「食材を色で判断する」食べ方とは?
――「食材を色で判断する」ことも効果的だと推奨されていますが、その根拠は?
岸村:目の前の食材がなんとなく茶や白が多いということはないですか? イベントなどで支給されるお弁当には、揚げ物やご飯の量が多く、見た目が茶と白だったりします。一概に言えませんが、茶と白だけだと多くの場合、糖質や脂質が中心となって、カロリーオーバーとなっています。
そこで茶と白を減らして、緑と赤を増やしましょう。それだけで大幅にバランスを改善することができます。赤はトマト、スイカ、緑はほうれん草や枝豆、豆苗、青汁などです。パプリカなど他のカラフルな野菜でもいいでしょう。コンビニでも手に入りやすい手軽なものなら、トマトジュースやメカブなどでも大丈夫です。
注意したいのは、減らさなくてもよい白と茶の食材があるということです。玄米や全粒粉パン、大麦などの全粒粉穀物は、発酵性食物繊維が豊富です。また、豆腐や納豆などの大豆製品も積極的にとりましょう。
―――食物繊維が豊富な野菜をとるとき、何か工夫できることはありますか?
岸村:生野菜は消化に負担がかかるので、大量に食べられません。食べ放題のバイキングでもおかわりできても2回、3回以上は無理と言う人もいます。
またレタス1個分の食物繊維は約3~4gですが、成人女性(15~64歳)が1日に摂取する食物繊維の目標量は18g以上なので、生野菜だけでは不足がちです。そこで過熱した野菜も加えましょう。朝は味噌汁の具にほうれん草や大根、にんじんなどを具材に。昼はサラダに野菜のおひたしなど、バランスよくとりましょう。食前に食べると、血糖値スパイク防止につながります。
―――菓子パンがやめられず、太ってしまったということを耳にします。菓子パンの上手な食べ方はありますか?
岸村:菓子パンは「パン」ではなく「菓子」という認識で、「ご褒美」の位置づけにするとよいですね。血糖値スパイクが上昇する原因として、菓子パンだけを1回の食事で2つ、3つと食べ続けることがあげられます。見えない糖と脂質をとってしまうため、単体で食べると体へのダメージが大きいのです。
もし菓子パンを食べるのなら、コーヒーや紅茶などの温かい飲み物や豆乳ラテなどたんぱく質を含む飲料を一緒にとったり、ゆで卵や無糖ヨーグルトなどをプラスするとよいでしょう。満足感を高めたり、血糖値の上昇をゆるやかにすることで、太りにくくなります。
◆教えてくれたのは:管理栄養士・岸村康代さん
管理栄養士。野菜ソムリエ上級プロ。一般社団法人「大人のダイエット研究所」代表理事。1万人以上の食べ方の指導をもとに、不健康な食事を改善させてきた食べ方の専門家。ダイエット指導では2000人以上を成功に導き、落とした脂肪は合計10トンを超える。ダイエット失敗経験を経て、論文や研究データや専門書を読破し、医療現場での臨床経験も活かして食について学び直し、自身も15kgの減量に成功。『あさイチ』(NHK)、『ヒルナンデス!』(日本テレビ)など、メディア出演も多い。http://www.power-food.jp/
取材・文/夏目かをる