無駄な定期購入をやめる第一歩は売り手の思惑を知ること
では、こうした売り手側の思惑に踊らされないためにはどうしたらいいのでしょうか。
一つは、前述の通り、売り手側の作戦を認識しておくことだと橋本さんは言います。
「売り手側にコントロールされ、無意識に買わされたり、リピート買いをさせられる可能性があることを肝に銘じ、『初月無料』などの甘言に警戒心を持つことが第一。その上で『買い続けるかどうか』を判断すべきです。このとき、『本当にその商品にお金を払い続ける価値があるかどうか』を実生活と照らし合わせて熟考しましょう。実際に試した結果、自分に合わないもの、消費しきれないものは、いかに手続きが面倒であろうと、即座にやめるべきです」
折に触れて「本当に必要か」を考える
定期購入を促す電話やメールが毎日のように来ても、売り手の仕事の一環であると考え、情にほだされないこと。割引価格に惑わされないことが重要です。
もし定期購入を始めていたら、折に触れては「本当に必要か」を考え、変化を恐れずにスパッと止める勇気が必要です。その勇気こそ、「お金をどぶに捨てている」悪習慣や、それに伴う罪悪感を断ち切ってくれるはずです。
◆教えてくれたのは:マーケティング&ブランディング・コンサルタント・橋本之克さん
昭和女子大学現代ビジネス研究所研究員。東京工業大学工学部社会工学科卒業後、大手広告代理店、日本総合研究所での勤務を経て、現在は行動経済学を活用したマーケティングやブランディング戦略のコンサルタント、企業研修や講演の講師、著述家として活動中。著書に、『9割の買い物は不要である 行動経済学でわかる「得する人・損する人」』などがある。