どうしても消費電力が増え、電気代がかかる夏。そんな中、「エコキュートを使用している家庭であれば、電気代を節約できる可能性がある」と話すのは、お金のプロフェッショナルで節約アドバイザー・ファイナンシャルプランナーの丸山晴美さん。そこで、エコキュートの節電ワザについて教えてもらいました。
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生活リズムの変化を加味してまずはプランの見直し
節約のためにはまず、電気料金プランを確認しましょう。エコキュートを設置している家庭では、夜間電力が安い傾向にあるオール電化向け料金プランを契約時に選択し、そのままになっていることもあります。また、現在契約しているプランは、時間帯によって料金が変わるのか、1時間あたりいくらなのかなどを把握して利用していますか?
一般的に夜間の電気料金が安いプランの場合、そのぶん日中の電気代が高めに設定されている傾向にあります。かつては日中家にいないことが多かったけれども、リモートワーク中心になり、電気代が高い時間帯に家にいることが増えたなど、生活スタイルが変わっている人もいるでしょう。自身や家族の生活リズムとプランが合っているかどうかも見直しのポイントです。
なお、エコキュートを使っていない家庭でも、生活スタイルに合わせた電気料金プランの見直しは節約に有効です。
モードのこまめな設定で無駄な電力消費をカット
プランの見直しが済んだら、リモコンユニットなどでエコキュートのモードや設定を生活に合わせて自身で変更すれば、さらに無駄な電力消費をカットすることができます。
季節ごとにモードの切り替え
お湯を使う量が少なくなる夏に省エネモードに切り替えるなど、季節ごとにモード設定を見直すことで使用電力量を減らすことができます。
お湯を使わない日は昼間沸き上げを停止
エコキュートによっては、タンクの湯量が少なくなると日中に自動で沸き増しをする「自動沸き増し機能」がついています。「今日はもうこれ以上お湯を使わない」という場合は、「自動沸き増し機能」を停止することで、電気代が高い日中に消費する電力を削減できます。
また、多くのエコキュートには「ピークカット設定」機能があります。お湯が少なくなっても設定した時間以外は沸き上げをしないピークカット設定をすることで、日によって「自動沸き増し機能」を停止するよりも簡単に電力使用量を抑えることができます。
夜間に稼働するようにタイマー機能を併用
電気料金が割高な時間帯をなるべく避けるには、タイマー機能の利用も有効です。例えば午前1時から午前6時までが割安な時間帯である場合、食洗機や洗濯機に洗いたいものをあらかじめ入れておき、タイマー機能を使って夜間に洗って、乾燥までを済ませる。また、炊飯器やホームベーカリーを使う場合、朝6時にご飯やパンが焼きあがる設定をしておくのも節電につながります。乾燥や炊飯など電力を使うものほど、電気料金が割安な時間帯に済ます工夫をしましょう。
そのほかにも、夜間でいいもの、タイマーで時間を調整できるものがないか、生活を振り返ってみましょう。ただし、一度に多くの電力を使うとブレーカーが落ちてしまうこともあるので、ブレーカーの容量と一度に使用する電力量を計算しておくといいですね。
◆教えてくれたのは:節約アドバイザー・丸山晴美さん
節約アドバイザー。ファイナンシャルプランナー。22歳で節約に目覚め、1年間で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニの店長などを経て、2001年に節約アドバイザーとして独立。ファイナンシャルプランナー(AFP)、消費生活アドバイザー、宅地建物主任士(登録)、認定心理士などの様々な資格を持ち、ライフプランを見据えたお金の管理運用のアドバイスなどをテレビやラジオ、雑誌、講演などで行っている。https://www.maruyama-harumi.com/
構成/吉田可奈