健康・医療

「食前か、食後か」「ヨガか、ランニングか」健康的にやせるための運動、正しいのはどっち?

やせるのはどっち?

運動といってもさまざまな種類があるので、どの運動方法をどれくらいの時間行ったらいいのか悩んでしまう人も多いでしょう。では、ダイエット目的で考えた場合、次のどちらの運動方法が、よりやせるでしょうか。

やせるためのランニングは「ペース」が鍵(Ph/Getty Images)
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A「1時間のヨガ」、B「30分のランニング」

「正解は、B『30分のランニング』です。しかし、ただ何となくランニングしているだけではあまり効果が期待できません。ポイントは『軽く息が弾む程度のペース』でゆっくりと走ることです。気合を入れて速く走ると息が上がってしまい、継続するのは難しいと思います。スピードはゆっくり、できるだけ長く走ることを意識するだけで、消費されるカロリーは大きく変わってきます」

中野さんによると、ゆっくりペース(時速8km)のジョギング時の消費カロリーはおおよそ「体重×走った距離」で計算できるといいます。つまり、体重60kgの人なら、3km走ると消費カロリーは180kcalになります。これはウォーキングで得られる消費カロリーの2倍だそうです。

30分のランニングがやせるために適しているのは分かりましたが、ヨガはどうでしょうか。

「残念ながら、ヨガは運動ではありません。女性の間では気軽さやオシャレさから人気が高いヨガですが、運動活動としてはとても低く、有酸素運動や筋トレの代わりになることはできません。消費エネルギーのレベルで表すと、料理や洗濯などの日常的な動作と同じくらいになります。ダイエットの観点から見ると、あまり効果的でないことが分かります」

とはいえ、ヨガにはダイエット以外のメリットは沢山あると中野さんは言います。

ヨガのメリットもたくさん(Ph/Getty Images)
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「ヨガは、心身をリフレッシュする、自分自身に意識を向けることのできる、素晴らしいアクティビティです。また、呼吸法や呼吸を重視するため、さまざまな研究からストレスへの耐性を高めるリラクセーション法であることも報告されています。

ただし、ヨガのポーズのなかには難易度の高いものがたくさんあり、安全な誘導のもとで行わないと、ケガを負うリスクがあります。柔軟性に自信のない人は、基礎的なものから始めたり、ヨガインストラクターの指導を受けるなどしてみてください」

◆教えてくれたのは:フィジカルトレーナー・中野ジェームズ修一さん

フィジカルトレーナー・中野ジェームズ修一さん
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PTI認定プロフェッショナルフィジカルトレーナー。米国スポーツ医学会認定運動生理学士。数多くのトップアスリートやチームのトレーナーを歴任。卓球の福原愛さんやバドミントンのフジカキペア(藤井瑞希さん・垣岩令佳さん)を担当した他、マラソンの神野大地選手の個人トレーナーとして広く知られる。2014年からは青山学院大学駅伝チームのフィジカル強化も担当。近年は超高齢化社会における健康寿命延伸のための啓蒙活動にも注力している。主な著書に『医師に「運動しなさい」と言われたら最初に読む本』(日経BP)、『世界一伸びるストレッチ』(サンマーク出版)などベストセラー多数。https://twitter.com/nakanojames?lang=ja

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