
お金の悩みや資産形成の相談にのってくれるファイナンシャルプランナー(FP)ですが、費用や必要な準備がわからなければ相談しにくいですよね。そこで、FPに相談したいと思ったときに知っておくべきことを節約アドバイザーでFPでもある丸山晴美さんに教えてもらいました。
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相談にかかる金額は5000円~2万円
まず、ファイナンシャルプランナー(FP)に相談をする際にかかる費用は、安いところでは1回1時間あたり5000円程度です。1回の相談でしっかりと家計に手を入れてライフプランを完成させたいと考える場合は2万円程度になる場合もあるので、1回あたりの目安は5000円~2万円程度と考えておくとよいでしょう。なお、有名な先生に相談する場合はもっとかかることもあります。

日本FP協会では無料相談も実施
日本FP協会では全国でセミナー兼相談会などを実施している(https://www.jafp.or.jp/know/fp/events/)ほか、月に数回予約制の無料相談も実施しています(https://www.jafp.or.jp/confer/kurashi_fp/taimen/)。こうした無料相談の機会を活用して一度話してみて、もっと具体的な相談をお願いしたり、自分に合うFPを探したりするのもおすすめです。
無料相談で漠然とした不安が明確化できることも
具体的に何が不安なのかわからないという状態で、お金を払ってFPに相談するのはなかなかハードルが高いものの、無料相談でとりあえず話してみることで、自分が抱いていたお金に対する不安の入り口が見えることもあります。
漠然とした不安の中でも、自分が一番優先すべきことが何なのか、住宅や車は買い替えても問題ないのか、老後資金は足りるのか、といったことをFPとの相談を通して、現状と将来のお金の問題点が整理されて、やるべきことがわかってくるだけでも収穫と言えるでしょう。

FPに相談する際に準備すべきもの
FPに相談する際は、相談したい内容に関連する書類の写しなどを用意しておくといいでしょう。保険の相談をしたいのであれば保険証券のコピーや写真、相続の相談であれば具体的な資産内容の一覧などです。
もちろん準備ができていなくとも、FPがヒアリングをしてくれるため相談自体はできます。ただ、やはり時間がかかるため、前もって準備できるものは相談前にリストなどをもらっておいて準備をしておいたほうが、具体的な相談やアドバイスにかける時間を多く確保できます。
アンケート形式やFPによるヒアリング形式など、最初にお金の悩みを伝えるやり方はFPによって異なりますが、相談したい事項やお金に関する悩みなどもまとめておくと話がスムーズです。日程が決まった段階で、事前のアンケートシートや準備物の連絡がある場合もありますので、そういった場合は指示されたものを準備しておけば問題ないでしょう。

相談の具体的な流れ
FPに相談する際の具体的な流れは、次のようなイメージです。
お金の悩みを明確にする
今現在抱えているお金に対する不安や悩みがどんなことかを考えましょう。家計を改善したいのか、住宅購入の相談をしたいのか、保険の見直しをしたいのか、まずは自分のお金に対する悩みを明確にしましょう。そのうえで、いつまでに資金を貯めたいといったように、今後どうしていきたいかをざっくりと考えておきましょう。
FPを選び、日程を調整する
相談したい内容が決まったら、自分の悩みに合ったFPをWeb検索や日本FP協会のWebサイト(https://www.jafp.or.jp/)を使って探します。相談したいFPが見つかったら日程調整をします。
相談の事前準備をする
日程まで決まったら、相談に関係する書類や相談事項のメモなどを準備しておきましょう。事前のアンケートシートなどが配布された場合は、そちらも記入しておくようにしましょう。
いざ相談へ
書類関連が準備できたら、FP相談の準備はOKです。当日は、まず自分の持っているお金の悩みに関するヒアリングから始まると思いますので、何を解決したいのか、どういう状態になりたいのかをしっかりとFPに話し、必要なアドバイスを受けるようにしてください。
FPへの相談は早めがおすすめ
相談があとになればなるほど、何かを優先させることで、何かをあきらめざるをえなくなったり、資産運用の選択肢が減ってしまう可能性があります。お金に対する不安があったり、解決したい悩みがあったりする場合は早めに相談に行くのがおすすめです。

漠然とした不安を持っている状態でも、FPと話をすることで悩みが明確になったり、自分がやるべきことが見えてくるでしょう。
また、FPへの相談は一度行えば終わりというものではありません。結婚、出産、子供の養育・教育資金や老後のプラン、相続など、その時々でベストな選択は変わってきますので、早めに信頼できるFPを見つけて節目節目で相談に行き、提案を受けてやるべきことを明確化して行動することをおすすめします。
◆教えてくれたのは:節約アドバイザー・丸山晴美さん

節約アドバイザー。ファイナンシャルプランナー。22歳で節約に目覚め、1年間で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニの店長などを経て、2001年に節約アドバイザーとして独立。ファイナンシャルプランナー(AFP)、消費生活アドバイザー、宅地建物主任士(登録)、認定心理士などの様々な資格を持ち、ライフプランを見据えたお金の管理運用のアドバイスなどをテレビやラジオ、雑誌、講演などで行っている。https://www.maruyama-harumi.com/
構成/新藤まつり