健康・医療

《自分でできる“降圧習慣”》薬に頼らず血圧を下げるための「食事」「睡眠」「ストレッチとスクワット」 基本は“減塩”、カギを握るのは“太もも”

塩分を減らすことで血圧が下がる(写真/PIXTA)
写真4枚

 高血圧で治療を受けている患者は現在、全国に1600万人以上いるという。高齢化とともに男女とも高血圧を発症する人は増え続けていて、潜在患者数は4300万人ともいわれる。放置すると命を脅かされる危険があり、多くの女性を悩ませる「国民病」とどう向き合うべきか。最新事情を追った。【全4回の第4回】

血圧を下げる「食事」「睡眠」「ストレッチとスクワット」

 血圧を下げて、高血圧を予防するためには薬に頼る前にまず「血圧を下げる生活習慣」を身につけることも心がけたい。医療法人社団鉄医会理事長で内科医の谷本哲也さんは「やはり基本は減塩です」と語る。

「塩分を減らすと血圧が下がることは数々の研究で示されているので、全体として塩分は減らした方がいい。塩分を排出するカリウムを多く含む野菜や果物を食べることも大切です。

 加えて運動して体重を落とすことも重要で、太っている人が減量するとほぼ確実に血圧が下がります」(谷本さん)

 毎日規則正しい生活を続けて、6〜8時間程度の充分な睡眠をとることも大事だ。

 なにより血流をよくすることが高血圧予防と改善には効果的だ。血管は筋肉と違って伸ばしたり鍛えたりすることが難しいが、血流をよくすれば血管はしなやかになる。推奨されるのはストレッチだ。

胸のストレッチ
写真4枚

『薬に頼らず血圧を下げる方法』の著者で薬剤師、医薬研究者の加藤雅俊さんは「カギを握るのは太もも」と話す。

「太ももの筋肉は血液を心臓に戻す“ポンプ役”。筋肉量が少なく細い足だと血流が滞りやすく、血圧が上がりやすくなります。やせているのに高血圧の人に多いタイプです。太ももを鍛えるには毎日スクワットを行うことが理想ですが、ひざが痛いなどで難しい場合はいすに座る・立つを繰り返すだけでも効果的なトレーニングになります。次に、いすの背もたれにつかまってゆっくりとスクワットを。

 慣れてきたら、両手を肩の高さに上げてゆっくりスクワット。10回を目標にがんばりましょう。私の母も80才ぐらいからスクワットを始めて、ものの数か月でいすなしでお尻をいちばん下まで下げるボトムスクワットが10回できるようになりました。70才過ぎぐらいから薬なしです。そして一切薬に頼ることなく、90才まで元気で自立した生活を送っていました」(加藤さん)

 寒さがピークを迎えるいまの季節は、毎朝布団から出る前にひと手間かけよう。

「冬に布団から出て体が冷えると、体温を上げるため急激に血圧を上げることになり、特に高齢者は危険です。朝起きたら布団の中で両手を使って思い切り伸びをして、体をスタンバイさせると血圧の急上昇を防げます」(加藤さん)

 若い頃は血圧が低くても、年齢を重ねてからは油断せず、高血圧と向き合いたい。東邦大学名誉教授で循環器専門医の東丸(とまる)貴信さんが指摘する。

「特に更年期以降は血圧と脂質の両方が上がり、男性以上にハイリスクになります。ところが循環器系の医師は男性が多く、女性特有の症状に無関心だったり気づかないことがあり、女性の血圧の問題が見逃されがちです。女性は中高年になったら血圧に関心を持ち、血圧が高めなら医療機関で動脈硬化のチェックを受けてください」

 加齢とともに誰しも数値が上がる血圧とは、死ぬまでともに歩む間柄だ。健康を守るためにセルフケアを欠かさないよう心したい。

背中のストレッチ
写真4枚
スクワット
写真4枚

(了)

女性セブン202625日号 

関連キーワード