
防寒とおしゃれを兼ね備えたアイテムが気になり始める季節。そこで、皇后雅子さまの首元のおしゃれ術をチェック。雅子さまお得意のスカーフの巻き方など、おしゃれな着こなしをスタイリストの横山麻里さんとともに振り返ります。
スカーフなど首元のおしゃれ、防寒で気をつけるべき点とは?
首元のおしゃれを演出するスカーフなどの足し方、合わせ方のコツを横山さんにうかがいました。
「まず、柄のトップスに柄のスカーフは喧嘩してしまうので避けたいところ。できれば細かい柄はボトムに、明るいorツヤ感のある生地のスカーフは顔周りに持ってくると表情も明るく見え好印象です。襟付きシャツの下に忍ばせて立体感を出すとバランスよく小顔効果もあるうえに、風を通さず暖かいなどこの時期おすすめです。
寒い季節になると、洋服も重量感のある素材になるので、ツヤ感や柔らかい素材のスカーフは、コーディネートに抜け感を作ることができます。シンプルな無地のコーディネートに、柄やカラースカーフを合わせるだけで、明るい印象に。特に首元に巻くだけで、顔周りの印象が明るくなり、防寒対策にもなります。なんとなく、グルグルと首元に巻くのではなく、コーディネートの一部として取り入れ、トップスにインすると、より防寒対策へと繋がります。きれいめスタイルにも、カジュアルスタイルにも、スカーフは好相性で、上品さや女性らしさがプラスされるので、コーディネートが格上げされます」(横山さん・以下同)
マニッシュなパンツスーツに帽子やスカーフで女性らしさを加算
1995年12月、日本の各国駐在大使を招いて、伝統的な鴨猟を行う恒例行事に参加された雅子さま。パンツスーツのマニッシュなスタイルにスカーフのアクセントがエレガントです。

「マニッシュなスーツスタイルにスカーフや丸みのある帽子を合わせることで、女性らしさを加わえたスタイル。スカーフや帽子の白いカラーが抜け感を出しています。明るいカラーのアイテムを顔周りに身に着けることで、全体が明るい印象になります。また、視線が上になり、スタイルアップにもつながります。また、柄スカーフを少し見せることで、さりげなくコーディネートにアクセントが付き、首元が詰まったデザインのジャケットではありますが、より温かく防寒対策にもなっています」
主役の赤ニットにツヤ感をプラスするスカーフは上品さも底上げ
1997年12月の雅子さま34歳の誕生日に合わせて公開された写真は、そのひと月前の11月に栃木県塩谷郡高根沢町・御料牧場にて撮られたもの。

「赤いニットが主役の大人のカジュアルコーディネート。カジュアルになりすぎないように、白シャツを合わせられて、とても上品な印象です。ツヤ感のあるスカーフは、全体のカラーになじみつつも、ワントーン明るいカラーをセレクトされているので、白シャツ+スカーフ効果で、顔周りが明るくなっています。スカーフのツヤ感や柔らかさは、コーディネートに女性らしさがプラスされ、カジュアルなパンツコーディネートも、品格漂う雰囲気になっています。白シャツのボタンと留めて防寒対策するのではなく、+スカーフで首元を覆うことで、防寒対策もおしゃれも両立されています」
コントラスト強めのコーディネートにスカーフが柔らかさを出すクッション役
1998年11月、まもなく35歳になる雅子さまのポートレート。やわらかなペールカラーのイエローのニットに、白シャツ、スカーフをお召しに。

「イエローのペールカラーニットは、黒ボトムとのコントラストが強くないので、優しく、穏やかな印象に。ボトムとシューズのカラーをそろえて、スタイルアップにもなっています。ニットでリラックス感が漂いつつも、白シャツやスカーフ使いで、きちんと感のある着こなしに。スカーフの柄は、コーディネートのアクセントにもなり、スカーフの小物使いが引き立っています」
カジュアルなフリースジャケットにスカーフで新鮮な上品カジュアルに
2002年11月、東京都港区の神宮外苑にて、黄色く色付いたイチョウ並木の下を散策される天皇陛下(当時は皇太子)と雅子さま、ベビーカーには当時1歳の愛子さまも。雅子さまはフリースのジャケットにスカーフをプラスするというカジュアルスタイルでした。

「長め丈のフリースアウターで、きれいめカジュアルな着こなしに。シャツとスカーフは明るいカラーを合わせることで、若々しい印象も与えてくれます。鮮やかなスカーフ使いは、とてもスタイリッシュで目を引く小技。コーディネートを引き締め、おでかけ仕様のカジュアルスタイルになります。さらには、シャツのインにスカーフを巻くことで、風を気にすることなくいられるので、屋外で過ごす日のファッションに最適です」
ボルドーカラーのセットアップにスカーフで明るくおしゃれ度もアップ
2003年11月、児童養護施設を訪問された雅子さまは、くすみがかったボルドーカラーのセットアップにスカーフを巻いていらっしゃいました。



「季節感が感じられる、ボルドーカラーのセットアップスタイルは、短め丈のジャケットに長め丈のスカートのバランスがとてもおしゃれ。明るいカラーの柄スカーフには、ボルドーカラーもリンクされているので、アクセントになりつつも、セットアップと調和しています。首元から少し覗かせるスカーフ使いは、見た目にも温かみが感じられます。
きちんと感のあるセットアップに、さり気ないウサギのブローチ使いは、大人ならではの遊び心も感じられ、素敵です。明るいカラーや柔らかい素材のスカーフにより、セットアップのかっちり感が軽減されているのもポイントです」
オフホワイトのパンツスーツをツヤ感スカーフでエレガントに昇華
2003年11月、天皇陛下(当時は皇太子)と、まもなく2歳を迎える愛子さまと過ごされる愛らしいファミリーショット。エレガントなスカーフ使いが印象的でした。


「オフホワイトのパンツスーツは、マニッシュな印象にもなりますが、ツヤ感のあるスカーフを合わせることで、華やかで、女性らしい雰囲気になっています。スカーフは洋服になじませるのでなく、コントラストのある別カラーを合わせることで、オフホワイトの膨張感を緩和し、スッキリとした印象になります。パンツスーツで無地の面積が多い分、スカーフには柄を取り入れることで、メリハリも」
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ピンクトーンのスカーフで淡いカラーのパンツスーツにメリハリと上品さを演出
2023年11月、天皇皇后両陛下と長女の愛子さまが、即位5周年とご結婚30年を記念し、皇室ゆかりの美術品を収蔵・展示する「皇居三の丸尚蔵館」をそろってご訪問。雅子さまは、明るいピンクトーンのスカーフを巻いていました。







「雅子さまは、バッグや靴も同じカラーで統一され、スカーフがより際立っています。淡いカラーですが、柄のスカーフがアクセントになり、華やかで上品な印象を与えてくれています。ジャケットのインに合わせても、柔らかい素材なので、重たい印象にはならず、首元の肌見せ効果により、抜け感も保たれています。マニッシュになりがちなパンツスーツも、ペールカラーのワントーンコーディネートでとても女性らしい印象。スカーフは、アクセサリーと同じように華やかな印象を作ることができ、また、温かくもなるので、これからの季節大人女性のマストアイテムです」
◆ファッション解説:スタイリスト・横山麻里さん
ほどよくフェミニンで上品なカジュアルスタイリングが参考になると、同世代の女性たちからの支持多数。大人女性のファッション誌を中心にカタログや広告で活躍中。
●皇后雅子さま、即位5年結婚30年記念「特別展」は、ご家族そろって「ペールカラー」のリンクコーデでお出ましに