家事・ライフ

電気代1時間1円以下の安さも魅力!今あえて扇風機を買うメリット、“羽アリかナシか”の選び方

バルミューダ『The GreenFan』が置いてあるソファのある部屋
自然の風に近い心地よさがあり、人気が高まっている扇風機(写真はバルミューダの『The GreenFan』)
写真9枚

6月にはいり気温も上がってきました。暑い日は冷房をつけたいけれど、体が冷えるしだるくなるしちょっと苦手…という人もいるでしょう。そんな人に注目が集まっているのが扇風機。今の扇風機には自然の風に近い心地よさがあり、人気が高まっています。家電ライターの田中真紀子さんに、今の扇風機事情を教えてもらいました。

風の質が進化し高価格化進むも、電気代は安く

まず、扇風機のよさを改めて――。

「暑い夏に室温を下げるには、エアコンの冷房が必要ですが、それで扇風機の需要はなくなることはありません。むしろ上手に取り入れることで、快適に過ごせ、節電にもつながります。そもそも扇風機の消費電力は、1.5w前後(DCモーター)~35W前後(ACモーター)と非常に少なく、1時間使っても電気代は1円にも達しません。

人は、体に風を当てると体感温度が下がるため、エアコンをつけた状態で扇風機の風にあたればさらに体感温度が下がり、そのぶんエアコンの設定温度を上げることもできますし、サーキュレーター代わりに使って室内の温度ムラを減らす、換気を促すなど、さまざまな使い方ができます」(田中さん・以下同)

バルミューダ扇風機が進化のきっかけ

快適さ、電気代ともにメリットが大きい扇風機。機能もひと昔前に比べ、大きく変わっています。そのひとつは、送り出す風の心地よさ。

バルミューダ『The GreenFan』の黒が置いてある部屋
快適さ、電気代ともにメリットが大きい扇風機。近年“風の質”が進化しているが、そのきっかけとなったのが、バルミューダが発売したDCモーター扇風機『GreenFan』の登場
写真9枚

「日本の扇風機の歴史が大きく変わるきっかけとなったのは、やはり2010年にバルミューダが発売したDCモーター扇風機『GreenFan』の登場が大きいです。従来の扇風機には交流電圧方式のACモーターが使われていましたが、これはきめ細かい風量調整ができませんでした。それに対し直流電圧方式のDCモーターは微調整ができるため、ちょうどいい強さの風量に調整しやすくなっただけでなく、効率的にエネルギーを使うしくみのため、消費電力を抑えることが可能となります。

しかも心地よい風が遠くまで届くことで、体に負担が少ない自然界の風を再現したと話題になりました。これをきっかけに扇風機は、風の質にこだわったDCモーター搭載モデルが人気になり、高価格化も進んでいきました」

高価格とはいえ、前述のように快適さと節電の高さを考えれば、高機能タイプを選ぶメリットは大きいと、田中さん。

高機能タイプの扇風機は、従来のように羽を回転させて風を送り出すリビング扇風機と、羽を使わずに涼風を送る羽なし扇風機(タワーファン)に大別されます。羽あり、羽なし、それぞれのメリット・デメリットは何でしょうか。

風の心地よさを追求するなら羽ありのリビング扇風機を

「一般的にリビング扇風機と呼ばれるのは、大きな羽を回転させて風を起こす、昔ながらの形の扇風機です。高さを変えたり、首振りや首の角度を変えることで、風を送りたい場所に届けやすい特徴があります。かつては羽が生み出す風にムラがあり、当たり続けるとだるさや疲れを感じると言われてきましたが、最近は風質にこだわった製品が多く登場し、長く当たっても心地よいという声も増えています。

ただし後述するタワーファンに比べると本体の大きさが上下でアンバランスなため、収納がかさばるのがデメリットです」

スタイリッシュで安全性が高い羽なし扇風機

羽なし扇風機といえば、ダイソンに代表されるリング型を思い浮かべる人も多いでしょう。

「初めて登場したときはどこから風が出ているんだろうと不思議でしたが、本体下部のモーターが生み出した風が、周囲の風を取り込みながらリングの隙間(スリット)から吹き出すことで、大量の風を吹き出すことを可能としています。羽が表に出ていないため回転する羽で手をけがする心配もありません」

一方、タワーファンと呼ばれる羽なし扇風機は、細みでスッキリしたデザインが特徴で、インテリアにこだわる人に人気があります。

「モデルによっては、空気清浄機能や温風機能など、プラスアルファの機能を搭載したものも。ただし、大きな羽を搭載していないぶん、扇風機に比べると風が弱い場合があり、送風範囲も狭くなりがち。遠くに風を届けるというより、近くで涼みたい人に向いています」

では、羽あり、羽なし、それぞれのおすすめを見てみましょう。

関連キーワード