高血圧が気になる人に役立つ食材&栄養素
高血圧が気になる人が意識して摂りたい栄養素は、塩分(ナトリウム)の排出を促す働きがある「カリウム」です。減塩を心がけるとともに、カリウムを積極的に摂取することで血圧の安定につながり高血圧の改善に役立ちます。
グリーンカール、グリーンリーフとも呼ばれるレタスの一種であるリーフレタスはカリウムを多く含み、5~7月に出荷量が増える今が旬の野菜です。シャキッとした食感でほのかな苦味がありますが、クセは強くなく食べやすい食材です。
カリウムは水に流れやすい性質があります。切り口からカリウムが流出するのを抑えるために、水洗いしてからカットするようにしましょう。
スープにするとカサが減って量を多く食べられるだけでなく、カリウムが流れ出た汁ごと摂取できるので効率的です。
スープの具には、肉や魚、きのこなどのうま味の強い食材を選ぶと、塩分を控えめにしても満足感が得られやすくなります。また、汁少なめの具だくさんスープにし、調味料を減らすことで、減塩しやすくなります。
高血圧には漢方薬も選択肢のひとつ
高血圧の対策には漢方薬も選択肢のひとつです。漢方薬は「高血圧症」の症状に効果が認められており、内科などで処方されています。また、のぼせや肩こり、頭痛、便秘などの高血圧にともなう症状を和らげることにも使われます。
高血圧の原因は生活習慣の他にも、加齢や血行不良、ストレスによる自律神経の乱れにあると考えられています。そこで、高血圧の改善には「血圧降下作用」で血圧を下げる働きの他に、「血流をよくして全身に酸素や栄養を行き渡らせる」「加齢によるホルモンバランスの乱れを整える」「ストレスで乱れた自律神経を整える」などの働きがある生薬を含む漢方薬を体質に合わせて選びます。
漢方薬は根本的な体質改善を得意としているので、血圧の数値を下げるだけでなく、高血圧や動脈硬化になりにくい体づくりに役立てることもできます。
高血圧が気になる人へ試してもらいたい漢方薬
・七物降下湯(しちもつこうかとう)
体力が中等度以下の人に向いており、「血(けつ)」(栄養)を補って血液循環を改善することで血圧を降下させる漢方薬です。
・大柴胡湯(だいさいことう)
比較的体力がある人に向いており、「気(き)」(エネルギー)の巡りをよくすることで自律神経のバランスを整え、血圧を降下させる漢方薬です。
漢方薬を始めるときの注意点
漢方薬は食事の工夫などでは不調が改善しなかった人でも、効果を感じる場合が多くあります。
ただし、漢方薬はその人の体質に合っていないと、よい効果が見込めないだけでなく、副作用が起こることもあります。自分に合う漢方薬を見つけるために、服用の際は漢方に詳しい医師や薬剤師に相談するのが安心です。
◆教えてくれたのは:管理栄養士・小原水月さん
おはら・みづき。管理栄養士。ダイエット合宿所、特定保健検診の業務に携わりのべ600人以上の食事と生活習慣をサポート。自身が漢方薬を使用して体調回復した経験から、栄養学と漢方を合わせたサポートを得意とする。あんしん漢方(https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/)などで執筆中。