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電気調理・圧力鍋の最新機種2つ|52種類のヘルシーメニュー搭載や「同時に2品調理」も

アイリスオーヤマの『ヘルシープラスKPC-MA3-G』とサラダや煮込み料理グラスに入った水などが置かれたダイニングテーブル
時短調理に大人気の、電気調理・電気圧力鍋。アイリスオーヤマの電気圧力鍋『ヘルシープラスKPC-MA3-G』は卓上鍋としても使用できる
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料理の手間や時間が短縮されると大人気の、電気調理・電気圧力鍋。家電ライターの田中真紀子さんは、他にも大きなメリットがあると強調します。詳しく聞いてみましょう。

最大のメリットは初心者でもおいしく作れること

まずは、なんといっても、料理初心者でも失敗なくおいしいおかずが作れること。鍋が時間や火加減を自動で管理してくれるからです。

「一般的なレシピでも『最初は強火で炒め、その後弱火にして…』など、火加減を調整するものが多いと思いますが、火加減を間違えれば焦げたり煮詰まってしまったりと失敗しがち。だからといって鍋につきっきりになると、調理中にほかのことができません。

その点、電気調理・電気圧力鍋は、失敗しないための“火の番”が不要になる上、しっかり手をかけたようなおいしさになるのが最大の利点です。価格帯も1万円台から6万円前後まで幅広くありますが、1万円台でも十分便利さを実感できると思います」(田中さん・以下同)

→電気調理鍋と電気圧力鍋の違いは?

無水調理も発酵料理も! 1台で何役もこなすハイスペック鍋も

1台でできる調理方法の豊富さも見逃せません。

象印マホービン STAN.『自動調理なべ』EL-KA23をコンロの火にかけている
象印マホービン STAN.『自動調理なべ』EL-KA23は、蓄熱性が高くおしゃれなホーロー鍋のため、調理後はそのまま食卓に出せる
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「単に加熱するだけでなく、ほぼ水なしで作れて栄養をたっぷりいただける無水調理、炒め、低温調理など、新モデルが登場するときには機能が加わっていることも多く、その分作れるメニューも増えています。またレシピ自体も、旬の食材を使ったもの、ほったらかしで作れるもの、ヘルシーメニュー、付属の鍋を洗わずに調理できるメニューなど、テーマを設けて考案され、ユーザーが選びやすい工夫がされています」

中でも特徴的なのが、次の2つの製品です。

【1】 アイリスオーヤマ『ヘルシープラスKPC-MA3-G』

低価格ながら、使い勝手の良さやユニークな機能で人気のアイリスオーヤマ。

調理された料理が入ったアイリスオーヤマ『ヘルシープラスKPC-MA3-G』とその周りにパンやサラダなどが置かれたダイニングテーブル
「糖質カット」「低カロリー」など健康目的メニューが豊富。アイリスオーヤマ『ヘルシープラスKPC-MA3-G』2万5080円(税込)※参考価格
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「同社の電気圧力鍋は、2019年から販売を始め、早くも累計販売台数50万台を超えている人気シリーズです。電気圧力鍋のとして性能はもちろん、見た目がおしゃれな点や、鍋自体が浅めでふたが外れ、卓上鍋としても使用できる汎用性が受けています」

「塩分控えめ」「糖質カット」「低カロリー」など健康目的メニューが豊富

中でも9月に発売された本モデルは、健康やダイエットが気になる人に特におすすめ。

アイリスオーヤマ『ヘルシープラスKPC-MA3-G』
調理容量は2Lで、一度に2~3人分の調理が可能
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「『低脂質』『塩分控えめ』『高たんぱく質』『食物繊維』『発酵』『糖質カット』など52種類のヘルシーメニューを搭載している点が特徴。自動調理メニュー選択はカロリーから選ぶこともできるため、『カロリーが少ないものを作りたい』といったニーズにも応えます。

また、栄養たっぷりだけど捨ててしまう野菜の皮やヘタのまわりなどのクズ野菜を集めてだしをとる『ベジブロス』メニューは、栄養を無駄なく摂りつつフードロス解決してくれる嬉しい機能。健康を意識した食事をしたいと思いつつ、何から始めていいかわからない人は、試す価値があるでしょう」

調理容量は2Lで、一度に2~3人分の調理が可能。健康が気になる中高年世帯に喜ばれそうです。

そのほか手動調理も可能で、低温調理や発酵調理に対応。フタを開けて「なべモード」に設定すればグリル鍋としても使え、食卓でお鍋やチーズフォンデュを楽しむこともできます。

【2】 象印マホービン STAN.『自動調理なべ』EL-KA23

「象印といえば、炊飯器で培った圧力技術があり、すでに電気圧力鍋も7年前に発売している“ほったからし調理家電”の先駆け的存在です。一方、今年10月に出た新製品は、圧力機能がない電気調理鍋。カレーやスープ、煮物などを、途中で材料を入れる必要なく、ほったからしで作れます」

象印マホービン STAN.『自動調理なべ』EL-KA23が置いてあるキッチン
“ほったからし調理家電”の先駆け的存在の象印から出た電気調理鍋。象印マホービン STAN.『自動調理なべ』EL-KA23 3万3000円前後(税込)※2021年11月11日時点の実勢価格
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最大調理容量は2.3Lで、カレーなら6人分の調理が可能。鍋は蓄熱性が高くおしゃれなホーロー鍋のため、調理後はそのまま食卓に出せ、取り分けたあとは付属のふたをかぶせて鍋ごと冷蔵庫に入れることもできます。IHは非対応ですがガスコンロでの直火はOK。つまり、調理から温め直し、食事、冷蔵庫保管まで一連の流れを通して器に移し入れる手間が省け、洗い物も少なくなります。

作り置きの下ごしらえパックを入れてセット!鍋を洗う手間もカット

ユニークなのが「パック調理」機能。これを使えばさらに洗い物が減ります。

象印マホービン STAN.『自動調理なべ』EL-KA23
ジッパー付き食品保存袋に食材を入れ、「パックホルダー」にセットし、パックごと自動調理なべへ
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「ジッパー付き食品保存袋に食材を入れ、ホーロー鍋に付属されている『パックホルダー』にセット。水を入れて調理時間を指定してスタートすれば、同時に2品が簡単に調理できます。

例えば、週末など時間のある時に食材を切って調味料とあわせて保存袋に入れる。それを冷蔵や冷凍をしておき、帰宅後はその保存袋を2パック取り出し、パックごと自動調理なべにセット。魚の煮つけのほか、かぼちゃの煮物やきんぴら、ポテトサラダなどを2品同時に自動調理してくれるため、帰宅後に主菜と副菜を作る時間と手間が省けます」

準備段階でかぼちゃなどのカット野菜を使えば、さらに食材を切る手間、まな板や包丁を洗う手間も省けます。保存袋の中で調理が完結するため、鍋も汚れません。調理後の鍋の洗い物が減るだけでも、待望の製品といえるでしょう。

ヘルシーな食事にしたい、洗い物を少しでも減らしたいーーなどなど、ユーザーのニーズに応える電気調理・電気圧力鍋が増えてきている今。今後の展開からも目が離せません。

◆教えてくれたのは:家電ライター・田中真紀子さん

田中真紀子
家電ライターの田中真紀子さん
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白物家電・美容家電を専門とするライター。雑誌やウェブなどの多くのメディアで、新製品を始めさまざまな家電についてレビューを執筆している。https://ameblo.jp/makiko-tanaka89/

取材・文/桜田容子

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