できれば薬に頼ることになる前に、病気のリスクを下げておきたいものですよね。そのために重要になってくるのが食生活です。栄養豊富でさまざまな健康効果が期待できるあずき。『血圧・血糖値を下げる!やせる!煮あずきパワー』(宝島社)では、さまざまな”あずきパワー”について解説されています。そこで、同書から高血圧予防という点に注目。あずきが役立つ理由と、あずきを使ったヘルシーレシピを紹介します。
高血圧撃退に貢献するあずきの効果
血圧とは心臓のポンプ作用が血管に与える圧力のことで、この圧が高いと高血圧ということになります。高血圧は、脳卒中や心臓病の危険因子と考えられています。あずきには、そんな高血圧をケアする効果が期待できます。
あずきに含まれるカリウムやサポニンが血圧を下げる
あずきの代表的な成分の1つであるカリウムには、体内の過剰な塩分を排出する働きや血管を拡張する働きなどがあります。さらに、あずきに含まれるサポニンには強力な利尿作用があり、排尿を促し、血圧を下げる効果が明らかになっています。
抗酸化作用が動脈硬化や血栓の予防に
さらに、サポニンやあずきの色素であるアントシアニンには抗酸化作用があり、高血圧が原因の動脈硬化や血栓を防ぐ働きも期待できます。また、毛細血管を強化し血液循環を促して出血を防ぐことから、脳出血の予防につながるルチン(ビタミンP)もあずきから摂ることができます。
血圧を下げる効果がアップする食材
健康のためにと無理な減塩をいきなり始めるより、カリウム豊富な食材を料理に取り入れて塩分量を少しずつ減らしていくのがいいそう。
あずき以外では、カリウムを多く摂ることできるトマトや、血圧の安定に欠かせない硫化アリルを含む玉ねぎ、ノビチレンを含むシークワーサーなどが血圧を下げるのに有効な食材。煮あずき(乾燥あずきをゆでたもの)と合わせて食事に取り入れてみましょう。
「あずきとほうれん草のカレーレシピ」のレシピ
あずきに加えて、緑黄色野菜がたっぷり摂れるカレーのレシピ。カレーの黄色成分ウコンには、脳細胞の働きをよくするクルクミンが含まれているので、認知症予防にも役立ちます。
《材料》(2人分)
塩あずき…1カップ 玉ねぎ…1個 ホールトマト缶…1缶 ほうれん草…1/2束 セロリ…1本 水…1カップ にんにく・しょうが…各ひとかけ カレー粉…大さじ2 洋風スープの素(チキン味)…1個 塩…小さじ1/2 油…小さじ2
※塩あずきは、150g分の乾燥あずきをゆでたものに、小さじ1/4の塩を加えて混ぜたもの。
→塩あずきの詳しい作り方はコチラ
《作り方》
【1】にんにくとしょうがはみじん切り、玉ねぎとセロリは粗みじんに切る。
【2】鍋に油小さじ1、にんにくとしょうが、玉ねぎを入れて薄いきつね色になるまで炒め、セロリも加えて炒める。野菜を端に寄せ、残りの油を加えてカレー粉をさっと炒めて全体を混ぜる。
【3】つぶしたホールトマト、水、洋風スープの素を加えて煮立て、あずき、ざく切りにしたほうれん草を加えて水分が少なくなってとろみがつくまで煮る。塩で味をととのえる。
◆教えてくれたのは:イシハラクリニック副院長・石原新菜さん
いしはら・にいな。医師。日本内科学会会員、日本東洋医学学会会員、日本温泉気候物理医学会会員。1980年生まれ。2000年帝京大学医学部に入学し、2006年の卒業後は同大学病院で2年間の研修医期間を経て、父・石原結實のクリニックで主に漢方医学、自然療法、食事療法などにより、種々の病気の治療にあたっている。著書に『病気にならない蒸しショウガ健康法』(アスコム)など。https://www.ishiharaclinic.com/
レシピ考案/田内しょうこ