健康・医療

夏に増えるお酒を飲む機会 二日酔い&ドカ食い対策に「牛乳」「野菜ジュース」「枝豆」

コップに入れられた牛乳
牛乳やヨーグルトなどの乳製品は、胃でのアルコール吸収を遅らせてくれる(Ph/イメージマート)
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日が長く、夜でも気温の高い夏は飲み会や晩酌の機会も増えます。お酒を飲むと食べすぎてしまう人や、お酒の糖質を気にする人、二日酔いを懸念する人もいるはず。そこで、『国内最大級の食事管理アプリ『あすけん』公式 結局、これを食べるが勝ち 』(ワニブックス)を出版した管理栄養士・道江美貴子さんに、お酒との上手な付き合い方を教えてもらいました。

飲む前に牛乳をクイッと1杯、がアルコール代謝をサポート

お酒を飲む機会が増えるからこそ、二日酔いや食べ過ぎは避けたいところ。簡単にできる対策を道江さんにうかがいました。

「牛乳やヨーグルトなどの乳製品は、胃の粘膜を守るので、胃でのアルコール吸収を遅らせてくれます。逆に空腹でお酒を飲むと、アルコールの吸収が早くなり、悪酔いしやすいので注意してください。なので、牛乳やヨーグルトドリンクで小腹を満たしておくといいでしょう」(道江さん・以下同)

牛乳は二日酔い対策にも有効

さらに牛乳は二日酔い防止にもひと役買ってくれるそうです。

「乳製品に豊富なたんぱく質(アミノ酸)には、肝臓のアルコール代謝を助ける作用もあるんです。そもそもアルコールは、体内にはいると胃から20%、小腸から80%が吸収され、肝臓で代謝されます。このときに、アセトアルデヒドという毒素が生まれ、それがさらに酵素によって分解されます。ここで分解が追いつかないとアセトアルデヒドが体内に停滞し、悪酔いや二日酔いを引き起こすのです」

おつまみのチョイス、水分補給も不可欠

おつまみでのたんぱく質補給や水分補給をすることも大切だそう。

皿に盛られた枝豆
たんぱく質補給に枝豆や冷奴がおすすめ(Ph/イメージマート)
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「飲む前だけでなく、飲んでいる最中にもたんぱく質を摂ると、アミノ酸が肝臓でのアルコール分解をサポートしてくれます。ビタミンB1、ナイアシン、亜鉛もアルコール代謝を助けるので、おつまみの定番の枝豆や冷奴はぜひとるようにしてください。

また、水分をたくさんとることも大切。お酒を2杯飲んだら水や烏龍茶を、日本酒のように度数が高いお酒のときはチェイサーで水分補給をしましょう」

お酒による食べ過ぎには飲む前の「野菜ジュース」を

お酒を飲むと、満腹中枢が麻痺して食べ過ぎになりがちな人も多いはず。

野菜ジュースが入った瓶が4本並んでいる
飲む前に食物繊維が豊富な野菜ジュースを飲んで、食後の血糖値を上がりにくくするのも有効(Ph/イメージマート)
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「飲む前に食物繊維が豊富な野菜ジュースやファイバー飲料を飲んで、食後の血糖値を上がりにくくするセカンドミール効果を狙うのも有効です」

糖質を気にするなら「とりあえずビール」のあとは生レモンサワーに

お酒と言うと気になるのが糖質。夏はビールが進むという人も多いかもしれませんが、糖質を控えるなら2杯目以降は何がいいのでしょうか。

コップに入った生レモンサワー
生レモンサワーや生グレープフルーツサワーは、アセトアルデヒドの分解を促すビタミンCも一緒に摂れるので一石二鳥(Ph/イメージマート)
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「ビールは、ワインや日本酒と同じ醸造酒に分類されます。醸造酒とは、米や麦などの穀物や果物を酵母で発酵したもの。この醸造酒の中でもビールは糖質量が多いです。お酒は製造方法によって含まれる糖質量も異なります。糖質の少ない順に並べると、蒸留酒→醸造酒→混成酒となります。蒸留酒は、焼酎やウイスキー、ジン、ウォッカ、ブランデーなど。なので、2杯目以降は、ヘルシーな蒸留酒を割って薄めたものを選ぶのが正解。

焼酎やウイスキーをノンシュガー飲料で割った、ウーロンハイやハイボールなどのお酒は糖質量も少なく、比較的安心して楽しむことができます。また生レモンサワーや生グレープフルーツサワーは、アセトアルデヒドの分解を促すビタミンCも一緒に摂れるので一石二鳥です」

◆教えてくれたのは:食事管理アプリ『あすけん』管理栄養士・道江美貴子さん

食事管理アプリ『あすけん』管理栄養士の道江美貴子さん
食事管理アプリ『あすけん』管理栄養士の道江美貴子さん
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女子栄養大学栄養学部卒業後、大手フードサービス企業に入社。100社以上の企業で健康アドバイザーを務め、食事管理アプリ『あすけん』の企画・コンテンツ制作・開発管理などに携わる。現在、株式会社asken取締役としてあすけん事業統括責任者を務める。近著に『国内最大級の食事管理アプリ『あすけん』公式 結局、これを食べるが勝ち』(ワニブックス)がある。『あすけん』公式サイトhttps://www.asken.jp/

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