健康・医療

つらい花粉症はどう乗り越える? 薬に頼らない対策をYouTube登録者60万人超「ドクターハッシー」が解説

花粉症イメージ
“10年に一度レベル”と言われている今年の花粉、どう乗り越えればいいのか(Ph/photoAC)
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花粉症の季節がやってきました。九州から関東甲信にかけては昨年より飛散量が多い見込みで、鼻水やくしゃみ、目のかゆみなどの症状が例年より重くなる可能性があります。快適な春を過ごすために、花粉症の症状を和らげる方法を登録者数60万人を超えるYouTubeチャンネルで人気のドクターハッシーこと内科医の橋本将吉さんに聞きました。

なぜ春に花粉症が起こるのか

花粉症の原因は、春先から夏にかけて風に乗って広がったスギやヒノキの花粉が体に取り込まれ、アレルギー反応が起こることにあります。花粉のほかにも、この時期は偏西風に乗って大陸から黄砂やPM2.5が日本に飛来しやすくなることも、アレルギーの要因となります。

黄砂やPM2.5イメージ
花粉以外に黄砂やPM2.5の影響もある(Ph/photoAC)
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「花粉にしても黄砂にしても、アレルギー症状のメカニズムは変わりません。体内に入った異物を排除しようと免疫反応が起きて、くしゃみや目のかゆみといった花粉症特有の症状があらわれます。本来はウイルスや細菌から体を守ってくれる“免疫”ですが、過剰に反応してしまって、鼻水や目の充血などの困った症状を起こしてしまうのです」(橋本さん・以下同)

目のかゆみや鼻水の理由

なぜ花粉症になると、目のかゆみや鼻水が出るのでしょうか。

「白血球の中にある肥満細胞が花粉などのアレルギー物質に触れると、かゆみを引き起こす物質であるヒスタミンを分泌し、アレルギー物質を体外に排出しようとします。このヒスタミンが神経や血管を刺激することで、鼻水やくしゃみなどのアレルギー反応を引き起こすのです」

鼻水
鼻水やくしゃみが出るのはかゆみを引き起こすヒスタミンが原因(Ph/photoAC)
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ダニやホコリなどがアレルギーの原因となり、季節を問わない「通年性アレルギー性鼻炎」もあります。こちらはカーペットや寝具など、室内を清潔に保つことで、症状が緩和することがあります。

薬に頼らない花粉症の予防法や症状の緩和策

花粉症の薬として、かゆみの原因物質であるヒスタミンをブロックする「抗ヒスタミン薬」があります。アレルギー症状が強いときには心強い味方になりますが、薬である限り副作用は避けられません。代表的な副作用として、眠気があります。

「薬に頼らない花粉症の予防法や症状の緩和策はいくつもあります。まずは花粉を体内に取り込まないこと。肌にフィットするマスクをして、手を洗う前に目や鼻に触らない。新型コロナウイルス対策ですでに身についているかもしれませんが、花粉にも有効です。メガネをすることでも、多少ですが花粉をガードできます。

服はツルツルとした素材のほうが、花粉の付着を減らせます。外から帰宅した時には、コートを玄関前で払って花粉を落とす。可能ならば上着を脱いで洗濯機に入れ、すぐに洗顔、手洗いうがいをします。洗濯物は室内干しにして、窓を開けずに空気洗浄機を利用する。このように、徹底して室内に花粉を入れないようにします」

部屋のイメージ
室内に花粉を入れないことを徹底する(Ph/photoAC)
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