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「50歳から花開く人」のいい人間関係の築き方 過去の栄光を引きずらず「”ただの人”としてつながる」

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「”ただの人”としてつながる」の意味とは?(Ph/photoAC)
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仕事や家庭が落ち着く50代は、将来を見据えて、健康、生活、お金に関して見直すいいタイミングです。そして、人間関係も入れ替える時期だと『50歳から花開く人、50歳で止まる人』(PHP研究所)を上梓した作家の有川真由美さんは語ります。どんな人間関係を築けばいいのか、有川さんに聞きました。

50歳からはただの人としてつながる

50歳からの人生を豊かにしようと思ったら、どんな人とつながっていくかが鍵となります。その際には、“ただの人”としてつながる必要が出てきます。ただし、ただの人とは“取るに足らない人”という意味ではありません。

「仕事や肩書、上下関係ではなく、“1人の人間”としてフラットに人とつながるという意味です。だからこそ、50歳からはどんな人ともつながる自由、おもしろさがあります。反対に、“ただの人”としてつながれない人は、人生の後半戦を充実させるのは難しくなります。

現在所属している仕事や団体からは、いつか離れることになり、縦のヒエラルキーからフラットな関係に移行します。肩書がなくなっても過去の栄光をずっと引きずっている人がいますが、横柄な態度になったりして、他の人といつまでも良好な関係を築けません。

人間関係
肩書き無しに、対人間同士で付き合う(Ph/photoAC)
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リタイアをする前からフラットな仲間を作り始めると、肩書を失うことにおびえることがなくなります。ポイントは、虚勢を張らず、縮こまらずに自然体であること、大切だと思う人に感謝して大切にすることです。人の幸せや健康に最も影響を与えるのは、お金や食生活ではなく“人とのつながり”だとする研究結果もあります。いい人生は、いい人間関係が大きく関係しています」(有川さん・以下同)

人間関係は“公私混合”で

公私混同というと、職権乱用やセクハラといったネガティブな意味で使われることがありますが、ここでいう「公私混合」はポジティブな提案です。

「50歳からの人間関係は、“社会的な自分”と“個人としての自分”を一緒に考えたほうが、仕事や人生の質を上げてくれます。50歳からは仕事や人生を“気負わず、無理せず、伸び伸びと”遊ぶようにおもしろがれる人が“花開く”と私は考えています。“学ぶ”“働く”“遊ぶ”を同時進行していくと、趣味で知り合った人と意気投合して仕事につながることもあります。

私自身も40代で通った台湾の大学院で、大学講師や政府観光局の顧問としての仕事を紹介されたことがありました。このように、人間関係の公と私はハッキリ分けられないのです。特に50歳から“ただの人”、つまり“個”として活動を充実させていこうと思うなら、素の自分で付き合ったほうが、気の合う人、尊敬できる人、自分にとって必要な人などが自然に集まります」

接する人、見る風景が変わると新鮮な発見

反対に、「名刺を配って交流を広げよう」「職場のみんなと仲良くしなければ」と無理につき合っても、それほど親しい関係にならないはずです。

頬杖をついている女性
無理をする人間関係は続かない(Ph/photoAC)
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「私は意図的に住まいを転々としています。すると人間関係や環境が変わるので、そのたびに講演会に呼ばれるなどの新しい仕事が生まれるんです。接する人たち、見る風景が変わると、気持ちや考えも変化し、いつも新鮮な発見があります。仲間が増えて、仕事をサポートしてくれたり情報をくれたりします。私はプライベートと仕事がゴチャゴチャの“公私混合”なので、仕事も遊びも人間関係も相乗効果があると実感しています」

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