ダイエット外来で医師をしている工藤孝文さんが、ダイエット中の女性にすすめるのが「こんぶ茶」だ。こんぶ茶とは、粉末状にした昆布にお湯を注いだもの。これを飲むと、ダイエット効果が期待できるという。
『毎朝こんぶ茶を飲んだら2週間で3kgやせた』(CCCメディアハウス)著書を持つ工藤さんが、“こんぶ茶ダイエット”について教えてくれた。
こんぶ茶、毎朝1杯飲むだけで痩せる理由とは?
「こんぶ茶のダイエット効果は多岐にわたりますが、主なものの1つはいわゆる“デブ味覚”を改善してくれること。往々にして太りやすい人は、高カロリーなものをドカ食いしてしまう食習慣があります。それが朝1杯こんぶ茶を飲むことで、昆布に含まれるうまみ成分、グルタミン酸をはじめ、さまざまな栄養素が脳を満足させてくれます。その結果、それまでスナック菓子や甘いものを食べないと満足できなかった“デブ味覚”が“ヤセ味覚”に変わっていくんです」(工藤さん・以下同)
効果が出るのも早いという。
「私の患者さんを見ていると、こんぶ茶を毎朝1杯飲む習慣を続けると、早くて3日から遅くとも2週間で効果が出始めています。この期間に“デブ味覚”から“ヤセ味覚”に変わってきているんです。味覚を感じる味細胞は、約2週間のサイクルで入れ替わっているためです」
こんぶ茶に含まれる“痩せ成分”の効果とは?
昆布に含まれる成分には、他にもこんな働きがあるという。
「まず、基礎代謝をアップする成分、ヨウ素が含まれています。基礎代謝を上げると、効率よくエネルギーが消費され、痩せやすくなるんです。また、昆布のぬめり成分、アルギン酸やフコキサンチンにはコレステロールの吸収を抑えるだけでなく、血中のコレステロールの増加も抑えてくれます。さらに、フコキサンチンは脂肪の燃焼を促進する作用も」
“痩せ要素”がふんだんにはいった昆布。これをお茶にして温めて飲むことで、より代謝がアップするのだという。朝1杯の温かいこんぶ茶に、しょうがや山椒などを組み合わせるとより効果的だ。
こんぶ茶の作り方は簡単!市販のものでもOK
では、こんぶ茶はどう飲むといいか。難しいルールは一切ない。朝起きてから朝食をとるまでの間に、1杯のこんぶ茶を飲む。それだけでOKだ。できれば起床後、トイレを済ませたあとに体重を測るようにすると、ヤセ効果を数字で実感できるのでダイエットのモチベーションもUPするだろう。
1つ気をつけてほしいのは、市販のこんぶ茶には塩分が含まれていること。
「血圧が高めのかたや、治療中のため医療機関から塩分を制限されているかたは、かかりつけ医に相談の上、始めてください。制限されてないかたで塩分が気になる場合、自宅にミキサーやミルがあるなら、自家製のこんぶ茶を作り、ミキサーなどがないなら、昆布をそのまま粉末にした市販の昆布パウダー(昆布粉)で塩分のないものを買うといいでしょう」
《材料》
だし用昆布や切り昆布などの市販の乾燥昆布を50g
《作り方》
【1】ミキサーなどで乾燥昆布を粉砕する。それをざるに入れてふるいにかけ、より細かい粉状にする。
【2】【1】を小さじ1杯、コップに入れて、お湯を注いでかき混ぜる。
保存する場合は、ふた付きの密閉容器に。直射日光の当たらない場所で常温保存しよう。1か月くらいで使い切るのがおすすめだという。
自宅に昆布とミキサーがあればすぐにでも始められ、コストもほとんどかからないこんぶ茶ダイエット。早速今日から始めてみよう。
教えてくれたのは:医師・工藤孝文さん
減量外来・糖尿病内科医。福岡大学医学部卒業後、アイルランドとオーストラリアへの留学を経て、現在は福岡県みやま市の工藤内科で診療を行う。日本内科学会、日本肥満学会、日本糖尿病学会、日本東洋医学会、日本抗加齢医学会、日本女性医学会、小児慢性特定疾病指定医。『ガッテン!』(NHK総合)、『世界一受けたい授業』(日本テレビ系)など、テレビ出演も多数。YouTubeチャンネル『シックスパックのイケメン医師工藤孝文先生のダイエット外来』も配信中。最新の著書は『内臓脂肪が落ちる!糖質オフスープ 』(宝島社)。
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