の紛失などもあきらめずに相談を。

■家ケアでは落ちない汚れ■
・ドレッシングなどの油分
・ファンデーション、口紅
・マニキュア
・ワイン
・カビ染み
・ボールペンのインクなど

■家ケアに適さない素材■
・エナメル素材
・スエードなどの起毛素材
・クロコダイルや蛇革といった爬虫類革など

ちなみに美靴工房には、50年前のブランドバッグが持ち込まれることも。修理価格は美靴工房の場合、素材や状態などにより異なるが、ブランドバッグの部分補修は9000円～、バッグ全体の補修は2万円～（いずれも税別）。

決して放置せず、すぐに乾いたタオルで水滴を拭って、丸めた新聞紙を詰めて乾かそう。

「中に入れた新聞紙は2時間程度で交換を。そして半乾きになった時点で、ハンドクリームでケアをすれば、雨のダメージは最小限に食い止められます」

革にポツポツと雨染みができた場合は、全体を濡らしてしまうのは避けること。

「全体を濡らすと、水が染み込む部分と染み込まない部分ができて、まだらになってしまいます」

雨染みを自分で消すのは難しいので、専門店でシミ取りを頼もう。

本体が曲がってしまった場合は丸めた新聞紙などを入れて整形を。ゆがみが強いならハンドクリームを多めに塗り込み、やわらかくするのも◎。また、いつも同じ場所にものを入れているとクセがつくため、週1回くらいで収納場所を変更しよう。

購入後はすぐにハンドクリームで保湿を。

「商品は劣化を防ぐために乾燥した倉庫に置かれています。そこで、手のひらにハンドクリームを広げて保湿ケアを。ただし、見えないところの試し塗りを必ず行いましょう」

総合皮革製品洗浄修復研究所『二子玉川　美靴（びか）工房』のテクニカルディレクター。その技術は「革製品修復職人」として、NHK『プロフェッショナル　仕事の流儀』にも取り上げられたほど。工房への依頼は全国から殺到し、現在5か月待ち。

撮影／浅野剛　イラスト／スヤマミズホ

※女性セブン2019年10月10日号