
年を重ねるほど、気になる白髪。染めてもすぐ目立ってきたりと、悩みはけっこう多いもの。そこで、年齢による髪悩みを解決するさまざまなテクニックを紹介している『女の年齢は髪で決まる』(扶桑社)を共著で出版し、4万人の髪の悩みに答えてきた“髪のスペシャリスト”ヘアライター・佐藤友美(さとゆみ)さん、人気ヘアサロン「MINX」のトップ美容師であるヘアスタイリスト・八木花子さんに白髪染めの悩みの解決法を聞きました。
白髪は抜くのは絶対ダメ!
白髪を見つけたらどうすればいいのでしょうか。さとゆみさんは、「まず、抜くのは絶対ダメ!」と言います。
「白髪に限らず、髪を抜くと毛穴を傷めてしまう可能性があります。そうするとその毛穴から毛が生えなくなったり、細い毛しか生えなくなるので要注意。いちばんいいのは、白髪を根元付近からハサミでカットすること。眉毛用などの小さいハサミを使うのがよいでしょう」(さとゆみさん・以下同)

カット以外にも白髪への対応方法はあるそう。
「最近は伸びてきた白髪の根元を、マスカラや髪用のファンデーションで目立ちにくくする商品も増えています。シャンプーをすると落ちるので、出かける前に、気軽に使えます。染めるわけではないので、髪にダメージがないのも◎。また、白髪予防のために、普段から頭皮の血行をよくしておきましょう。頭皮用のエッセンスをつけて指の腹で頭皮をマッサージしたり、頭皮用のマッサージブラシを使うのもおすすめです」

白髪は隠さずにぼかすべき
最近インスタグラムなどSNSで話題なのが「脱白髪染め」と「白髪ぼかし」のハッシュタグ。これは、白髪を真っ黒に染めるのではなく、むしろ明るい髪にして白髪を目立たなくしようというデザインカラーの提案のこと。
「最近よく言われる『脱白髪染め』や『白髪ぼかし』は『白髪染め(グレイカラー)』を使わない方法を指します。黒い画用紙に白いクレヨンで線を引くと目立つけれど、ベージュの画用紙に白いクレヨンで線を引いた場合は目立ちません。同じようにベースの色を明るくして、ハイライトなどを入れれば、白髪も断然目立ちにくくなります」

八木さんはブリーチを使った方法を提案します。
「白髪を一度ブリーチすると、普通の髪と同じようにいろんな色が入ります。明るい色にもできますよ。とくにハイライトを入れる施術が人気。細かく分け取ったハイライト部分だけブリーチしたあとに、全体をオシャレ染めで染める施術です。ブリーチされた白髪は染まり、ブリーチされなかった白髪も全体が明るいからあまり目立たなくなるんです」(八木さん)
ハイライトは、毛束を縫うようにとったらいいそう。

「分け取った部分だけ、アルミホイルの上に置きブリーチします。この作業で、髪の表面全体に、明るくなる細い毛束がたくさんできます。明るい毛束をつくって白髪を目立たなくすることもできますし、さらに上からオシャレ染めをのせてブリーチされた白髪も染めることもできます」(八木さん)


さとゆみさんも「全体を白髪染めで染めるよりも、透明感があっていい」とおすすめします。
白髪染めラスト1週間を乗りきるワザ「分け目ぼかし」
美容院に行けないときに、いちばん気になるのは、カラーリング。とくに、白髪が目立ってくると、気持ちも落ちやすくなります。そこで「次に美容院に行くまでの間、できるだけ白髪を目立たせなくする方法」があるといいます。
「伸びてきた白髪が目立ちやすいのは、分け目の部分。その分け目をはっきりつけてしまうと、白髪だけでなく根元のプリンも目立ってしまいます。次の美容院までのラスト1週間、分け目を見せないスタイリングしましょう」(さとゆみさん)


分け目を「見せない」というのは、つまり、分け目を「ぼかす」ということ。
「分け目をジグザグにとって、根元を見せないようにすれば、白髪が目立ちにくくなります。分け目をジグザグにとる方法は2つ。ひとつは、指を使ってジグザグにする方法。もうひとつは、コームの柄の部分を使ってジグザグにする方法です。どちらでもいいので、ご自身がやりやすい方法でやってみてください」(八木さん)


ジグザグにラインをとると、下の写真のような感じに。根元が見えにくくなり、白髪も目立ちにくくなります。

「これだけではすぐに元の分け目に戻ってしまうという人は、キープスプレーをかけてキープするといいですよ。

これをするだけで、前から見たときの白髪の目立ち具合が全然違います。白髪だけではなく、薄毛が気になる場合もおすすめです。分け目をぼかすことでトップのボリュームがアップして、目立ちにくくすることができます」(八木さん)
◆ヘアライター&エディター・佐藤友美(さとゆみ)さん&ヘアスタイリスト・八木花子さん(MINX)

佐藤友美さん/1976年、北海道知床半島生まれ。日本初のヘアライター&エディター。「美容師以上に髪の見せ方を知っている」とプロも認める存在。⻭切れのいい解説で、『あさイチ』(NHK)、『ヒルナンデス!』(日本テレビ系)、『ZIP!』(日本テレビ系)をはじめ、テレビ、ラジオ番組などで活躍。著書にベストセラーとなった『女の運命は髪で変わる』(サンマーク出版)、『髪のこと、これで、ぜんぶ。』(かんき出版)などがある。5月、八木花子さんとの共著『女の年齢は髪で決まる』が出版。
八木花子さん/1979年、静岡県藤枝市生まれ。ヘアサロン「MINX ginza」所属。「KAMI CHARISMA」受賞者。手入れが簡単で、個性を引き出すヘアスタイルが得意。悩める大人女性へのアドバイスが適切で、MINXの中でも絶大な人気を誇る。テレビや雑誌など、メディアでも活躍中。
写真/林絋輝