「片付けが苦手な人こそ、これまで知られている整理や収納のやり方にとらわれず、散らからない暮らしを実現するコツを知ってほしい」と語るのは、幸せ住空間セラピスト・家事効率化支援アドバイザーの古堅純子さん。20年以上にわたり片付けに悩む家庭の現場を見てきたプロフェッショナルである古堅さんに、「やってはいけない収納」3つを教えてもらいました。
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【やってはいけない収納その1】収納の中に中身が見えない箱を並べる
まず片付け下手な人にありがちなのが、収納の中をきっちりと整理しなければならないというプレッシャーを持っていることです。けれど、その考えのままだとさらに散らかる危険があります。
収納の中がきれいでも使いづらいのはNG
収納というと、ひと目で分かるようにラベリングしたり、物ごとに分類したり、美しく見えるように収納のグッズを同じものにそろえたりと、さまざまな方法を思い浮かべるでしょう。
けれど、それは物をきれいに並べるための収納になっていることも多いです。そこだけにこだわって一生懸命に収納の中を整えても、使った後に物を戻しやすくなければ部屋は散らかってしまいます。そもそも中身が見えないケースだと、中に何が入っているのかわからず、必要なものも見つけづらいです。ケースが並んでいる収納は一見キレイに見えますが、出し入れがしやすくなければあまり意味はありません。
また、片付けが苦手な人は大雑把な性格の人も多いので、同じケースを隙間なく並べることで、収納の中にゆとりがなくなると、結局は収納ではなくテーブルの上やソファに物を置いてしまうことになり、また部屋が散らかるというリバウンドが起こりがちなんです。
物のためではなく、自分が何をしたいかで収納する物を決める
リバウンドしないために大切なのは、「この家で自分が何をするか」という視点だと思います。「この空間で、片付けにわずらわされずスッキリ居心地良く暮らしたい」というのであれば、収納よりもまず自分が理想とする部屋の景色を整える。人がいる空間ありきで、「何を収納の中に入れるのか?」という発想を持ってみましょう。
あくまで生活空間の主人公は人です。人がいる空間を中心に、収納家具や整理の仕方を決めて、散らかっても「すぐに片付く部屋」を目指してください。
【やってはいけない収納その2】収納の前に家具を置いている
家を片付けたい、整理したいと思うならば、まずは絶対に収納を封鎖してはいけないということを、頭に入れておきましょう。
収納をふさがない
物が溜まってしまうお宅に多いのが、収納の前に宅配物の箱や椅子などが置いてあり、その上が物置になっているケースです。
収納の前がふさがれていると、収納としての機能がなくなります。物を出し入れすることができないので、必要なものも不要なものも収納の中に入ったまま忘れ去られ、収納の前や部屋のあちこちに物が溜まってしまうのです。
障害物をどかし、使いやすい収納に
そもそも、いすやテーブルは物を置く場所ではないのです。収納の前は障害物がない状態をキープする。これは、家を片付けたいと思っている人のマスト条件です。