ネット主流の時代になっても、家電などの生活必需品が変わっても、変わらず家にはペットがいて私たちを支えてくれます。SNSが定着してからは、ペットの画像や動画を飼い主が投稿。その姿は、不特定多数の人々の心を癒やしていますよね。なかでも猫の人気は高く、出版不況の現代でも“猫雑誌”には手が伸びる人が多数。この春には生活情報誌『天然生活』が、ムック『天然ねこ生活』（ともに扶桑社）を発売しました。
雑誌の特色を活かしたアプローチ
猫の育て方や健康など、猫に関するあらゆる情報を届ける月刊誌もありますが、『AERA』の『NyAERA』、『anan』の『にゃんこLOVE』、『BRUTUS』の『猫だもの。』『リンネル』の『にゃんネル』など、専門ジャンルの異なる雑誌が別冊ムックとして刊行するのも近年の傾向です。どれも、歴史とブランド力のある雑誌だからこそなせるわざ。編集部の人脈を活かしたタレント人選や企画、クオリティの高い猫グラビアなど、それぞれの雑誌の特色を活かした内容となっています。
『天然生活』もその一つ。特に同誌の場合は生活情報誌ということもあり、猫との“生活”を取り上げるのはお手の物。著名人の自宅で撮影したグラビアには温かみがあり、見ているだけでほっこりします。一人の写真家が撮影する写真集とは違い、いろんな質感の写真を一冊で楽しめるのも良いところですね。
まるで絵画のような猫グラビアの数々
『天然ねこ生活』には、猫と楽しく暮らす著名人たちの生活スタイル紹介や、猫エッセイ、猫モチーフのお菓子レビュー、レシピ紹介など盛りだくさんですが、やはり巻頭特集のグラビアは見応え十分です。
巻頭に登場するデザイナー・谷ヒュンスクさんの自宅でのグラビアは、おしゃれなインテリアの中で戯れる猫たちの姿がとにかく“画”になります。茶トラのチャイと谷さんの写真は、大きな窓からたっぷりと日が差し込み、まるで絵画のよう。また本棚ではチャイも棚の中にはいってインテリアの一部に。
もう一匹の愛猫、キジトラのカカオは警戒心が強め。誌面には、ひとりで写っている写真も収められていました。ともあれ家の中を散歩して見せ場を作ったり、おしゃれな背景の前でシャッターチャンスを提供してくれたりするところは、見事！
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◆プロフィール
谷ヒュンスク 韓国出身で、鞄ブランド「BOTTE」のデザイナーを務める。また現在はインテリア・雑貨のオンラインショップ「オルネ ド フォイユ」内にある猫アイテム専用カテゴリ「オルネコ」で、布ものの企画を担当している。https://www.ornedefeuilles.com/collections/orneko