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手軽さで人気のコードレススティッククリーナー、吸引力が弱く運転時間が短い?最新事情を家電専門家が解説

アイリスオーヤマ『充電式サイクロンスティッククリーナー SCD-R1P-B』や観葉植物などが置かれたリビング
需要が高まるコードレスクリーナーは、吸引力の弱さも運転時間の短さも改善傾向(写真はアイリスオーヤマの『充電式サイクロンスティッククリーナー SCD-R1P-B』)
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現在、日本の掃除機市場では、コード付のキャニスタータイプより、コードレスのスティッククリーナーが需要を上回っています。ただ、一般的には、吸引力はコード付きのキャニスタータイプの方が強いと言われています。また、コードレスタイプは充電時間が長い割に運転時間は数十分と短いのでは?――など、不安な点もあります。コードレスが便利だからといって、普段の掃除性能は問題ないのでしょうか? 家電ライターの田中真紀子さんに、今どきのコードレス掃除機の実力を教えてもらいました。

吸引力の弱さも運転時間の短さも、今は大幅に改善

吸引力の弱さや運転時間の短さなど、懸念されがちなコードレス掃除機のデメリットは、今ではだいぶ解消されていると田中さんは言います。

「かつて、日本でコードレススティッククリーナーというジャンルが認知され始めた1990年代は、まだまだ性能は進化途中でした。例えば、一度の充電が長い割に、使用時間が短いこと。キャニスタータイプに比べて手元がとても重く、動かしにくいこと。吸引力が弱かったり、逆に強すぎたりして(カーペットや床に張り付いて動かしづらい)最適されていないこと――といった課題がありました。

ところがこういった数々の不満点は2000年代から各メーカーが解消していき、2021年現在では、コードレス掃除機の性能はキャニスタータイプを上回る成長を遂げています。具体的には、短時間で充電できるようになり、30分以上、中には60分連続で使えるものも登場。吸引力も日常的な掃除においては不足のないパワーで、かつ、手元も軽く動かしやすい設計に進化してきたといいます。

さらに、必要な時にすぐ使えるよう部屋に出しっぱなしにすることを前提に、デザインも年々ブラッシュアップされています」(田中さん・以下同)

高い場所も掃除しやすい手元重心タイプが人気

では、コードレス掃除機はどう選ぶとよいのでしょうか。田中さんは、同じコードレス掃除機の中でも、2つのタイプがあるといいます。

アイリスオーヤマの『充電式サイクロンスティッククリーナー SCD-R1P-B』を片手で持つ女性
アイリスオーヤマの『充電式サイクロンスティッククリーナー SCD-R1P-B』は手元重心タイプ
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「コードレスには主に、手元重心タイプと足元重心タイプがあります。これは、モーターやダストボックスなど、いわゆる心臓部となる部分が手元に設置されているのか、足元にあるのか、の違いです。

今主流なのは、手元重心タイプ。このタイプは手元が重くなりますが足元(ヘッド部分)は軽いので、持ち上げやすく、カーテンレールの上など高い場所の掃除もしやすいのがメリットです。

一方、数が少なくなってきている足元重心タイプの多くは、掃除中の手元は非常に軽く、スイスイ動かせる反面、ふと持ち上げたり方向転換をしたりする際に重くて動かしにくく、家具の下などに入りづらいといったデメリットがあります。

ただ、足元重心タイプのほうが使いやすいという人もいますし、今は後述するパナソニックの製品のように動かしにくさや家具の下の入りづらさを解消した足元重心タイプも出てきています。家電量販店などで両タイプを試運転して、比べてみるといいでしょう」

パナソニック『セパレート型コードレススティック掃除機 MC-NS10K』でリビングを掃除している男性
パナソニックの『セパレート型コードレススティック掃除機 MC-NS10K』は足元重心タイプ。本体質量は1.5㎏、手元重量に至っては0.45㎏と驚きの軽さ
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その他チェックしたいのは、前述の充電時間と運転時間、さらにサイクロン式か紙パック式か、使いたいアタッチメント(すき間ノズルや布団用のヘッドなどの付属品)の有無、充電台の有無などです。

では、「進化したコードレス掃除機」の中でも特に今話題のコードレス掃除機は? 手元重心タイプと足元重心タイプ、2つ挙げていただきました。

【1】パナソニック『セパレート型コードレススティック掃除機 MC-NS10K』

国内初、ダストボックスを掃除機本体からセパレートしたコードレス掃除機。

パナソニック『セパレート型コードレススティック掃除機 MC-NS10K』
国内初、ダストボックスを掃除機本体からセパレートしたコードレス掃除機。パナソニック『セパレート型コードレススティック掃除機 MC-NS10K』6万5000円(税込)※市場推定価格(編集部調べ)
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ダストボックスを本体から外した、新タイプのコードレス掃除機

「足元重心タイプですが本体にダストボックスがついていないため、手元はとても軽いうえ、デザインはとってもスリム。家具の下などにも入り込んで掃除ができます。本体質量は1.5kg、手元重量に至っては0.45kgと驚きの軽さも魅力。では、ゴミはどこに溜まるのかというと、本体を充電台に戻すと溜まったゴミを自動で吸引してくれる仕組み。

充電台内部のダストボックスは紙パック式で、ゴミ捨ては使用頻度により大体月1回、紙パックを交換するだけと、手軽です」

パナソニック『セパレート型コードレススティック掃除機 MC-NS10K』や観葉植物、棚などがあるリビングの窓辺
紙パック内部のゴミはナノイーXで除菌・消臭
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さらに紙パック内部のゴミはナノイーXで除菌・消臭してくれるほか、ヘッドのブラシには毛が絡みにくいブラシを採用するなど、衛生的かつ手間なく使える機能が満載。

「吸引力やデザインはもちろん、掃除も手間をできるだけ減らしたい人、ホコリの舞い散りに敏感な人におすすめです」

【2】アイリスオーヤマ『充電式サイクロンスティッククリーナー SCD-R1P-B』

高額なコードレス掃除機が多い中、3万円を切り、とてもリーズナブル。それでいて、日常的な掃除には十分の吸引力を備えているのが、アイリスオーヤマのコードレス掃除機です。こちらは手元重心タイプ。

アイリスオーヤマ『充電式サイクロンスティッククリーナー SCD-R1P-B』
通常43cmの長さを58cmまで伸ばすことも可能。アイリスオーヤマ『充電式サイクロンスティッククリーナー SCD-R1P-B』2万7800円(税込)
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伸縮式モップを本体ポケットに入れたまま掃除し、気づいた時にモップ掃除

「安くていいコードレスを探している人におすすめすることが多い、この製品。特筆すべきは、アイリスオーヤマならではのユニークな機能『静電モップクリーンシステム』。付属のハンディモップを掃除機本体のポケットに入れたまま掃除機をかけられるようになっているので、掃除中に気になるホコリを見つけたら、ついでにさっとひと拭きできます。アナログにして、かゆい所に手が届く便利な機能です」

アイリスオーヤマ『充電式サイクロンスティッククリーナー SCD-R1P-B』に付属のハンディモップ
この付属のハンディモップを掃除機本体のポケットに入れたまま掃除機をかけられる
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モップは、取っ手が伸縮式になっていて、通常43cmの長さを58cmまで伸ばすことも可能。エアコンなど高いところに届くよう計算されています。

アイリスオーヤマ『充電式サイクロンスティッククリーナー SCD-R1P-B』を棚の下に入れ掃除している
かゆいところに手が届く、がウリ
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「掃除が終わり、充電台の下にモップを差し込むと、静電気が放電されてモップに付着したホコリが落ちます。落ちたホコリは、充電台に設置した掃除機で吸い込めばOK。本製品はサイクロン式ですが、紙パック式も用意しています」

いかがでしょうか。今のコードレス掃除機は、吸引力や本体の軽量化だけでなく、ゴミ捨ての手間軽減や、モップ付きなどプラスαの付加価値をつけているようです。自分だったらどの機能があると便利か、シミュレーションして検討したいですね。

◆教えてくれたのは:家電ライター・田中真紀子さん

田中真紀子
家電ライターの田中真紀子さん
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白物家電・美容家電を専門とするライター。雑誌やウェブなどの多くのメディアで、新製品を始めさまざまな家電についてレビューを執筆している。https://makiko-beautifullife.com

取材・文/桜田容子

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