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住宅ローンの総支払額が180万円も減った!お金のプロがやっている見直しポイントは?

札束と家の模型
住宅ローンの金利を下げることで大きな節約に(Ph/photoAC)
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「住宅ローンは、滞らせることなく30年かけて返済するもの」と思っていませんか? 実は、金融機関と交渉することで、金利を下げられることがあるといいます。長年、不動産投資に取り組んでいる生活コスト削減コンサルタントの生方正さんに詳しく聞いてみました。

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電話1本で住宅ローンの金利を下げられる?

金融機関の人と上手に交渉することで、現在払っている住宅ローンの金利を下げることができる場合があります。実際に、私は住宅ローンの支払金額を180万円減らすことができました。

今借りている住宅ローンの金利をチェック

まずは借りている住宅ローンの金利と、他の金融機関の提示している金利を比べてください。他の金融機関の金利のほうが低い場合は、今借りている金融機関の担当者に連絡し「○○銀行では、〇%低い金利で借りられますが、御行ではいくらまで下げられますか?」というところから交渉をスタートしていきます。あとは交渉次第なので、断られるケースもありますが、うまくいけば金利を下げてもらえます。

電話をしている女性
ローンを組んでいる金融機関よりも金利が低い金融機関を見つけるのが交渉のチャンス(Ph/photoAC)
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金利を下げるのが難しい場合は、今よりも住宅ローン金利が低い他の金融機関で借り換えるのもいいでしょう。住宅ローンの審査が必要になるので、書類を準備する手間と借り換え手数料が発生しますが、残りの返済期間が長かったり、返済金額が多かったりすれば、今より低い住宅ローンに乗り換えることで確実に総支払額を減らすことができます。

1か月5000円、30年でトータル180万円の減額

私の場合、3000万円の借入に対して0.2%金利を下げることができ、年間約6万円、月々の支払額にして5000円程度安くなりました。

5000円札3枚
毎月たった5000円と思っても、30年間なら180万円に(Ph/photoAC)
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住宅ローンの場合、月々の支払額が大きいこともあり、つい「5000円くらい下げてもたいしたことない」と考えがちですが、30年間払い続けた場合、180万円も変わってくるのでバカにできない金額になります。

住宅ローンの繰り上げ返済で総支払額を減らす!

また、住宅ローンの一部、または全部を返済する「繰り上げ返済」を行うと、ローン返済期間を短くしたり、毎月の返済額を減らすことができます。ボーナスなどある程度まとまった金額を返済できる方は検討してみてもいいでしょう。

「期間短縮型」と「返済額軽減型」の違いは?

「繰り上げ返済」には2つの種類があります。1つは、住宅ローンの返済期間を短くする「返済期間短縮型」。もう1つは、返済期間を減らさずに毎月の支払額を減らす「返済軽減型」です。月々の返済でには返済額+利息分が含まれています。しかし、繰り上げ返済をした場合は返済額がすべて元本の返済に充てられます。そのため利息分を減らすことができるのです。

電卓で計算している
繰り上げ返済には2種類ある(Ph/photoAC)
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「期間短縮型」は、本来の返済期間よりも住宅ローンを借りる期間が短くなります。たとえば、30年の住宅ローンを組んだ場合、繰り上げ返済をして20年で完済すれば10年分の利息が軽減されるため総支払い額を抑えることができます。

逆に「2年後から子供の教育にお金がかかるので、それまでに月々の支払額を減らしたい」という場合は、「返済額軽減型」がおすすめ。子供が大きくなり、金銭的に余裕が出てきたら、そのときは「期間短縮型」を利用するのもいいでしょう。

繰り上げ返済の返済可能額と手数料をチェック

繰り上げ返済をする場合、住宅ローンを組んでいる金融機関の返済可能額と繰り上げ返済手数料を確認しましょう。とくに繰り上げ返済手数料は、同じ金融機関でも、インターネット、電話・テレビ電話、窓口、どれを使うかによって金額が0円から数万円と大きな開きがあるケースがあるので注意が必要です。

また、繰り上げ返済額も、金融機関やローンの種類によっては1円から返済OKなケースもあれば、100万円以上からしか受け付けていない場合も。繰り上げ返済の額に制限があることがあるのです。1万円からできる場合は比較的こまめに返済できますが、100万円以上の場合は計画的に貯めて返済する必要があります。

銀行の窓口
インターネット、店頭、電話などそれぞれの方法で繰上げ返済手数料が変わることも…(Ph/photoAC)
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繰り上げ返済する場合の手数料についても注意が必要です。同じ金融機関で繰り上げ返済しても、手続きの方法で手数料が異なります。例えば三菱UFJ銀行の場合は、インターネットでの繰り上げ返済申込の場合は手数料無料、電話・テレビ窓口は5400円(税込)、店頭1万6200円(税込)と金額が変わります(https://www.bk.mufg.jp/tesuuryou/jutaku.html#AC01)

各金融機関によってルールが違うので、余分な手数料を支払わないために「繰り上げ返済の手数料はいくらかかるのか」「何円からできるのか」「月何回できるのか」「インターネット、電話、テレビ窓口、店頭、それぞれの手数料はいくらかかかるのか」など、内容をしっかりと把握したうえで利用してください。

ボーナス時など、余裕のあるときに返済を!

最後に、「少しでも住宅ローンの総支払額を減らしたい!」と、貯金をギリギリまで削って繰り上げ返済するのは危険です。繰り上げ返済する際は、資金計画に余裕を持たせて行いましょう。

電卓、家計簿、現金、ペン
いくらお得になるといっても無理して繰り上げ返済するのはNG(Ph/photoAC)
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例えば、病気やけが、事故などの急な出費に対処できず、住宅ローンよりも高い金利を払ってお金を借りることになりかねません。繰り上げ返済しても生活に無理がないように、「ボーナスがいつもより多く支給された」「臨時収入が入った」など、余裕があるときに実施してくださいね。

構成/間野由利子

◆教えてくれたのは:生活コスト削減コンサルタント・生方正さん

生方正さん
生活コスト削減コンサルタント・生方正さん(Ph/藤中一平、イメージコンサルタント/坂井二朗)
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うぶかた・ただし。明治大学サービス創新研究所研究員。高校卒業後に海上自衛隊に入隊。勤務の傍ら節約術を駆使しながら、国内株式、金の現物買い、在日米軍に対する不動産投資などを行い、40代で2億円の資産を築いた。現在は生活コスト削減コンサルタントと南極講演家として、メディアで活躍中。著書に『高卒自衛官が実現した40代で資産2億円をつくる方法』(あさ出版)、『攻めの節約』(WAVE出版)など。

構成/間野由利子

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