投資金額を増やすタイミングの目安は貯金の額
横山さんは、「投資に慣れてきた」と感じたタイミングで投資にまわす額を増やすことをすすめていますが、投資金額を増やすもう一つの目安となるのが、月収の7.5か月分の貯金があるかどうかなのだそう。
月収7.5か月分の理由
貯金というのは「目の前のピンチを切り抜けるためのお金」なのだそうです。そして、7.5か月分の内訳は、「使うための貯金=月収1.5か月分」と「おろさない貯金=月収6か月分」だと横山さんは言います。
「使うための貯金というのは、生活費が足りなくなったときや、ちょっとした予定外の出費などに対応できるようにするためのお金であり、おろさない貯金というのは、病気やけが、突然の退職などにより、万が一収入が途絶えても、当面生活できるようにするための『生活防衛資金』です」
十分な貯金を用意することが投資の成功率を上げる
十分な貯金がないと、「お金が必要になったから」と、せっかく購入した投資信託を、価格が下落したときに手放してしまうことになりかねません。十分な貯金があれば、いざという時にも対応できるうえ、投資にも腰を据えて臨むことができます。
「『現在、貯金がほとんどない』というかたは、月々3000円ずつの投資を始めつつ、少なくとも月収7.5か月分の貯金を目指し、そのうえで収入やリスク許容度に応じて投資の額を引き上げることを考えるようにしてください」
◆教えてくれたのは:家計再生コンサルタント・横山光昭さん
よこやま・みつあき。株式会社マイエフピー代表取締役。司法書士事務所勤務後、家計の「負債重視型」コンサルタントとして借金・ローン問題に取り組み、リバウンドの少ない再生を実現。借金家計の改善とともに、マイナス家計がゆとりある家計に変化するよう、低所得者や借金に悩む方でも貯蓄に向かっていけるサポートに注力。著書に『年収200万円からの貯金生活宣言』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『はじめての人のための3000円投資生活 新NISA対応版』(アスコム)など。https://ameblo.jp/myfpyokoyama/
構成/新藤まつり