空気の乾燥によって体のあらゆるところが乾いてしまう冬。特に手は荒れてしまうと、痛みをともなうことも。そこで、皮膚科の医師に聞いた手の乾燥対策を伝授します。
「外気の乾燥と頻繁な手洗いや水仕事によって、手荒れは引き起こされます」と皮膚科医の野村有子さんは言う。
手に水分が残ったままの状態を放置しておくと、水分が蒸発する際に皮膚の水分まで奪われ、気化熱で冷えて血行も悪くなる。すると皮脂膜が薄くなり、角層の水分が奪われ、皮膚のバリア機能が低下。そこから刺激物質が入り込んで、手荒れの要因になる。
手荒れの初期サインはかさつきや粉ふきだが、放っておくとさらに乾燥が進み、ひび割れ・あかぎれ、手湿疹へと症状が進行してしまう。かさつきや粉ふきの段階でケアをし、手湿疹まで重症化させないことが重要だ。
ハンドクリームはこまめにたっぷり
「手が濡れた時は、常に乾いたタオルで拭くようにしましょう。外出時にはミニタオルとハンカチの2枚を持ち歩くのがおすすめです」(野村さん・以下同)
水分を風と熱で飛ばすハンドドライヤーは、多用すると乾燥の原因になるので、やりすぎは禁物。また、手の水分が完全に取れたらすぐに、ハンドクリームをたっぷり塗ることが大切だ。
「水仕事で落ちてしまうからとハンドクリームをつけない人もいますが、ハンドクリームは塗った直後から肌の角層に浸透するので、多少落ちてしまっても塗った方が、塗らないよりはうるおいを保つ効果があります」
ハンドクリームは複数用意し、洗面所や台所、外出用バッグなどに常備しておき、すぐに使えるようにしよう。
洗い物の時は、綿手袋にゴムかビニールの手袋を重ねてはめ、素手で水に触れないのがベストだ。また、熱い湯を流しながら洗い物をするよりも、湯に洗い物をつけ置きして、汚れを浮かせてからさっと流す方が、手への刺激は少ない。
「布や紙などをさわるだけでも手の水分や脂分は奪われていきます。部屋を掃除する時や洗濯物をたたむ時も、綿手袋をするのがおすすめです」
外気にさらされる外出時は必ず、手袋をはめる習慣もつけておけば、手の乾燥対策はバッチリだ。
●手荒れの進行具合い
手がごわごわと硬くなり、ひび割れ、赤みが目立つようになる。進行期の症状。
重症期に見られる症状。皮むけがひどくなって赤く腫れ、ジクジクしてかゆいことも。
最重症期の手荒れ。猛烈なかゆみと痛みがあり、黄色い汁が出て、水ぶくれもできる。
教えてくれたのはこの人:野村皮膚科医院院長、皮膚科専門医・野村有子さん
アトピー性皮膚炎をはじめとしたあらゆる皮膚疾患を治療。院内には、アレルギー対応カフェも併設している。
※女性セブン2020年1月2日・9日号
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