「電化製品を使っていないときに主電源をオフにしたり、コンセントを抜いたりすると節電になる」と言われますが、これは待機電力が節約できるから。でも本当に有効な節電方法なのでしょうか? 節約アドバイザー・ファイナンシャルプランナーの丸山晴美さんに節電のコツを教えてもらいました。
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家電を使っていない時間にも電力は消費されている
家電製品やガス機器などは使用していない間もわずかに電力を消費しており、これを待機電力といいます。待機電力は微量ではありますが、積み重なるとそれなりの電気代になるのです。つまり、主電源をオフにしたり、コンセントを抜いたりするのは有効な節電方法と言えます。
家庭の消費電力量の約5%が待機電力
「平成24年度エネルギー使用合理化促進基盤整備事業(待機時消電力調査)報告書概要」によると、ひと世帯あたりの家庭の消費電力量は年間で4432kWhで、そのうちの228kWh(5.1%)が待機電力と推計されています。これは、電気代にすると年間で約6000円(電力量1kWhあたり税込27円(公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会による新電力料金目安単価)として算出)にもなるというのです。
待機電力が発生しているのは表示やタイマー
待機電力は、機能維持、指示待ち状態の状態で発生しています。具体的には電化製品を使いやすくするための表示機能やタイマー機能、リモコン機能などです。また、プラグを挿しているだけで待機電力が発生するものもあります。
別掲の図は待機電力量の内訳を表したものです。
ガス温水器や電子レンジをチェック
身の回りに待機電力を使っていそうな電化製品がいくつかあるのではないでしょうか。具体的に、どんな家電で節電を実践するのがいいかを知りましょう。
もっとも節電しやすいのはガス温水器
長時間使わない場合の電源のオフでもっとも節電につながるのはガス温水器で、全体の約20%を占めています。
湯温・湯量を測定するためのセンサーや、設定温度を表示する給湯パネルなどに待機電力が発生しており、浴室とキッチンの2つで表示されるためその割合が高くなっています。最新のものは省エネ設定になっているものが多いですが、常に表示やランプがついている場合は、寝る前など、長時間使わないことがわかっているタイミングで電源を切ることが節電につながります。
また電子レンジの時計機能にも注目。一定時間経つと消える設定になっているものは問題ありませんが、もし常時ついていればそこにも電力がかかっているので、主電源のオフもしくはプラグを抜くようにするといいでしょう。またエアコンは、リモコンの情報をキャッチしようと待機状態を続けているので、春や秋などのオフシーズンはコンセントからプラグを抜いておくことをおすすめします。