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薄井シンシアさんの仕事術「会社のツールはすべて使う」ホテル勤務時代に実践した チャペルの意外な活用アイディア

薄井シンシア
薄井シンシアさんが効率よく働くために意識していることとは?
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17年間の専業主婦を経た薄井シンシアさん(64歳)は、娘が大学に入学するタイミングで再就職。食堂のスタッフから始まったキャリアは2022年に外資系企業の正社員にたどり着きました。そんなシンシアさんが効率よく働くために意識していることとは? 全3回にわたってご紹介する最終回は、ランチタイムまで活用する「シンシア流仕事術」を聞きました。

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社食はほかの部署の人と食べる

これまでの職場の大半に社食があり、私はランチを社食で食べていました。社食って部署ごとに固まって食べるでしょう? ホテル勤務なら、営業は営業で、清掃は清掃で、料理人たちは料理人同士で固まって食べます。私は、それが絶対に嫌でした。

だから、日によって料理人と食べたり、清掃の人と食べたりしました。正午~13時は営業の人たちが食事をする時間帯だけど、レストラン勤務の人は忙しいから13時過ぎにならないと食べません。料理人と知り合いたい時は13時過ぎに社食へ行きました。

そうすれば、ホテル内にいろんな知り合いができます。いろんな部署に知り合いができれば、仕事を頼みたいときに直接、情報を収集できますよね。

興味を持たれて嫌な気分になる人はいない

社食では「〇〇担当の薄井です。ここに座っていいですか?」「何の話をしているんですか?」と声をかけて座るだけ。そうすると、みんなは、それまでの会話を続けます。それを黙って聞くことが一番よい情報収集になるんです。

薄井シンシアさん
社食では積極的にコミュニケーションをとる
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自分たちの仕事に興味を持ってもらうことって無いじゃないですか。だから興味を持たれて嫌な気分になる人はいません。レストラン勤務の人は何に困っているのか? 清掃の人は何に困っているのか? ベルボーイの人は何に困っているのか? と話を聞くことが後々の仕事に役立ちます。

ほかの営業から「変な人」だと思われても、「だから、なんですか?」で、おしまい。だって大切なのは実績や数字でしょ?

私はしょっちゅう総支配人と雑談をしていたし、昇進もしたけれど、それはコネクションがあったからでなく、営業成績がとびっきりよかったからです。結果も出せないのに「総支配人と仲良しだから」という理由で昇進したら誰も納得しないでしょう? でも結果があれば、文句はでてこないんです。

他の部署の人の話には学びや気付きがある

料理人たちの話を聞いて学んだのは、団体客の食事場所でした。宴会場とレストランのキッチンは別々にあり、宴会担当の料理人たちは計画的に料理の準備をします。だから急な人数変更があると、とても困る。

薄井シンシアさん
他の部署の人との話で改善策が生まれたことも
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私はそれを聞いてから、頻繁に人数が変わりそうなお客さまには「昼食を宴会場でなく、ホテルのレストランへ食べに行ってもらえますか?」と提案するように工夫しました。その場で調理するレストランなら、急な人数変更にも対応しやすいでしょう?

一般的にホテルのミーティングパッケージの食事は会議室で食べることが多いです。でも、お客さまの立場で考えると、3日間も同じ部屋で食べるのは苦痛かもしれません。海外のお客さまの場合、頻繁に時間変更をするという問題もあります。