間違ってる人が多い！デリケートゾーンの正しい洗い方や保湿クリームの使い方

デリケートゾーンの悩みを抱える女性が意外と多い。日本では、いまだデリケートゾーンは触ってはいけない部分という認識がある。そのせいで、間違ったケアをする女性が意外と多い。目をそらさず正しい知識を取り入れよう。最も大切な部分だからこそ、きちんとケアをして快適な毎日を過ごして！

ケアを怠ると性感染症やうつ症状の原因に

女性ホルモンが減少すると、体全体が乾燥しやすくなり、肌が敏感になる。いままでと同じ下着をつけていても、こすれて肌が荒れたり、かゆみが生じることも。手足や顔など、目につきやすい部分は意識して保湿などのケアをしやすいが、忘れられがちなのがデリケートゾーンだ。

「若い女性だけでなく、40代以降の女性でも、デリケートゾーンのケア方法を知らず、かゆみやかぶれ、悪臭などを訴えて来院されるケースが多いんです。なかには、トラブルを起こしていることに、気づかない人もいます」

◆恥ずかしくて治療を拒むケースも

こう指摘するのは、浜松町ハマサイトクリニック産婦人科専門医の吉形玲美さんだ（「」内、以下同）。

たとえば、子宮頸がんの検診に訪れた患者さんを診察すると、子宮は問題ないが、デリケートゾーンが荒れていることが多いという。かゆみや痛み、違和感があるはずだが、本人はなんともないと言い張り、治療を拒むのだという。

「不快感があっても、恥ずかしくて言えないのかもしれません。それだけ触れてはいけない部分だと思っている人が多いのが問題です」

デリケートゾーンのかゆみや痛みには、きちんとしたケアが不可欠だ。悪化させると性感染症を引き起こしてパートナーにうつしてしまったり、うつ症状につながる可能性もあるからだ。

◆デリケートゾーンの環境が整っていると感染症のリスクが低下

「腟内環境は免疫力とも関係していて、腟内環境が整っていると感染症のリスクが低下し、ウイルスが原因の子宮頸がんやエイズなどになりにくいというデータもあります」

また、デリケートゾーンのなんともいえない不快感に四六時中悩まされ、かといって恥ずかしくて誰にも相談できないストレスから、うつ病のような症状を起こす患者もいるという。不調の原因が、まさかデリケートゾーンの不快感からだと気づく人は少ないため、治療が遅れてしまう。

弱酸性の専用ソープと保湿剤の使い方は？

では、どうやってケアをしたらいいのだろうか。

「私はしっかりケアをしているという患者さんでも、ボディーソープで洗った後、ニキビや吹き出もの用の軟膏をつけたり、香料入りのマッサージオイルを保湿に用いていると言うので驚かされます。いずれも間違いです。必ずデリケートゾーン専用のソープで洗いましょう。なぜなら、ボディーソープはほとんどがアルカリ性。けれども腟内は外から雑菌が入ってこないように弱酸性に保たれています。アルカリ性のソープでは、腟を守っている常在菌（乳酸菌）まで洗い流してしまうんです。特に更年期以降は乾燥しやすく、敏感になったデリケートゾーンは自浄作用が低下しています。洗い方を間違えると細菌が繁殖しやすくなり、かゆみや痛み、においの原因にもなりかねません」

洗う場所は、上の図を参考にしてほしい。指の腹を使ってこすらないようやさしく洗い、腟の中に湯やソープの泡を絶対に入れないこと。大陰唇と小陰唇がひだ状になっているため洗いにくいが、ここに、においのもとになる雑菌がたまりやすい。