
軽くて温かいダウンのアウターは真冬の寒い時期に大活躍のアイテムですが、丈の長さや色、デザインが豊富にあるのでどれを選んだらいいのか迷ってしまいます。そこで、パーソナルスタイリストの杉山律子さんに大人女性におすすめの選び方を教えてもらいました。
ショート丈ならどんなボトムスとも相性抜群!
ダウンのアウターは丈の長さもさまざま。防寒のためにロング丈のダウンコートを選ぶ人もいると思いますが、大人女性におすすめは?
「おすすめは断然お尻にかかる長さのショート丈です。理由は、パンツでもスカートでもバランスよく決まり合わせやすいから。ダウンでも重い印象にならずメリハリもつけやすいですね。
寒いとロング丈を選びたい人もいるかもしれませんが、ダウンのロングコートはウエストがキュッと締まって裾広がりになったAラインのデザインが多く出ています。でもAラインのロングダウンコートだと、大人女性が着ると甘さが強調されてしまい、少し違和感が出ることもあるので要注意です。
合わせるボトムも細身のテーパードパンツならいいのですが、ワイドパンツやスカートは合わせにくいので、もしロング丈を選ぶのなら裾が広がっていないものを選びましょう。
また、太ももにかかるくらいの丈は、中途半端でボトムスとのバランスが難しいのであまりおすすめできません」(杉山さん・以下同)
ステッチ(縫い目)の少ない薄手のものがキレイに見える
またダウンの特徴のひとつに、中のダウンが一か所に偏ってしまうのを防ぐための縫い目がありますが、そのステッチによって印象も大きく変わります。
「ダウンのアウターは、縫い目が少ない方がキレイに着こなせます。ダウンの量にもよりますが、パンパンに詰まっているものだと着たときにモコモコしてしまうので、大人は薄手の方がおすすめです」
色は黒かネイビーを どんなインナーとも合わせやすい!
最近はダウンのアウターでもさまざまな色が出回っていますが、どんな色を選んだらいいのでしょうか。

「どんな色とも合わせやすいのが黒かネイビー。ダウンは着膨れするアイテムでもあるので、黒やネイビーは締まって見えるという点でもおすすめです。
ベージュ系を選ぶ人も多いのですが、意外とインナーとの色合わせが難しいんです。中にグレーなどの中間色を着てしまうとおばあちゃんみたいな印象になってしまいます。つまり、中間色同士はケンカしやすい色なんですよ。
もしベージュなど中間色のアウターを着るなら、インナーは黒やネイビーなどの濃い色を着ましょう。
その点、黒やネイビーのアウターならインナーは中間色でも濃い色でも合わせやすい。アウターはたくさん持っているものではないので、いろいろなトップスと合わせられる方が便利だと思います」

2色欲しい場合は、濃淡1色ずつに
「最近はプチプラでもさまざまなデザインのダウンが出ているので、リーズナブルだから何色もそろえたいという人がいるのですが、それはクローゼットがパンパンになって服の選びにくさにつながります。
どうしても欲しいなら、黒やネイビーの濃い色と中間色から1色ずつに。中間色は自分の手持ちの服に合わせやすい色味を選びましょう」
シーズン中も場所を取らない引き出し収納が便利
かさばりがちなダウンのアウターですが、杉山さんは「引き出し収納がおすすめ」と話します。
「私は服選びをラクにするために、アイテムは全部ハンガー収納をしているのですが、ダウンはハンガーにかけてしまうと普通のアイテムの3~4枚分は場所を取ってしまいます。ゆとりのあるクローゼットならいいのですが、そうではない場合は、ダウン専用の引き出し収納がおすすめです。
ダウンは、袖を畳んでから二つ折りにする程度にふんわりと畳めば、広げたときにシワも気になりません。その状態よりも少し小さめの引き出しに、空気を押し出しながら収納します。着用するときはすぐに元に戻るので便利です。ダウンでクローゼットが圧迫されてしまうという人はぜひ試してみてください」
アウターはコーディネートの最後にプラスするアイテムです。それだけを見てときめくデザインを選ぶのではなく、中に着るトップスの色やボトムスとのバランスを考えて選ぶことが大切です。
◆教えてくれたのは:パーソナルスタイリスト・杉山律子さん

一般社団法人スタイリストマスター認定協会代表。映画や広告、音楽業界など幅広い分野でスタイリストとして活躍後、結婚・出産を経て、2016年よりパーソナルスタイリストとして活動開始。顔立ちや体型、内面からのぞく雰囲気に合わせた「一番、素敵に見えるスタイル」の提案に定評がある。著書に『手持ちの服でなんとかなります』(サンマーク出版)などがある。https://ameblo.jp/stylejiyugaoka719
取材・文/青山貴子