夫や両親、子供など、家族とのの関係を良好に保つためにも「言葉」が大事。そう語るのは、著書『感じのいい人は、この「ひと言」で好かれる』(三笠書房)で人間関係がうまくいく「ひと言」を紹介しているコミュニケーションアドバイザーの森優子さん。「いたわり上手があしらい上手」ということですが、どのような「ひと言」が有効なのでしょうか。
「おはよう」のあいさつには健康を気遣うひと言を
1日の始まりのあいさつはとても重要。「おはよう」と声をかけるだけで十分な気がしてしまいますが、ほんのひと言加えるだけで、笑顔が生まれるといいます。
「睡眠は健康のバロメーターです。毎日顔を合わせる間柄だからこそ、相手の体調を気遣うようなひと言を添えられたら素敵です。友人に羨ましいほど仲のいい夫婦がいるのですが、その秘訣は朝のあいさつにあります。『おはよう』のあとに、『よく眠れた?』と確認のひと言を添え、相手も『うん、よく眠れたよ、○○は?』というように、結婚当初から朝のコミュニケーションを大事にしてきたそうです。
このあいさつが習慣づいているので、けんかをした翌朝もどちらかが『おはよう。よく眠れた?』とあいさつをすることで、気まずい雰囲気が早めに解消されるのだそうです。
このように、相手を思いやるあいさつを習慣にすれば、気落ちのよい毎日が送れるということです」(森さん・以下同)
相手の疲れをいたわる優しい「お疲れさま」でイライラも発生しない
「お疲れさま」というと職場の人にかける言葉のように思う人もいるかもしれませんが、森さんいわく、大切な家族にもかけたほうがいい言葉だそうです。
「釈迦に説法ですが、『お疲れさま』は職場の人だけにかける言葉ではありません。夫婦や恋人など、相手が大切なパートナーなら、その人にかける『お疲れさま』には、格別な思いがあると思います。大切にしたい相手には、1日の仕事を終えたことをねぎらうような『優しいお疲れさま』を贈りましょう。
ピンとこない人は、自分が『今日もお仕事、お疲れさま』と言われたときのことを想像してみてください。『お疲れさま』だけよりも優しさが感じられませんか? この優しいお疲れさまは、仕事の疲れを癒やしてくれます。仕事の大変さをわかってくれているようで、『今日も頑張ってよかった』とホッとするのです」
「疲れたでしょう」も同レベルの癒やし
「疲れたでしょう」という言葉も、優しさあふれる癒す効果の高いひと言だそうです。
「相手をホッとさせます。『おかえりなさい。疲れたでしょう』と優しい言葉をかければ『うん、ちょっと疲れた。○○もお疲れさま』と優しい言葉が戻ってきます。一緒に暮らしていてもいなくても、1日の終わりには『今日もお仕事お疲れさま』『疲れたでしょう』というひと言を添えることで、『こっちは仕事で疲れているんだ』『こっちだって激疲れよ』という思いがなくなるような気がします」
◆教えてくれたのは:コミュニケーションアドバイザー・森優子さん
短大卒業後、西武ライオンズ・西武鉄道のチアリーダーに従事。その後転職し、求人広告の企業営業を担当。入社2年目に「売上、新規売上、新規社数」の目標を完全に達成し、表彰される。退職後、マリアージュコンサルタント事務所を開業。クライアントのコミュニケーション力を向上させ、支持を得ている。メディア出演、企業研修でも活躍中。今年5月、『感じのいい人は、この「ひと言」で好かれる』を出版。
https://www.mariage-communication.jp