2024年1月から始まる「新NISA」を機に、投資を始めてみようと考えている人も多いのではないでしょうか。投資未経験者に投資のプロがすすめる金額は、「月々3000円」その理由について『はじめての人のための3000円投資生活 新NISA対応版』(アスコム)の著者で、家計再生コンサルタントの横山光昭さんに教えてもらいました。
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初めての投資は3000円からのスタートがおすすめ
横山さんはさまざまな世代の人に月々3000円から投資を始めることをすすめています。その理由は、「初めて投資をするかたが、おそらく、あまり怖さを感じずに投資にまわせる金額」であり、かつ「投資の面白さがギリギリ体感できる金額」だからなのだそう。
「月々1万円だと、ちょっと額が大きすぎて怖いと思う人、いきなりそれだけの額を投資にまわすのが難しいという人もいるでしょう。かといって、月々1000円だと、特に最初のうちは、あまりにも得られる利益が少なすぎて、『お金が増えていく』投資の面白さを味わうことができません」(横山さん・以下同)
「3000円投資生活」は忙しい人や慎重な人にぴったり
3000円投資生活は、忙しくて投資に時間をかけることができないと感じている人や、慎重な性格のためこれまで投資をしてこなかった人にこそぴったりだと横山さんは言います。月々3000円の積立購入の設定さえしてしまえば、あとは放っておけばよく、冒険をせずコツコツと積立を続けられる人向けの投資方法だそうです。
「むしろ、『冒険が好きな人』こそ、注意が必要です。3000円投資生活の地道な方法に物足りなさを感じ、一攫千金を狙ってハイリスク・ハイリターンな商品に手を出し、損をするおそれがあるからです」
慣れてきたら投資金額を増やしてOK
投資未経験者や忙しい人にぴったりな3000円投資生活ですが、「3000円」という金額はずっと続けるものではなく、投資に慣れてきたら投資金額を増やすことを横山さんはすすめています。
「投資のやり方がわかり、面白さを感じられたかた、ある程度貯金ができたかた、投資によってお金が着実に増えていくと実感できたかたは、ぜひ、毎月の投資金額を増やしていってください。当然のことながら、投資にまわすお金が増えれば増えるほど、あとで手にするお金が大きくなる可能性があります」
少額でも積立を続けることで複利の恩恵が得られる
3000円投資生活は、最初は微々たる利益しか出ないものの、「複利効果」によって、時間がたてばたつほど投資の効果は大きくあらわれると横山さんは言います。
「投資の世界で『利率』に相当するのが、『利回り』です。これは投資したお金(元本)に対し、毎年どれほどの利益が得られるかを示すものであり、やはり元本が大きくなれば、得られる利益も大きくなります。そして『複利』とは、投資によって得た利益を再投資し(元本に組み入れ)、元本を少しずつ大きくすることによって得られる、より大きな利益のことを指します」
月々3万円ずつ、年利6%で運用できた場合、1年後の利益は約1万円、3年後の利益は約10万円と、最初の数年の利益は微々たるもの。しかし、継続すれば、10年後の利益は約131万円、20年後の利益は約666万円、30年の利益は約1933万円に。
「時間が経てば経つほど、複利効果で利益はどんどん大きくなり、40年後には投資額の3倍にあたる、約4534万円もの利益が得られます。ですから、最初のうち、あまり利益が出ないからといって、どうか投資をあきらめないでください」