平日の“超早寝早起き”生活に、昨今のコロナ禍も重なり、外食や夜の集まりからは縁遠いという大下さん。
「もともと昔から、人との食事で出歩くタイプではなかったので、夜はあまり出かけないんです。お酒は弱いので、ほとんど飲まないですね。周りを見渡して、お酒が好きな人は朝早い番組は大変そう。少しだけ飲んで帰るというのも後ろ髪引かれるでしょうし。私はたまたま弱いからそのストレスは感じずに済んでいます。その点も番組が長く続くことにつながってるのかもしれないですね」
自分を大切にしてあげられるのは自分だけ
番組の顔として、周囲をグイグイ引っ張っていく頼もしいイメージがあるが、実は姉と兄のいる3人きょうだいの末っ子として、みんなに可愛がられて育ったという大下さん。
「末っ子でわりと人に訊いたり頼ったりする性格です。道がわからなくなっても地図と格闘することなくすぐ人に訊きますし(笑)。そう見えないっていわれるんですけど、『教えて下さい!』とか『こういうことで困っています。どうしたらいいの?』とか…信頼している人たちに頼ります。人のアドバイスにも、耳を傾けられるほうですね」
ストレスとの付き合い方は上手じゃない
お酒は飲まず、外出は控えめ、週末はしっかり休息に当てる―― 一見ストイックに見えるそんな生活の中で、生放送のプレッシャーや日々のストレスとはどんなふうに付き合っているのだろうか。
「ストレスとの付き合い方は全然上手じゃなくて、引きずるほうです。母や姉や数少ない友達に、申し訳ないなと思いながらも、『ちょっと聞いて!』と愚痴を聞いてもらうこともあります。一人で溜め込むのは心身ともに良くないので。その分相手が大変な時は、力になりたいなと思います。
電話口でぽろぽろ泣きながら話を聞いてもらうこともあります。不思議なもので、泣くと結構すっきりするんですよね。泣くこともあっていいと思うようになりました。しゃべっているうちに、自分の良くなかったところや相手の気持ちも見えてきたり、整理されることもあります。一人で悩み苦しんでエネルギーを消耗するよりも、時には人に力を借りながら自分をいたわって欲しいなと思います。
自分くらいは自分を大切にしてあげないと、と思ってます(笑)。ちょっとした体調の変化に最初に気が付けるのも自分。とにかく自分とは一生の付き合いなので、無理をせず他人と比べず、自分の心地よいペースで歩んでいけたらと思っています」
◆大下容子(おおした・ようこ)
1970年広島県広島市生まれ。慶應義塾大学法学部法律学科卒業。血液型A型。身長:160㎝。1993年テレビ朝日入社、役員待遇 エグゼクティブアナウンサー。『大下容子ワイド!スクランブル』(毎週月~金曜、10時25分~13時/一部地域を除く)でメインキャスターを務める。『ワイド!スクランブル』は1998年から23年間担当。2021年10月、初エッセイ『たたかわない生き方』(CCCメディアハウス)を出版。https://www.tv-asahi.co.jp/scramble/
撮影/吉場正和 取材・文/田名部知子