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アラフィフ女性に恋愛の“ファンタジー症候群”が増加? 不倫に陥った49歳女性のケースから考える「セカンドステージ」

駆け落ちまで思い詰めた女性、「恋愛から遠ざかっていたから」燃え上がった

派遣社員のマナミさん(49歳)。シングルマザーとして育てた一人息子も20歳になり、子育てが一段落した頃からマナミさんは恋愛したい願望が芽生えましたが、誘ってくるのはいつも既婚者ばかりでため息の連続。ところが恋愛対象が独身のはずなのに、いつしか「好きになった人がたまたま既婚者」だったといいます。

5年前に地域のボランティアで知り合った同じ年の男性と、カラオケ友達からやがて男女の関係に。価値観も感性もぴったり合っていますが、彼には専業主婦の妻と小学生と中学生の2人の子供がいました。

「別れるか、大人の関係と割り切って付き合うか、迷っているときにたまたま霊能者の電話相談に申し込みました。すると、『あなたと彼はツインレイ』と言われて、別れられなくなったんです」(マナミさん・以下同)

“霊能者”が言う“ツインレイ”とは、前世で夫婦だったソウルメイトのこと。彼と一緒にいることが自然なら、不倫を解消してもらいたいとマナミさんは彼と一旦距離を置きます。彼からは連絡がなく悶々とするうちに、「彼と駆け落ちして、新しい土地で人生をやり直したい」と思い詰めようになったとか。そこで彼に駆け落ちをもちかけようとしますが、彼が妻子と別れる意志がないとわかると落胆します。

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彼が妻子と別れる意志がないとわかると落胆(Ph/イメージマート)
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「それでも彼と一緒に生きていきたくて『墓場までもっていく恋』にしようと思っていました」

ところが、就活を控えた息子が母親の不倫に気づき、マナミさんの彼に直接会って「男として責任ある決断をしてほしい」と嘆願。それがきっかけで彼と“ツインレイ”であるという思い込みを捨てることになります。

「息子の行動には驚きました。夢からさめたような気がします。仕事と子育ての20年ぐらいの間、恋愛から遠ざかっていたので、彼と恋に落ちてから一気に燃え上がってしまったんです」

自分の人生から「彼」がいなくなってしまったマナミさんは別の目標を見つけたくなって模索しました。イギリスの絵本や児童文学が好きだったことを思い出し、絵本の舞台となった場所を巡る旅がしたくなり、子育て中にあきらめていた英語の勉強を再開しているといいます。

恋の魔法から解き放たれた女性のセカンドステージとは?

“霊能者”がいう“ツインレイ”を信じ、駆け落ちまで思い詰めたマナミさんを「幼い」、「ファンらジーに溺れている」と非難することは簡単です。でも子供のために必死に生きてきた期間や経済的な負担から解放されると、恋愛に対する願望がどっと噴き出ることがこの世代の女性にはあるのです。

恋のファンタジーに溺れていても、はっと現実に戻るのが若い頃に比べて早いのも、熟年世代の特徴。恋の魔法から解き放たれて現実に戻った大人女性にとって、今後の人生を考えていく上で大切なことは「自分が好きなこと、やりたいことをやり遂げたい」という目標だと思います。

マナミさんのように英語の勉強を始めるなど、やりたいことを見極めて実現していくうちに、人生の次のステージのヒントが見えてくることがあるのですから。

◆コラムニスト・夏目かをる

夏目かをる
コラムニスト・夏目かをるさん
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コラムニスト、小説家、ルポライター。2万人の働く女性の取材を基に恋愛&婚活&結婚、夫婦の機微をテーマに執筆。難病克服後はテレビ出演や講演も。2021年『ワールド極限ミステリー』(TBS系)では記事がドラマ再現化。映画や歌舞伎にも精通。https://ameblo.jp/moonriver2001-2007/

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