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面倒で放置してません? 窓と網戸をきれいにするコツ【新津春子のラクするお掃除術】

きれいな窓は、部屋の印象を大きく変えてくれるもの。けれど、わかっているのに後回しにしがちなのが、窓の掃除。手軽にできる方法はないのでしょうか?

窓
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羽田空港の清掃員の新津春子さんは、清掃に関するさまざまな国家取得を保持し、全国ビルクリーニング技能競技会では史上最年少で優勝経験を持つ、掃除のプロフェッショナル。新津さんによると、やり方とコツを覚えれば、窓掃除が手軽にできるとのこと。その方法を聞いてみました。

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窓掃除のコツは、軽やか&リズミカルに!

自分の体よりも大きな窓。掃除のときに、全身にムダな力がはいっていませんか? 窓拭きは軽やかに体を動かしながら、リズムよく拭き上げるのがポイントです。

きれいになった目安は、拭いているタオルに汚れがつかなくなること。水拭きするだけでも驚くほどピカピカになるので、汚れが気になったときに軽い気持ちで取り組んでみましょう。

窓の内側の掃除法

窓まわりの掃除をするときに必要なアイテムは、タオル、スクイージー、歯ブラシ、食器用洗剤、掃除機です。汚れの程度に合わせて、竹串または竹べら、ハケも用意するといいでしょう。

窓掃除の道具の一例
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窓まわりの掃除は、窓の内側と外側によって方法が異なります。まずは手垢や料理の油などで汚れやすい内側から解説します。

◆窓をタオルで水拭き掃除

まずは擦れタオルで窓台やサッシを拭いていきます。次にガラス部分の埃を乾いたタオルで落とします。最初に窓の隅を拭き、中央部分は右から左(左利きの人は左から右)に一方通行で拭き上げます。その後、濡れタオルで汚れをこすり落とすように拭いていきます。

窓の隅を拭いたら、上の角から真横に拭き、側面に当たったら、拭いた部分が少し重なるようにして真下にずらし、また横方向に拭いていき「コ」の字を描くように全体を拭いていきます。(掃き出し窓のような大きな窓の場合、上半分、下半分に分けて拭きましょう)

油汚れがひどい場合は、食器用洗剤水に浸けたタオルで拭きましょう。ぬるま湯3リットルに食器用洗剤10ミリリットルを合わせれば、食器用洗剤水の完成です。このとき、手が荒れないように手袋の着用をおすすめします。

◆スクイージーで水気を取ってピカピカ!

ガラス全体が濡れている状態で、スクイジーの左端(左利きの人は右端)を2cmほど下げて掃除します。

窓にスクイージーを45度の角度で当てている
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窓ガラスに対して、スクイージーのゴムが45度の角度で当たるようにすると、きれいに水気を取れます。スクイージーは途中で止めてはいけません。また、スクイージーはおろすごとに水気を拭き取りましょう。

仕上げに、下部に溜まった水気をスクイージーで左から右に引き(右から左でも可)1か所に集め、最後に固く絞ったタオルをサッシにあてて拭き取りましょう。この2つを守れば、窓の内側の掃除はOK。最後に床を確認し、垂れた水を拭き取ります。

窓の外側の掃除法

続いては窓の外側の掃除です。外に面するため、主な汚れは砂やほこりなど。汚れが溜まりやすいサッシは、歯ブラシや掃除機できれいにしましょう。

◆窓をから拭き&サッシの汚れを取る

まずは乾いたタオルで四隅を拭いてから、右から左(左利きの人は左から右)へ、一方通行で軽く表面のほこり・砂などを落とすように、拭き上げます。から拭きが終わったら、歯ブラシを使ってサッシに溜まったほこりやゴミを集めて外側へ掃き出します。掃除機で吸い取ってもいいですよ。サッシにしつこい汚れが残るときは、竹べらにタオルを巻いて、細かい溝まで水拭きしましょう。

◆水拭きして、スクイージーで仕上げ

さきほどの食器用洗剤水(ぬるま湯3リットルに食器用洗剤10ミリリットルを合わせたもの)に浸けたタオルを絞って、内側と同様に四隅を拭いてから、コの字を描くように汚れをこすり落とすように全体を拭き、スクイージーで水気をきれいに取ります。

窓の内側と外側の掃除が終わったら汚れや拭きムラが残っていないかチェックしましょう。正面からだけでなく、横から見ると確認しやすいですよ。

これで窓掃除のすべてが完了です! 力を入れずに、リズミカルに行いましょう。

掃除が苦手なズボラさん向けQ&A

さらに、ズボラなお掃除苦手な人へ向けて、取り掛かりにくい窓の掃除のコツから、面倒な網戸の掃除の方法まで、新津さんがアドバイスしてくれました。

◆窓って大きくて、掃除に時間がかかりそうなイメージからかなかなか手がつきにくいです…。

清掃の依頼で特に多いのが窓のお掃除。私のYouTubeチャンネル『新津春子のやさしいお掃除チャンネル』でも、窓掃除の動画の再生数が多いんです。それだけ、取り掛かりにくいと思っている人や、掃除のコツがわからずに困っている人が多いのかなと思います。

窓掃除が面倒だなと感じるときは、窓そのものではなく、まずはサッシの掃除に取り掛かってみるのはどうでしょう? サッシはこまめに掃除をしておかないと、ほこりやゴミが溜まって、窓が閉まりにくくなってしまいます。放っておくと、変形してしまうことも…。

それに、掃除をしないと虫の巣になってしまいます。特に溝が温床になり得る可能性もあります。なのでガラス部分ではなく、アルミ部分のサッシや溝をまずはきれいにしましょう。掃除機で吸うだけでもいいですし、タオルと歯ブラシがあれば、さらにきれいに掃除ができます。歯ブラシが小さくて使いにくいと感じる場合は、市販の毛染めについてくるブラシなどをリサイクルして使ってもいいですよ。

そうしてサッシを掃除をしているうちに、ガラスの汚れが気になって…と、窓掃除の循環が生まれるはず。まずは小さなところからやってみるのはいかがでしょうか? 窓全体を一気に掃除しなきゃ、と考えなくてもいいんです。

◆網戸の掃除の方法がわかりません。掃除をしても、きれいになっているかどうかもわかりにくいです。

網目の下部はほこりや粉じんで詰まりやすく、サッシの手が触れることろは手垢がつきやすいので、まずはこの2つを念入りにきれいにすることを心がけて下さい。

それと、網戸を掃除するときに片側から押すように拭いている人もいますが、両側からタオルで挟むように拭いた方が確実にきれいになるし、手の力が一方からではなく両側に均等にはいるので、網戸が壊れにくくなります。

水を絞ったタオルを両側から手で挟んで、往復するようになでるのがコツです。タオルを見て、汚れていたら裏返してまたお掃除。汚れがなかなか落ちないときには、食器用洗剤を使っても◎。タオルに汚れがつかなくなったら、きれいになった証拠です!

教えてくれたのは:新津春子さん

新津春子さん
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にいつ・はるこ。1995年、日本空港技術サービス(現:日本空港テクノ)に入社。1997年に(当時)最年少で全国ビルクリーニング技能競技会1位に輝く。以降、指導者としても活躍し、同社ただ1人の「環境マイスター」として、羽田空港全体の環境整備に貢献し、『プロフェッショナル 仕事の流儀』(NHK総合)で5回にわたって取り上げられた。著書に『子どもと一緒に身につける!ラクして時短の「そうじワザ」76』(小学館)など計12冊+DVD1部。http://www.jatec.co.jp/house-cleaning/

撮影/生熊友博 構成/イワイユウ

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