ダイエットを成功させるカギとなる食事法ですが、多くの説があるので選択に悩んでしまう人も多いのではないでしょうか。失敗しないダイエット「31の法則」について、2択式問題で楽しく解説した著書『やせるのはどっち?』(飛鳥新社)が話題のフィジカルトレーナー・中野ジェームズ修一さんに、健康的なダイエットに役立つ食事法について聞きました。
ダイエットを成功させる食事はどっち?
中野さんは「非現実的な情報に振り回されるダイエットはやめましょう」と警鐘を鳴らします。ただ単に摂取カロリーを減らすだけでは、健康的にやせることはできないそうです。では、ダイエットを成功させるための食事法で正しいのは、次のどちらでしょうか?
A「とりあえず炭水化物を抜く」、B「茶碗1杯分のご飯を毎食食べる」
「炭水化物はダイエットの敵ではありません。正解は、B『茶碗1杯分のご飯を毎食食べる』です。一時的に糖質を抜くと体重は減少しますが、長い目で見ると、炭水化物を抜いた食事をすることはやせにくい体を作ってしまう原因になってしまいます」(中野さん・以下同)
私たちの体は生きているだけでカロリーを消費しています。その働きを止めないためにも、炭水化物は大切なのだと中野さんは言います。
「日本人の主食は米。それなのに白米はダイエットにおいては『悪者』のように扱われることが増えました。世界の中でも日本は長寿国として有名ですし、本当にそうなのか疑問に感じます。
『炭水化物抜きダイエット』をすると、体内から糖質が足りなくなってしまいます。そこで起きるのが、たんぱく質を分解してエネルギーを生み出す『糖新生』という現象です。実はこの状態で筋トレをすると、筋肉量は増えるどころか、筋肉が分解されて減少する一方なのです。筋肉が落ちれば基礎代謝が落ち、消費カロリーが減ってやせにくい体になってしまいます」
消費カロリーを増やすためには、「筋肉量を増やし新陳代謝を上げることが大切」だと中野さんはアドバイスします。筋肉を増やすにはたんぱく質と糖質の両方が必要。毎食茶碗1杯くらいのご飯は食べたほうがいいそうです。
ダイエット中の食事で重視するべきことは?
ダイエットを成功させるコツとして、「バランスの良い食事」が良いと言われています。では、「健康でイイ感じにやせる」ために、ダイエット中の食事で重視するべきことは次のどちらでしょうか。
A「カロリーをどれだけ抑えられたか」、B「何を何回食べたのか」
「正解はB『何を何回食べたのか』です。ダイエットにありがちなのは、低カロリーの食品ばかりを摂り続けてしまうこと。しかし、それではいくらカロリーを抑えることができても、食事のバランスとしては良くありません。ダイエットを成功させるために、『1日で14品目をコンプリートする』ことを意識してみましょう」
中野さんが推奨する14品目は以下の通り。このうち、穀類は1日3食必ず食べ、その他の品目に当てはまる食材は1日1回食べるのが、中野流「14品目食事法」です。
【1】穀類:白米、玄米、餅、パン、麺(うどん、そば、パスタ、そうめん、中華麺)など)
【2】魚介類:魚、たこ、いか、えび、貝類など
【3】肉類:鶏肉、豚肉、牛肉、ベーコン、ハム、ソーセージなど
【4】卵:生卵、卵焼き、ゆで卵、卵豆腐、茶碗蒸しなど
【5】乳・乳製品:牛乳、ヨーグルト、チーズなど
【6】いも類:じゃがいも、さつまいも、里芋、山芋、こんにゃくなど
【7】豆・豆製品:豆腐、納豆、厚揚げ、投入、大豆、インゲン豆、えんどう豆、枝豆、きな粉など
【8】きのこ類:しいたけ、しめじ、えのき、まいたけ、マッシュルームなど
【9】海藻類:わかめ、ひじき、もずく、めかぶ、のりなど
【10】淡色野菜:キャベツ、きゅうり、レタス、白菜、ネギ、玉ねぎ、ナス、かぶ、大根など
【11】緑黄色野菜:ブロッコリー、にんじん、ほうれん草、小松菜、トマト、アスパラガス、かぼちゃ、ニラなど
【12】果物類:りんご、バナナ、キウイフルーツ、オレンジ、グレープフルーツ、ぶどうなど
【13】油類:ドレッシング、バター、オリーブオイル、アマニオイル、揚げ物など
【14】し好品:チョコレート、クッキー、ケーキ、和菓子、アルコール類など
※醤油やみそなど油類以外の調味料はカウントしません
「食べやすいものに偏りがちになってしまう食事を見直すことから始めてみてください。『摂り過ぎている品目はないかな』『不足している品目はどれかな?』と、意識することで、食事のバランスが整ってくるはずです」
毎日絶対に達成しなくてはいけないといった、“自分への追い込み”は不要だと中野さんは言います。
「『できるときに頑張ろう』くらいから始めてみましょう。あなたが目指している『健康でイイ感じにやせる』に近づけるはずです」