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糖質も摂り方次第でOK!「実はダイエットに効果的」な食べ物 1年で24kgのダイエット専門家が指南

バナナヨーグルト
果糖の多いフルーツも選び方がカギ(Ph/イメージマート)
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ダイエットにいいとされている食べ物でも摂り方を間違うと逆効果になったり、逆にダイエットによくないとされている食べ物でも摂取の仕方によってはプラスの効果をもたらすことも。今回は体重78kgから1年間で24kgのダイエットに成功、その後、トータルダイエットカウンセラーとして活動し現在ヘルスフードサイエンス研究家として活動中の大西ひとみさんに、ダイエットに役立つ効果的な食べ物のとり方について教えていただきます。

24㎏減量に成功した大西ひとみさん
24kg減量に成功した大西ひとみさん
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「ストレスはダイエットの大敵」と言われる所以

まず、ダイエットとストレスの関係性を知っておきましょう。私たちの体はストレスがかかると、コルチゾールというホルモンが分泌されます。コルチゾールは精神的なストレスがかかった場合や筋トレなどで肉体的なストレスがかかった場合に分泌されるホルモンですが、これがなんといってもダイエットの大敵なのです。

コルチゾールの特徴

コルチゾールがどうしてダイエットの大敵と言われるのかーー以下にその特徴をまとめます。

【1】肉体的、精神的なストレスがかかった時に分泌される

【2】血糖値を高める作用があり、血糖値の上昇によってインスリンが分泌されて体内に脂肪がつきやすくなる

【3】筋肉を分解してアミノ酸にして血糖値を上げるため、筋肉量が減る

【4】脂肪を合成する酵素を活発化する際、その働きは主に腹部で起こることから、お腹周りに脂肪がつきやすくなる

「ストレスホルモン」とも言われているコルチゾールは体に悪影響を及ぼすホルモンとして知られていますが、このコルチゾールが分泌されると、上記のとおり血糖値が上がり、大量のインスリンが分泌され体内に脂肪がつきやすくなります。それだけではなく、筋肉を分解してアミノ酸にしたり、乳酸やグリセロールを材料にして糖新生(糖以外の物質からグルコース<エネルギー源>を作り出すこと)を起こしたりします。つまり、コルチゾールが分泌されることにより、脂肪が蓄積されやすくなるだけでなく、筋肉量が減ってしまうのです。

女性のお腹
コルチゾールは、主にお腹周りで活性化される、脂肪を合成する酵素を活発にさせる(Ph/イメージマート)
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コルチゾールは、主にお腹周りで活性化される、脂肪を合成する酵素を活発にさせます。そうなることで、お腹周りに脂肪がつきやすくなります。また、筋肉量が減ってしまうことにより代謝が下がってしまい、痩せにくい体質になってしまうのです。

ダイエットの結果がなかなか出ない人は…

ダイエットの結果がなかなか出ない人は、以下の項目が当てはまらないか振り返ってみてください。ひとつでも当てはまったら、少し意識して行動するだけでも効果が違ってくる可能性がありますよ。

・長時間の過度なトレーニングをしている
・過度な空腹状態が続くことが多い
・睡眠不足や不規則な生活リズムになっている
・過度な緊張や精神不安の状態にある

これらは精神的・肉体的にストレスをかけるものですので、ダイエットにはNG! くれぐれも気をつけてくださいね。

ストレスを軽減する食べ物がある

ストレスがなぜダイエットに良くないのかを頭で理解しても、生活習慣の改善はなかなか難しいもの。けれども食べ物の摂取でもコルチゾールの分泌量を減らすことができます。

カフェイン

カフェインの健康・ダイエット効果については賛否両論ありますが、カフェインを摂取することで一時的にコルチゾールの分泌量が減ることがわかっています。トレーニングをしてダイエット効果をより得たいのであれば、トレーニング前、トレーニング中にカフェインが含まれるカロリーほぼ0のコーヒーや、お茶、紅茶などの飲み物を摂取するのも一つの選択肢です。効果が期待できるカフェインの摂取量は1回につき150mg程度が目安です。

アイスコーヒー
効果が期待できるカフェインの摂取量は1回につき150mg程度(Ph/イメージマート)
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フルーツ

フルールに含まれる果糖はダイエットによくないからと食べないようにしている人がいるかもしれませんが、ストレスの軽減には、バナナやキウイが効果的と言われています。

ストレスがかかったり、気分が落ち込んだりしがちなときは、脳内分泌ホルモンであるセラトニン(別名「幸せホルモン」)の分泌量が減りやすくなることがわかっています。バナナやキウイは、セラトニンの分泌を促してくれる作用が期待できます。

また、バナナやキウイに豊富なビタミンCは、セラトニン、アドレナリン、オキシトシンなどの気分を上げるホルモンの分泌を増やす作用があることがわかっています。

豆乳は食べ合わせに注意! たんぱく質補給なら単体摂取がおすすめ

美容や健康、ダイエットの強い味方と言われている豆乳は、摂取の仕方に注意が必要。豆乳は、肉や魚、卵などのたんぱく質と一緒に摂取すると、たんぱく質の吸収力を下げることがわかっています。大豆には、トリプシンインヒビターという酵素が含まれています。摂取したたんぱく質は、アミノ酸まで分解されて筋肉や体内の細胞に運ばれていきます。

このときたんぱく質分解の過程で重要な役割を果たすのが、膵臓から分泌されるトリプシンという酵素です。このトリプシンの働きを邪魔する物質がトリプシンインヒビターで、大豆にはこれが多く含まれていることから大豆と一緒にたんぱく質を摂取すると、たんぱく質の吸収力を下げてしまうのです。

豆乳
豆乳は食べ合わせに注意!(Ph/イメージマート)
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トリプシンインヒビターは加熱することで活性レベルが低くなることがわかっています。豆乳には納豆や豆腐などの大豆加工食品に比べてトリプシンインヒビターが多く含まれているので、1日のたんぱく質摂取量が少ないと思った日は特に豆乳鍋や、豆乳入りプロテインドリンクなどを控えるほうがよりダイエット効果が上がると思います。

筋トレ後は必ず糖質を!

ダイエット中はできるだけ敬遠されがちな糖質ですが、たんぱく質と一緒に摂取することでより効率よくたんぱく質が体内で吸収できるようになります。ですから、筋力トレーニング後はたんぱく質単体で摂取せず、糖質とたんぱく質を一緒に摂取するほうが、より効率よくたんぱく質が体内に吸収されるので、代謝アップにつながり、ダイエット効果が得られるのです。

糖質とたんぱく質というと、おにぎり+ステーキなど想像するかもしれませんが、これらを毎回用意するのも大変です。そこで、栄養吸収の早い、バナナ+飲むヨーグルトといった組み合わせでもOKですので、ぜひ意識してみてくださいね。

いかがでしたか? ダイエットによくないと思われがちな食材でも、摂取するタイミングや摂取する組み合わせ、体の状態によってはダイエット効果をアップしてくれたり、逆にダイエットによいと思っていた食材がマイナス効果につながったりします。

ダイエットのために大好きなものをひたすら我慢するのではなく、大好きな食材をタイミングよく摂取すれば逆にダイエット効果アップにつながることもあるので、うまく活用してストレスなくダイエットを続けましょう!

◆教えてくれたのは:ヘルスフードサイエンス研究家・大西ひとみさん

ヘルスフードサイエンス研究家・大西ひとみさん
ヘルスフードサイエンス研究家・大西ひとみさん
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9年間、米ロサンゼルスでパーソナルトレーナーとして活動後帰国。トータルダイエットカウンセラーとして7冊の本を出版、ダイエット商品・食品の商品開発の監修などをはじめさまざまなメディアで活動。2017年に自身のギルトフリースイーツブランド「h+diet(エイチプラスダイエット)」(https://h-plusdiet.com/)を立ち上げ、現在は東京・武蔵小山で『h+diet laboratory』をオープン。野菜を使い、甘味料・人工甘味料不使用、グルテンフリーの「栄養学から考えるオーガニックスイーツ」を販売、他社の商品監修などに携わるなどヘルスフードサイエンス研究家としても活動。

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