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夫婦関係をこじらせる人のLINEの文面の共通点 夫婦問題研究家が円滑なメッセージの送り方を指南する

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LINEを使った夫婦改善法をプロがアドバイス(Ph/photoAC)
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長い時間をともに過ごす夫婦であれば、意見が合わずに揉めることもあるでしょう。話し合うにも、忙しくて時間が取れないなどで、気まずい状態が続くことも…。そこで『夫婦がベストパートナーに変わる77の魔法』(サンマーク出版)を上梓した岡野あつこさんに、LINEを使った“夫婦改善”のポイントを、実例を交えて教わりました。

相手の反応に翻弄されすぎない

LINEはスマートフォンさえ持っていれば、いつでもどこからでも連絡できる、便利なコミュニケーションツールの1つです。スタンプなどを上手に使えば深刻な内容も緩和でき、相手が読んだのかどうかも確認できます。ただし、やりすぎは禁物だと岡野さんは注意します。

「私のところに相談にきたKさんは夫とケンカをして以来、口をきいてもらえなくなったと悩んでいました。そこでLINEの出番なのですが、“メッセージを送っても既読スルーされる”“3日経っても返事がない”とオロオロしています。しかし、夫の反応に一喜一憂してはいけません」(岡野さん・以下同)

LINEでやり取りする際の心得

夫とLINEでやり取りする際には、心得があるそうです。

「女性同士では既読スルーはご法度かもしれませんが、男性の中には既読した時点で“わかった”と意思表示をしたつもりになる人がいます。また、忙しければメッセージを確認できないことも、返事を後回しにすることもあります。

大切なのは、相手の反応に翻弄されすぎないこと。夫婦なのですから、対等な立場のはずです。既読になっているのなら、淡々と伝えるべきことを伝え続けていれば、信念の表れとなって相手に伝わります」

スーツを着た男性がスマホを操作している
既読が意思表示と思っている男性もいる(Ph/photoAC)
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夫婦関係を円滑にするカギは“相手都合”

なぜ夫から返事がこないのだろうと何度もメッセージを入れると、逆効果になることもあります。

「夫婦関係が悪化してしまう人の文面には、ある共通点があります。それは、自分都合で相手にメッセージを送ることです。相手の都合も顧みず何度も連絡をして、“早く返事をしてよ”と催促までしては、相手をウンザリさせてしまいます。

重要なのは、“相手都合”に徹することです。お願いをしたいのならば“お仕事お疲れさまです”“いつも家族のために頑張ってくれてありがとう”と相手をねぎらうところから入らなければ、素直に受け止めてもらえません。そのうえで、なにを伝えたいか明確にします」

スマホと女性
LINEで重要なのは相手都合に徹すること。催促はNG!(Ph/photoAC)
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LINEでも直接話し合うにしても、自分ならどう思うだろう?と相手の立場になって想像することが大切です。「夫婦だからいいや」と気を抜いてはいけません。夫婦は生まれも育ちも違う、一番近い他人なのです。

メッセージを送る際には名女優になりきる

夫にLINEを送る際に、どれだけ表現に気を配っているでしょうか? たった一言が仇となり相手を怒らせてしまうこともありますし、小さなミスが積もり積もって、気づいたら心が離れてしまっている、ということにもなりかねません。

フレーミング効果を活用する

「Sさんは夫に“昔はもっとかわいい女だったのに”と言われて悩んでいました。LINEを見せてもらうと、旦那さんとのこんなやりとりが気になりました」

Sさん「今日、何時に帰ってくる?」

夫「1時」

Sさん「遅いやん!」

「Sさんは“寂しいから早く帰ってきて”という思いから“遅いやん!”と書いたのですが、そのメッセ―ジを受け取った人はどんな感情を抱くでしょうか? 仕事を頑張っているのに、責められている気分になるかもしれません。

勘違いをされないように、“お仕事お疲れさま。寂しいから、なるべく早く帰って来てね”と素直に伝えるだけで、相手に与える印象が違ってきます。こうした心理現象を“フレーミング効果”といいます。

照れくさくて口にはできなくても、LINEでなら伝えられるはずです。素敵な女性ならどう伝えるだろうか?とセリフを考えるのです。メッセージを送る際には、名女優になりましょう」

スマホを操作している女性
夫にLINEをする時は名女優になりきって送る言葉を考えよう(Ph/photoAC)
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要件がなくても、簡単に気持ちを伝えられるのがLINEのメリット。気になることがあれば、さらりと尋ねることもできます。

「顔色がよくなかった、機嫌が悪そうだった、と気づいた時に“体調大丈夫?”“怒っているように見えたけど私なにかしたかな?心配だよ”と気遣えば、大事になる前に対処できます。

また、わざわざ言うほどのことでもないと思うようなことでも、“嬉しかったよ”“ありがとう”“バタバタして朝のあいさつができなくてごめんね”とメッセージを送ることで、既読スルーだったとしても気持ちは伝わり、良好な夫婦関係を保つことができるのです」

◆教えてくれたのは:夫婦問題研究家・パートナーシップアドバイザー・岡野あつこさん

夫婦問題研究家・パートナーシップアドバイザー・岡野あつこさん
夫婦問題研究家・パートナーシップアドバイザー・岡野あつこさん
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1954年8月5日生まれ。埼玉県出身。36歳で起業し、自身の離婚経験を生かして結婚・離婚・再婚相談事業を開始。32年間のカウンセリングにおいて、3万8000件以上の相談を受ける。カウンセラーを育成する岡野あつこのライフアップスクールでは、約2200名の卒業生を輩出。テレビ・ラジオ・講演など幅広く活動し、YouTube岡野あつこチャンネルも好評。2022年9月に『夫婦がベストパートナーに変わる77の魔法』(サンマーク出版)を出版。https://rikon.biz/

取材・文/小山内麗香

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