「最近、なんか老けた気がする…」と鏡を見て、落ち込むことはありませんか。白髪、老眼、加齢臭…など、誰しもが抱える老化の悩み。食べることで解決に役立つ食材を、管理栄養士の菊池真由子さんが教えてくれた。お悩み別に食材をうまく食事に摂り入れて、元気に毎日を送りましょう!
髪のうるおいUP:納豆&おくら&モロヘイヤのネバネバ食材で!
髪の主成分はたんぱく質。うるおいのある髪を育てるには、たんぱく質の摂取も大事だが、その吸収率を高めて良質な“髪のもと”を作ることが重要。そこでおすすめなのが、たんぱく質の吸収を促す食材、納豆、おくら、モロヘイヤだ。
「3つの食材に共通するネバネバ成分・コンドロイチンには、髪にうるおいをもたらす働きがあります。納豆はたんぱく源でもあり、皮脂の代謝を上げるビタミンB2も豊富。おくらには老化を抑えるビタミンCが、モロヘイヤには頭皮の血行をよくし髪の隅々まで栄養を届けるビタミンEが豊富。それぞれを単体で食べても効果はありますが、3種類一緒に摂った方がトリプル効果で髪のうるおいがアップします」(菊池さん・以下同)
薄毛:帆立が毛根にある毛母細胞を活性化
髪を作る土台となるのが毛母細胞。この細胞を活性化させれば、新しい髪は生えやすくなる。そのために必要な栄養素は亜鉛だが、生えてくる髪にハリ・ツヤを与えるのはヨウ素の役目。両方の栄養素を兼ね備えた食材が帆立だ。
「帆立なら、ベビー帆立や缶詰でも効果は同じです。薄毛の原因はストレスも関係しているので、心身の疲労回復に効果的なアスパラギン酸たっぷりのアスパラガスと一緒に摂るのがおすすめです」
おすすめレシピ「帆立とアスパラガスの炒め物」
【1】アスパラガス1束は、根元を1cm程度カットして斜め薄切りにする。
【2】フライパンにオリーブ油大さじ1を熱し、ベビー帆立(蒸し)10個と【1】を入れて炒める。帆立に焼き色がついたら、塩・こしょう各適量で調味する。
※レシピは2人分です。
白髪:カシューナッツの銅が黒髪を育てる
白髪の原因は主に2つ。髪の毛が生え変わる際に、毛母細胞でメラニン色素が作れず、生え際から白髪になるケース。もう1つが、髪が伸びる途中でメラニン色素が減少し白髪になるケース。いずれも、髪を黒くするためのメラニン色素が不可欠だ。このメラニン色素の生成を促す栄養素が銅で、カシューナッツに多く含まれている。
「メラニン色素といえばシミのもとですが、黒髪を作るためには必要不可欠。カシューナッツには、毛母細胞の代謝を上げる亜鉛、白髪を予防するビタミンB群の一種・ビオチンも豊富です。ただし、脂質が多いので1回で食べる量は10粒程度に」
おやつやおつまみにしてもいいが、おかずとして肉や魚、卵などのたんぱく質と一緒に食べるとより効果的。
老眼:ほうれん草が視力の衰えを遅らせる
視力の衰えを予防し、紫外線から目を守る成分がルテイン。ルテインは、ほうれん草をはじめ、キャベツやからし菜に多く含まれる。
「視力の衰えを防げれば、老眼のスピードも遅らせられます。また、紫外線は目の老化を早めるとともに、目から入った紫外線で肌のシミも作ってしまうので、日差しをたっぷり浴びた日は、しっかりルテインを補給しましょう」
おすすめレシピ「ほうれん草としめじのおひたし」
【1】ほうれん草1束は根を切り、しめじ1パックは石突きをとって小房に分ける。
【2】煮立った湯に【1】を入れてさっとゆで、ざるにあげて軽く水気を切る。ほうれん草は4cmの長さに切る。
【3】ボウルに【2】、ごま油大さじ1、しょうゆ小さじ1を入れて混ぜ合わせる。
※レシピは2人分です。
口臭:食後の口臭対策には緑茶が最適
無数の細菌が活動する口内は、殺菌作用の高い唾液で洗浄するのが効果的なので、食後の口臭は、よく噛んで唾液をしっかり出すことで予防できる。ただし、強い香りの料理、例えばにんにくやねぎ、アルコールによるにおいとなると、唾液では消臭しきれない。
「そういった場合は、緑茶に含まれるカテキンとクロロフィルの成分が効果を発揮します。カテキンには強力な抗菌・殺菌作用、クロロフィルには殺菌作用と消臭効果が認められています」
食事はしっかり咀嚼していただき、においの強い食事の締めには緑茶を飲めばいい。さらに、食後に歯磨きをするのが理想的だ。ただし、歯周病が原因の口臭の場合は、食べ物からの成分では対応しきれないので、歯科を受診しよう。
加齢臭:緑黄色野菜×柑橘系果物で、においを予防!
男性だけでなく、女性にも悩む人が多い加齢臭。その予防に有効な栄養素が、強い抗酸化作用を持つβ-カロテン、ビタミンC、ポリフェノールで、これらを多く含むのが、にんじん、ピーマン、ブロッコリーなどの緑黄色野菜だ。
汗に含まれる悪臭のもと・アンモニアを分解し、体内から消す効果のあるクエン酸と一緒に摂るとより効果が期待できるので、柑橘系の果物や酢と一緒に摂るのがおすすめだ。
「体内でアンモニアが作られないようにするには、腸内環境を整えておくことも大切。はちみつに含まれるオリゴ糖には、腸内環境を整え、アンモニアを抑制する働きがあるので、にんじんとオレンジジュース、はちみつで作ったジュースなどを朝飲むと、におい対策に」
教えてくれたのは:管理栄養士・菊池真由子さん
健康運動指導士。30年以上にわたり、ダイエットや生活習慣病の予防対策などに関する栄養指導に携わる。主な著書に『図解 食べれば食べるほど若くなる法』(三笠書房)など。
※女性セブン2019年12月5日・12日号
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