できるだけ控除の枠を活用してお金のやり取りを
子どもに多くの財産を渡すのであれば、贈与税の暦年課税の年間110万円枠を使いながら、死亡後の相続財産を減らしておくのがいいでしょう。また、教育資金や住宅取得のための資金など、非課税枠のある制度もあります。数年で終了予定の制度もありますが、また新しい制度が作られる可能性もあるので、制度を確認しながら計画的に贈与するのがおすすめです。
また、相続の際は、プラスの財産だけなく、借金などのマイナス財産も同時に相続することになります。つまり、マイナスの財産を相続放棄して、プラスの資産だけを相続することはできませんので注意しましょう。マイナス財産がある場合は、一切の財産を受け取ることができない「相続放棄」もしくは相続財産の範囲内で借金などを負う「限定承認」があります。
相続は日ごろから財産状況がわかるように、財産目録を作ったりエンディングノートに記録するなど、相続人が困らないように情報をまとめておくとよいでしょう。
◆教えてくれたのは:節約アドバイザー・丸山晴美さん
節約アドバイザー。ファイナンシャルプランナー。22歳で節約に目覚め、1年間で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニの店長などを経て、2001年に節約アドバイザーとして独立。ファイナンシャルプランナー(AFP)、消費生活アドバイザー、宅地建物主任士(登録)、認定心理士などの様々な資格を持ち、ライフプランを見据えたお金の管理運用のアドバイスなどをテレビやラジオ、雑誌、講演などで行っている。https://www.maruyama-harumi.com/
構成/吉田可奈