新しい年を迎え、真冬と呼ぶにふさわしい季節となりました。例年にない静かなお正月を過ごすうちに、すっかり怠け癖がついてしまったという人もいるのでは? 今年も1年を健やかに過ごすために、そろそろ美意識、健康意識のスイッチをオンに戻したいタイミング。
そこで、「マラソン界のシンデレラ」と呼ばれた最強美人ランナー市橋有里(いちはし・あり)さんが、低脂肪で栄養価が高く、乾燥しがちな冬の肌にうれしい美肌効果も期待できるヘルシーレシピを伝授!
低温低湿の環境下でも負けない肌になりたいライターFが徹底レポートします!
ごま油をジュッ!のおいしさにハマる、旬のごちそう
――鱈と春菊というと、お鍋一辺倒になりがちですが、こういう食べ方もいいですね!
有里:そう。鱈も春菊も長ねぎも冬の定番食材ですが、どうしても鍋率が高くなりがちですよね。私は引退してからはお酒を楽しむ機会も増えたので、何かお鍋の他にも、これらの食材を一品で楽しめて、おつまみにもなるような食べ方はないかと思って考えたのが、このレシピです。
――有里さんのお気に入りレシピというわけですね。
有里:はい。熱したごま油をジュッとまわしかけると、香りがたって食欲も増して、完全にハマりました!
――それは期待大! 楽しみです!
《材料》(2人分)
鱈…2枚 春菊…4本 長ねぎ…2本(白い部分) しょうが…大さじ2 ザーサイ…大さじ1 酒…大さじ2 ポン酢…大さじ1 水…100cc ごま油…50cc 塩…適量
《作り方》
【1】 鱈は多めの塩をふって皮をむいておく(ぺ−パータオルを使うとむきやすい)。しょうがとザーサイはみじん切りにしておく。
【2】 鍋(または蓋のあるフライパン)に、長ねぎ、春菊の茎の部分、鱈を入れ、酒をふりかけ、水を鍋底に入れて蒸す。途中、一度様子を見て5分経ったら、蓋を開けずにさらに2、3分蒸らす。
【3】 同時に、別のフライパンでごま油を煙が出るまで熱しておく。
【4】 器に【2】と春菊の葉を盛り付け、【3】をジュッとまわしかけ、ポン酢をかけたらでき上がり。
低カロリー高たんぱくの鱈はダイエットや美肌・美髪に効果的!
――淡白な味わいの鱈は魚の中でもヘルシーなイメージがあるのですが、実際のところはどうなのでしょうか?
有里:鱈は、良質なたんぱく質が豊富でありながら、脂質が少ないのが特徴の魚です。カロリーを抑えつつ、三大栄養素のひとつであるたんぱく質をしっかり補えるので、減量中や筋肉を増やしたいときなどにおすすめなのはもちろんのこと、離乳食や病院食にも推奨されています。
――脂肪分が少なくて食べやすい味わいだから、小さな子供や療養中の人にも貴重なたんぱく源になるわけですね。
有里:その通りです。また、鱈にはビタミン類もバランスよく含まれていて、特に貧血予防や末梢神経の回復に効果的なビタミンB12や、カルシウムの吸収を高めるビタミンD、粘膜を強くして、風邪などの予防に役立つビタミンAも豊富です。
――低脂肪、低カロリーなのに、栄養はたっぷりなんですね!
有里:それが鱈のすごいところ。さらに、鱈には肌や髪に潤いを与えてくれる甲状腺ホルモンの原料となる「ヨウ素」も含まれていて、美肌・美髪効果も期待できます。
――乾燥に悩まされる季節なので、髪や肌に潤いを与えてくれるのはうれしいですね。
有里:そうでしょう。鱈は1年中手にはいりますが、旬は12月~1月。ヘルシーで、ダイエットや美肌効果も期待できるので、お鍋以外にもいろいろな食べ方で楽しみましょう!
――お鍋だけじゃもったいないですね!
風邪予防やアンチエイジングに効果的!春菊は「β-カロテン」の宝庫
――春菊もまた、鱈と同じく冬の定番であり、お鍋の定番ですね。
有里:そうですね。春菊は栄養価がとても高く、その香りにさえ、自律神経に作用して胃腸を活性化し、咳や痰を抑える効果のある成分が含まれているといわれています。
――香りにも効能があるのですね!
有里:はい。また、春菊の豊富な栄養の中でも特筆すべきは「β-カロテン」。「β-カロテン」は体内でビタミンAに変換され、髪の健康維持や視力の維持、粘膜や皮膚を丈夫にする、喉や肺など呼吸器を守るなど、さまざまなはたらきをしてくれる他、アンチエイジング効果も期待できます。
――美髪やアンチエイジング効果も魅力的ですが、粘膜や呼吸器を保護してくれるというのは、この時期に特にうれしい効能ですね。
有里:そうですね。アクが少ない春菊は、下処理の手間がなく手軽に料理に加えやすいですし、お鍋の具としてだけでなく、今回のような蒸し料理や炒めものにするのもおすすめですよ。
――春菊には独特の苦味がありますが、このレシピなら、熱したごま油の香ばしさやしょうがの香り、ポン酢と相まってパクパク食べられますね。
いつもの鍋の材料で新鮮な一品が作れることを知って勉強になりました! 有里さん、今回もステキなレシピをありがとうございます!
有里:こちらこそ! それだけでいろいろな栄養が摂れて体も温まるお鍋は冬に欠かせないものですが、どうしてもマンネリしてしまいがち。そんなときは、蒸し料理で変化球を楽しむのがおすすめです。
熱したごま油をジュッととすると、香りがたちのぼってごちそう感もアップするので、食べる直前に食卓で演出してみるのも“アリ”だと思います!
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鱈、春菊、長ねぎなど今が旬の食材には、肌を乾燥から守り潤いを与える、粘膜や呼吸器を保護して風邪や感染症を予防するなど、この季節に頼もしいはたらきのある栄養がたっぷり含まれています。
シンプルにお鍋もいいけれど、おいしくヘルシーなレシピはいくつあっても困らないもの。お酒のおつまみがほしいときや、何かもう一品ほしいときにもおすすめです。
レシピ考案:市橋有里
いちはし・あり。1977年11月22日、徳島県生まれ。アスリートフードマイスター・料理研究家・ランニングアドバイザー。1999年、世界選手権セビリア大会銀メダル獲得。2000年、シドニーオリンピック日本代表。「マラソン界のシンデレラ」とも呼ばれ、現在はランニングアドバイザーとして女性誌でランニングモデルをするほか、料理イベントをするなど、活躍の場を広げている。
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