女優・大塚寧々さんが、日々の暮らしの中で感じたことを気ままにゆるっと綴る連載エッセイ「ネネノクラシ」。第46回は、寧々さんの「ずっと続けていること」について。
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ずっと続けている事ってなんだろう。今だと7年続ける太極拳だろうか。後は学生のころからやっている写真。太極拳は、この間交流会があったので、ほぼ毎日練習していた。24式、32式剣、42式剣、孫式、総合太極拳、推手、八方五歩…覚える事も、たくさんある。本当に学校の部活みたいだった。いや、部活よりもやっていた気がする。朝は皆さんに教えてもらいながら自主練もしていた。もはや友達よりも会っている。
厳しくもあるが、何かにここまで夢中になるのは楽しい。多分好きだから、続けていられるのだと思う。形を覚えることもそうだが、呼吸や体重の乗せ方のバランスが本当に奥が深くて、難しくうう~と唸ってしまう。そういえば漫画もお借りした! そして次の方に回す! 本当に学生の時みたいだ。 それも『拳児』(原作 松田隆智さん・作画 藤原芳秀さん)、夢中になって夜中まで読んでしまった。
非常に興味深い! 思わず私も買って手元に置いておきたいな~と思ったら、もう売っていなかった。中古で探すか悩み中だ。
「奥が深い」写真
そして写真。最近は以前ほど撮っていないのだが、もうちょっと向き合ってみたいなとこの頃よく思う。写真も、撮った人の感性が本当によく見えるなと思う。同じ場所に行っていても、後から写真を見ると友達と全然違っていて面白い。まるで違う場所みたいだ。もちろんカメラの機種でも変わるし、レンズでも変わるし、露出でも変わる。私は広角レンズも好きだが、マクロレンズがすごく好きだ。近い距離で撮れるレンズなのに、逆に世界がどんどん広がっていくような感じがするところがたまらなく魅力的だ。
そして構図。何を画角の中に入れて、何を切り取るのかで世界観が変わる。ぱっと撮った写真と、じっくり向き合って撮った写真も違う。写真も奥が深い。
最近は華道もやってみたい。子供の頃祖父母の家でちょっとやらせてもらっていたが、あの剣山に花を刺すときの向き合う感じが子供心に好きだった。
そして花を活けるときの独特の花や枝の匂いが、私は大好きだった。子供だったのに、すごく落ち着くと思ったのを覚えている。自分が年齢を重ねても、細々とでも続けられる事があるのは、楽しいだろうなと思う。継続は力なり 頑張ろう!
◆文・大塚寧々(おおつか・ねね)
1968年6月14日生まれ。東京都出身。日本大学藝術学部写真学科卒業。『HERO』、『Dr.コトー診療所』、『おっさんずラブ』など数々の話題作に出演。2002年、映画『笑う蛙』などで第24回ヨコハマ映画祭助演女優賞、第57回毎日映画コンクール主演女優賞受賞。写真、陶芸、書道などにも造詣が深い。夫は俳優の田辺誠一。一児の母。出演映画『Dr.コトー診療所現在』が公開中。