衣食住ネタは、相手を褒めながら質問を
相手の背景が分からない場合は、見た目からネタを探すのも一つの方法です。例えば、ファッション。
「『その組み合わせはとても素敵ですね。どうしたらそんなにおしゃれに組み合わせられるんですか?』などと褒めながら、相手のこだわりを聞いていき、人間関係を築いていく方法もあります。これならあまりファッションに興味や関心がない人でも、できる質問でしょう。
褒められることが苦手そうな相手でも、質問形式であれば何かしら答えてくれ、雑談は続くと思います」
ただし、褒める場所が見つからなければ、無理に褒める必要はないと言います。特におしゃれに気を使っていなさそうな相手であれば、逆効果になりかねません。
食べ物の話は話が広がりやすい
その場合は、食べ物の好みを押さえるのも一つの方法。趣味が少ない人でも、食べ物の好みならあるはず。
「仮に自分が相手の好みの食べ物でおいしいお店を知っていれば、相手にとっては有益な情報になりそうですし、もし相手と将来的に親しい関係になれば、会食をセッティングする時に食べ物の好みは重要な情報になります」
また、住まいの話題も選択肢に。
「男性が女性に対して唐突に『どこに住んでいるの?』と聞く場合は警戒されがちですが、女性同士、あるいは女性が男性に対して、住んでいる地域や出身地を、ごく自然な会話の流れで聞く分には構わないでしょう」
こうした「木戸に立ち掛けし衣食住」の11のネタを頭に入れておき、相手を見ながらネタを選んでいくことが大切です。雑談に花が咲くのは、相手が喜ぶ話。表情や声色を見ながら、ボールを入れ替えして投げていきましょう。
◆教えてくれたのは:雑談コミュニケーション専門家・松橋良紀さん
雑談コミュニケーション専門家、コミュニケーション総合研究所代表理事。営業マン時代、強度の人見知りで、コミュニケーション、特に雑談が大の苦手だったが、心理学を学び一転、全国450人中1位のセールスマンとして活躍。学んだ心理学の手法をもとに、聞き上手・話し上手な営業マンとしてトップセールスを誇る。現在は独立し、聞き方、話し方の専門家としてメディアや講演会などで活動。『すごい雑談力 25万人が自信をつけた話し方・聞き方のルール』(秀和システム)など著書は20冊以上。https://www.nlp-oneness.com/