座りっぱなしやスマホ、PCによる姿勢の悪化、運動不足などで、猫背になっている、姿勢があまりよくないと自覚している人も多いのではないでしょうか。『きれいな姿勢に生まれ変わる ねこ背伸ばし』(アスコム)の著者・片平悦子さんは、自身も猫背による体の痛みを体感したことにより、悪影響と正しい姿勢に気づいたそうです。5万人以上の体を診てきたカリスマ整体師・片平さんが語る、猫背のリスクと正しい姿勢とは?
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なぜ猫背が不調を引き起こすのか?
腰痛や肩こり、さらには精神的なことまで、猫背によって引き起こる不調はたくさんあるんです。
首や肩が痛くなるだけでなく、自律神経のトラブルも
猫背になると、骨盤が倒れて背骨が丸まります。すると、頭が前に出て、頸椎が本来描いている自然なカーブがなくなります。このとき、ボウリングの球ほどあるといわれる頭の重さがダイレクトに首や肩、背中にかかるので、首こりや肩こりの原因にもなってしまうんです。
さらに、脳へとつながる血管や神経の束にも負担がかかり、自律神経の乱れを始めとするさまざまなトラブルを引き起こすのです。意外かもしれませんが、気分がどんよりしてしまうのは猫背による自律神経の乱れが原因のこともあるんです。また、血管に負担がかかることで血管がもろくなり、大きな病気を患う危険性まで生まれてしまいます。
内臓機能低下による不調、さらに老け見えの原因に
猫背による悪影響はもうひとつあります。猫背になると骨盤が倒れて背骨が丸くなるため、肋骨と骨盤の間隔がせばまります。すると、肋骨と骨盤にはさまれた内臓が押しつぶされてしまうんです。圧迫された内臓は機能が低下し、不調の原因となります。
そして、猫背は心身の不調を起こすだけでなく老けて見えますし、お腹の筋肉がうまく使えていないので下っ腹がぽっこりと出てきます。 筋肉が緩んだお腹周りには脂肪がつきやすくなり、見た目にも悪影響なんです。