せっかく部屋を片付けても、忙しいとすぐ散らかってしまう。そんな家や部屋をどうにかしたいなら、幸せ住空間セラピストで家事効率化支援アドバイザーの古堅純子さんが教えてくれたコツを実践してみましょう。片付け下手な人におすすめの裏技、家の中に「バッファゾーン」(緩衝地帯)を作る方法について紹介します。
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散らかしてもOKなエリア“バッファゾーン”
「私の家も“バッファゾーン”だらけ。だから、うちは表向ききれい」という古堅さんが教える“バッファゾーン”とは、一時的にものを置いておく場所のこと。
例えば、帰宅してカバンから出したものを置いたり、ポストから取ってきた郵便物を置いたり、明日持っていくものを準備しておいたり…。そういったもので部屋は少しずつ散らかっていきます。そこで、ここだけは散らかっていてもOKという場所を収納の中に作っておくと、それ以外の場所を散らからずにきれいなままで生活できるという裏技です。
“バッファゾーン”を作るメリット
例え収納の中が散らかっていても、部屋を見渡したときにきれいに片付いて見えると心にゆとりが生まれます。
「目に見えて部屋が散らかっちゃってると、ああ片付けなきゃ、って毎日思って嫌になっちゃう。でも、収納の中に“バッファゾーン”を作って見えないようにしておけば、今やるべきことに集中できるんです」(古堅さん・以下同)
“バッファゾーン”できれいな部屋を持続
古堅式の片付けでこだわっていることはズバリ「部屋の景色」です。散らかった状況で暮らしていると、それがその家の景色になってしまいます。すると、その辺に物をおいても気にならなくなり、どんどん散らかっていくという悪循環に…。
「私が片付けで訪れた家では、まず部屋を更地(=余計なものが何もないきれいな景色)にして景色を変えることで、意識を変えてもらうようにしています。一度更地にした景色を見てもらうと、『もうここにいろいろ置きたくない』と皆さん思うんです。だから、最初に景色を整えた上で、収納の中に“バッファゾーン”を作ります」
更地を散らかしたくないという気持ちから、テーブルやカウンターに置きがちなものも“バッファゾーン”へ収納しようという意識が生まれます。
“バッファゾーン”を作るおすすめの場所
いろいろな間取りの家があるので、どこに“バッファゾーン”を作るかはその家によって変わってきますが、家に出入りするときの動線上の収納の中に作るのが理想的。
理想はリビングよりも手前の場所
玄関に入ってすぐに収納スペースがあればそこへ、廊下やリビングの手前に収納スペースがあれば、そこでもOKです。
「リビングの奥の部屋や、2階、3階などの違うフロアはできるだけ避けるべきです。人は物のためにわざわざ動かないので、リビングに直行する習慣がある人は大体リビングのソファーかキッチンカウンターにモノを置いていきます。その習慣が続く限りリビングは散らかってしまうのです。」
生活の動線上に普段使っていない物をしまっている収納スペースがあるのなら、中の物はもっと“稼働率”(物の出入りが少ないこと)の低い収納場所に移して、そこを“バッファゾーン”に変えてしまいましょう。
また、それ以外にも、家の中の収納の中にいくつか“バッファゾーン”を作っておくと、読みかけの本を置いたり、脱いだ服をチョイ置きしたり、それぞれの部屋や収納が散らかってしまうことを防ぐこともできます。
“バッファゾーン”は定期的に片付ける
“バッファゾーン”から物があふれてしまうと結局、部屋が散らかってしまうので、1、2週間に1回や時間ができたときなど、“バッファゾーン”も定期的に片付けましょう。散らかった部屋を片付けよう、と思うと気が重いですが、せまいエリアであれば苦にならずに片付けができるはずです。
「片付けが苦手な人は使ったものを元に戻すことが苦手です。そのためチョイ置きしがちな場所の近くの収納場所にある程度のゆとりを持たせること。そしてモノと暮らす場所の境界線をしっかり決めることが大切です」
◆教えてくれたのは:幸せ住空間セラピスト・古堅純子さん
幸せ住空間セラピスト、家事効率化支援アドバイザー。整理収納アドバイザー1級、整理収納アドバイザー2級認定講師、企業内整理収納マネージャーの資格を所持。1998年、老舗の整理収納サービス会社に入社。20年以上現場第一主義を貫き、クライアントのもとへ通う。5000軒以上の家でサービスを重ね、古堅式メソッドを確立。オンラインを含むコンサルティングやメディア出演や講演も行う。著書は累計60万部でし、最新著は『「シニアのための なぜかワクワクする片づけの新常識』(朝日新聞出版)。YouTubeチャンネル「週末ビフォーアフター」は、770万回再生を突破。チャンネル登録者数4万9000人(2021年12月現在)。https://s-d-m.jp/talents/jyunko-furukata/